砂山つくりから衣服調達。
さぁ、砂山作ろう。
地面にしゃがみ込み、荒野に積もる足元の砂を両手で集めて山を拵える。
周りには刺々しいサボテンが見える。
空は白い雲が大半を覆ってはいるが、青空が見えないわけでもない。
陽射しは雲の合間からいくつか漏れて、広大な台地の所々を照らしているに違いない。
そんな事はどうでもいいけど、この世界で最初にやったことが砂山づくりなんて、また趣があっていいなとか柄にもなく思ってしまった。
パジャマのズボンのポケットには、しっかりと携帯が差し込まれている。
ふふふ、このチートアイテムがある限り俺はこの世界をどうとでもできるんだ。
前のように出し惜しみなんぞしないつもりだ。
砂山の頂きを尖らせて見ては、上から踏み潰し、また山の形にして~を続けていたら飽きてきた。
特に目的なんてないから、仕方ないんだけどさ。
よし携帯使おう。
まずは服だ。
パジャマじゃ格好悪いし、寒いんで厚手の服に変えようか。
ここ荒野の癖に、風が冷たいんだよね。
『セーター、綿パン、靴下、靴、キャップ 頂戴」
携帯にこれだけ書いて、決定を押す。
と、同時に、宙にそれらがふっと湧いて出て俺の足元に落ちた。
俺はパジャマ上下を無造作に脱ぎ捨て、まず茶色のセーターを着込み、綿パンに足を通した。次に尻を地面につけて座り、足を折りたたんで片方ずつ白いソックスを履いていく。それが済むと白い運動靴にすぽっと足を嵌めこんだ。サイズはどれもこれもピッタリだ。最後にカーキ色のキャップを頭に被った。