表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/197

規律。

「なぁ、ここで皆で住むからにはいくつか規律を決めようと思うんだ」

「賛成です! 」

「そうですね」

 高志さんは俺と愛ちゃんが賛成の意を示すと、意気揚々と語り始めた。

「まずは……」

 高志さんは几帳面な性格らしく細かいところまで決めていった。

 皆の部屋の真ん中にある大きなフロアの掃除は毎日やること。

 高志さん、俺、愛ちゃんの順にやる事に決まった。

 各部屋は一日一回自分で必ず掃除機をかけること。

 生活ゴミは毎日一つに集めて、外に出て少しいったところにある岩地のくぼみに捨てること。

 とにかくその内容は多岐に渡った。

 高志さんは紙にボールペンで全て記入してフロアの壁にテープで張り付けた。

 俺は途中から眠くなってきて聞いていなかったので、張られた規律表を見て大体のことを確かめた。

「高志さん、凄く計画性ありますね」

「そうかい? 一緒に暮らすならこれくらい普通だよ」

 高志さんは愛ちゃんに褒められて機嫌をよくしたのか、ご満悦といった表情をしている。

「そういえば、アンナって子いるんだっけ? 」

「あ、え? 」

 僕は突然話を振られて驚いたのもあったが、アンナの存在をすっかり忘れている自分にも驚かされた。

 完全に彼女のことが頭になかった。

「実は彼女行方不明で……」

「なんだって? この何にもない荒野を女の身でどこかへ言ったっていうのか? 」

「そうなんですよ、何処にも姿がないんです」

「お前、ちゃんと、見に行ってやってたのか? 」

「いえ、なんかちょろちょろ一人で勝手にどこかへ行くし、僕らと交流をもとうってことしないから、なんかあんまり構われたくないのかなって思って……そう考えたら、なんだか行きづらくなって……」

 あの時、家を与えたのは良かったが、彼女は俺たちの家にくることは全くなかった。

 俺は俺で愛ちゃんが引きこもって大変だったし。

 一度だけ彼女の家に行った時には、既にもぬけの殻だった

「あー全く拓は適当だなぁ……、でもまぁ仕方ない、とりあえず、その話は後で考えよう」

「すみません」

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ