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意志。

都合上三人称っぽい一人称へ変更。


「料理うまいねぇ」

「そうですか……」

 山田は皿に盛られた目玉焼きをフォークで突き刺し口元へ運んだ。

 ん? どうしたんだろう、今日は彼女やけに元気ないな。

「赤木さんどうしたの? 」


【注意)拓はイドとスエゴと話し合った結果、最低限の生活を彼らに保障するために家と食糧を与えた。

 例のごとく、無限エネルギー回路から全ての電気、食糧は賄われる、超絶ご都合主義ログハウス

 ついでに、あちこちに木や森や川湖を配置、人間は赤木を出現させた時のようにイドがきままにこの世界に創る】


「いーえ、別に」

 山田は首をかしげた。

 その傍を無言で通り過ぎ、赤木は自分の部屋に篭った。

 よく分からないな、何か悪いことしたかな。

 態度の変化を気にはしたが、室内に彼女が引っ込むと山田は気分を切り換えた。

「う~ん」

 椅子に座りながら伸びをし、それから家の中に視線を巡らせた。

 格子型の窓が壁にはめ込まれている。

 今座っている場所から右方、ログハウスの後方部分は凹型になっていて、出っ張った部分に部屋の入り口である扉がしつらえてある。真ん中の奥まった場所にある扉は水洗便所。

 左方はコンロやステンレス製の流し、食器棚が整然と並んでいる。

「…………」

 山田はこの家が『与えられたこと』には感謝している。

 が、なぜか素直には喜べなかった。

  

 赤木と山田は二人で話し合った結果、この世界は何らかの創造主が存在していると結論づけた。そして、その確信は、唐突に彼らの意識の間隙を突いて現れたこの家の存在によって確固たるものになった。

 たぶん、この世界に二人が連れてこられたのも、異界に住む創造主の仕業だろう。

 そう考えると、山田はなぜ彼がここに自分を連れて来たのかが気になった。

 連れて来た意図によっては、今後どんな事象が起きるか予想がつかない。

 居心地のいいログハウスの中にいながら、胸が不快にざわめくのはそのためだ。

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