余談。
一応制服を着こんで、高校へ向かう振りをして家を出たが、
現実の世界でうんざりしながらも毎日通う高校へ、仮想世界でも真面目に通うつもりはない。
それでもこの世界で遊ぶなら、取りあえず通っていないと、面倒なことになる。
なぜなら、レプリカ世界といえど、現実世界のコピーであるため、向こうの道理で世界が回っているからだ。
まぁ、これは前に一部をこちらへ反映したから分かっている。
そんな面倒な世界を、テリー、雪乃、おやっさんを取り込み、再び創り上げた理由。
特にこれだと言うものはないのだが、しいて語るならこの間一部を持ってきて、短い時間ではあったがその中で暮らしてみて、そう悪い気がしなかったからだ。
前回は一部だけ反映したために死活問題に発展し、悠長に世界の中で色々試す時間も心の余裕も全くなかった。だから、今回は全て地球ごとこの仮想空間に反映した。これなら至急に何か切迫した事態に悩まされる事はないだろう。
ただ、前にも言ったが、ありきたりな生活を送るつもりは更々ない。
そんなものは現実世界だけで十分だ。
この世界を再び呼び込んだのは、俺が様々な過程を経て集めた仲間、テリー、雪乃、おやっさんとも絡んで、奇矯な体験をするためだ。
まだ、何をするかは決めていない。
ここへ来て取りあえずした事と言えば、俺の分身を携帯で作り出しただけだ。この世界で体裁を繕うために俺の代わりとなり、高校へ通うことが彼の任務だ。分身君が代わりを演じている間、しばらく俺は、一人テレポートでうろうろしながら、何を始めるか考えてみようと思う。