削除、創造。
息抜きです。
別荘で三泊四日滞在するようなもんです。
話の流れに何も期待しないでください。
俺は心身をここで癒します。
飽きたので、一旦以前の世界は凍結させて、現代の日本を仮想世界に反映しました。
俺はこの世界では神様です。
なんでもできます。
脳内作用で世界構築は可能ですが、携帯を使いました。
さて、日本はまだ夜のようだ。
当たり前か。
なにをしようかな?
なんでもいいや。
とりあえず、町を歩こう。
ああ、この万能感久しぶりだ。
外の世界では時間は流れているけれど、
ここでは時間の概念は無いに等しい。
歴史があるような世界ではない。
因果もここでは意味をなさない。
何も変わらない。
変わったようにみえても、それは勘違いだ。
いわば、発生論を基礎とする世界だ。
神である俺が望むものが、ここで消えたり現れたりする。
さてと、どうしよう。
決めていないんだ。
なにもね。
そうだ、現代はつまらないから、
昭和の時代に戻そうかな。
携帯に『現代世界を昭和時代に変える』と打ってOKを押した。
仮想世界に昭和時代の日本が反映された。
何年くらいだろう?
とりあえず、うろうろしてなにをするか考えよう。
俺はこの世界である家の小学生となって過ごすことにした。
中々大きな家だ。
玄関も広い。
俺は靴を脱いで、廊下に上がった。
薄暗い廊下を少しいくと、扉があったのでノブを回して室内に入る。
ここは応接間のようだ。
白黒の格子状の模様があるソファーがある。
そこにちょこんと座る俺。
座って初めて自分の体を観察する。
色白の細く短い手足。
小学生ってこんなんだっけ?
今初めて違和感を感じた。
自分の体になじんできたら、部屋を見渡した。
真正面にテレビがある。
赤いテレビ。
どうやったらテレビはつくのだろう。
右側のでっぱりみたいなのがどうも電源らしい。
押してみた。
反応なし。
う~ん、いじくりまわしてみよう。
あ、テレビがついた。
手の甲がぶつかった拍子に。
これは引くもんなんだ。
なるほど。
ニュースキャスターがなにかしゃべっている。
黒縁の眼鏡をした背広のおっさんだ。
何か深刻な話をしているらしい。
なになに、どこかで殺人があった?
~県警は特別捜査本部を設置して。
どうでもいいや。