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番外、息抜き。


 現実生活で俺は悲嘆に暮れている。

 だから、今創造中の世界はおいといて、またあてどのない旅を挟もうと思う。

 完全な現実逃避だ。

 前の世界はとりあえず凍結して、何もない荒野から旅は始まる。

 すぐに終わるだろうけど――


 現実の俺は鬱が酷い。

 何もかもが薄墨色に染まって見え、空虚の只中に俺はぽつんと置き去りにされている。

 なぜ生きているのか?

 存在理由は何なのか?

 そんな根本的な答えも見出せていない。

 こうなっては現実世界から一旦退いて仮想世界で癒しを求めるしかないだろう。

 だよな?


 てことで、俺は仮想世界にやってきた。

 荒涼たる景色が広がっている。

 時折あらぬ方向から吹き寄せる砂塵が目にしみた。

 

 荒野の乾ききった白く固い大地にあおむけになって青空を眺める。

 真っ青な空を穴が開くほど見つめる。

 そして、横向きになり、手枕に頭を置いてしばらく忘我の境を彷徨う。

 俺は現実世界から逃げ出し、仮想世界に逃げてきた難民だ。

 表の世界はあまりに苛酷で、容赦がなく、俺の精神は磨り減ってしまっていた。

 ジーパンのポケットに携帯は差し込まれているが、触れる気にもなれない。

 以前なら新しい世界を創造して、悦楽に浸ろうなどと画策するはずなのに……


 


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