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消去、企画

本来の実験小説に戻ります。

 俺は途中で面倒になって、反映リストの殆どを削除した。

 アテネも、得た能力も家も肩書きもなにもかも消してやった。

 携帯の力の濫用は自然に反している。

「できるだけ」自然な展開で、ありのままでいくのが、精神的にも良い気がしたのだ。

 ただし、日本国は残したままだ。

 

 一人ぼっちになった俺は、家にも帰る気にもなれないので、その辺を練り歩いた。

 ネトカフェで、その日の夜を過ごした。

 ピコピコ動画に、生主として出演した。

 恥ずかしがりやの俺はスマホで全身を映したが、マスクを外さなかった。

 ビューワーは持っていないので、コメントから視聴者の数を判断した。

 大体8人だった。

 コメントは思いのほか友好的だった。

 

 若いじゃん、主いくつ?

 ネトカフェでお泊り羨ましい

 

 しかし、話しているうちに、ネタがなくなり閑散としていった。

 俺はパソコンをシャットダウンした。

 横になり寝た。

 なんだか疲れちゃった。


 そして、本日、ネットカフェを出た。

 いくらなんでも、仮想世界で全く携帯を使わないのは厳しいので、

 衣食住を支えるお金は携帯で出していた。

 他にもいざとなったら、反映することはあるだろう。

 しかし、人間を作るのはやめることにした。

 自然の法則に反しているし、出会いというものを大切にしたいからだ。


 と、気張ってみたものの、ずっと一人はしんどい。

 番いの人々や友達や家族がうろうろする中をお一人様で歩く虚しさ。

 一時期ほどでないが、未だにお一人様に市民権は与えられていない。

 いや、俺が孤独に弱いだけなのかもしれない。

 三宮のアーケード街にある喫茶店にはいることにした。

 角の隅っこの席に座る。

「ナポリタン、コーヒー、ホットでね、後は、ホットケーキ、以上」

「かしこまりました~復唱させていただきます、略」

 さて、なにしようか、これから……

 なんか俺から能動的に何かするのもだるいなあ。

 基本的に俺は受身を好む。

 携帯の使い方も以前のような使いかたをしようか。

 単発的な自分の要求を反映するのではなく、世界そのものを設定して成り行きに身を任すやりかたに変えよう。

 そうなると、難しくなってくるのは導入する事象をなににするかだが。

 あんまり派手なのは、今の俺には耐えられない。

 まあ、迷っていても、埒があかないし、何か一つ決めよう。

『自然法則、人間の集団に、対立遺伝子のようなものが反映される。すなわち、ある人がいるとすれば、その人を打ち消すような敵対的な特殊な存在が必ず一人ないし、二人生れる法則、つまり、実存をかけて、必ずどちらかが死ぬ事にならなければいけない世界』

 これを反映したら、どういう世界になるのかな?

 反映は明日にするか。

 

 

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