特になにもなし。
ちょっとアウトプットしばらく続けます。
キャラテストも含めて。
色々試します。
「私の名はイド、あなたのことなら何でも知っているわ。そしてあなたの忠実な僕」
「僕か、って疲れた、仮想世界にはくるきはあまりなかったんだ」
俺は現実世界にある身体が疲労していた。
キモイ女の話を聞く余力がなかった。
「もうここでるよ」
「はい、またね」
イドは特に俺を繫ぎとめようともしなかった。
しかし、そのとき、
「もう少しがんばったほうがよくない? 」
女の子が帰り道の洞穴の前に立ち塞がっていた。
ショートカットの黒髪の女の子、腰に手をあてて仁王立ちしている。
「はーなんでよ、てか、あんただれ」
「スエゴよ」
「変な名前」
「とにかく、あなたもう少しここにいなさい」
「なんで命令口調なんだよ」
「やれやれ」
「拓も大変ね」
イドはふふんと言ったかんじで怪しく微笑んだ。
スエゴはそんなイドをきっとにらみつける。
なんか険悪な雰囲気だ。彼女達は知り合いなのかな。
俺が両者のにらみ合いの只中で俯いていると、イドが唐突に言った。
「それより拓、ここにいるなら、ショーをみていかない? 私が色々世界を展開させて楽しませてあげるわよ」
「そんなことできるん? 」
「そうよ、私はあなたと同質の力をもっているわ」
「そりゃすげーな」
特に組み付く気力もないので受け流した。
「なあ、とりあえず、あんたらは何者なのか先に聞かせてくれよ」
俺は少し元気が戻ってくると、こいつらの素性が気になり始めていた。
「なんか不気味でさ、いきなり現れて話進められたり、ため口きかれたり、上から物いわれたり」
「さっきも言ったでしょ。あなたの僕よ、そして分身でもあるの」
「私も似たようなものね」
「わけわかんないって」
「簡単なことよ、ここは仮想世界でしょ、あなたの心が生み出したものでしょ」
「確かに」
「心ってのは一つのようで一つじゃないのよ、あなたが心の主たる統制者にあたるんだけど、あなた一人が心を機能させているわけじゃないわけ」
「そうよ、あなたがあなたと考えている部分以外にも心に作用している領域があるわけ」
スメゴがイドの言葉を引き継いで言った。
「その部分が私達なわけよ」
「そうか」
納得言った振りして頷いてやった。
面倒くさくなってきたので。
まあ、要するに彼らは俺の心の一部ということだ。
「さてと、あなたの要求をかなえましょうか?」
イドがいらだったように、頭を掻き毟った。
「さっさと答えて」
「要求ってなんだ? 」
「あなたは刺激が欲しいんでしょ」
「そうだ、そうだった」
俺も頭をかいた。
「なら、今からパノラマのようにこの世界を展開させるわよ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
「なに? 」
「俺は今日は疲れているから、俺を参加させないでくれ」
「じゃあ、私達は空気みたいになって、誰かほかの人間の世界を見るって風でいいかしら? 」
「ああ、それでいい」
ここでやっと不毛な会話が終わった。
私は何故こんな荒野にいるんだろう。
辺りを見渡すと、岩が所々に見えるがそれ以外何も見当たらない。
さっきまで診療室で患者と話をしていたはずなのに。
パニックになりそうなのを抑えて、胸に手を当てて深呼吸をした。
だめだ、思い出せない。
逆行性健忘か?
何か頭に衝撃を受けのち、ここに誰かに連れてこられたのか?
あの患者は確かに、夫とうまくいっていない不満を私に転移してくるよう様子はあったが、
暴力は一度も振るわれたことはなかった。
頭を触ってみるがどこも痛みはない。
なにが起きたんだ?
ひょっとして、私はあの患者と話しているうちに、
解離症状、遁走を起こしてこんなわけのわからないところへやってきたのか?
それほどのストレスを彼女から受けることはかんがえにくいが、現状を説明するには一番いい解答だろう。
私はとりあえず、台形型の岩に腰掛けて心を落ち着かせることにした。