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だらだら。

 計画通り他の連中は追っ払い、この子だけを浚った。

「拓さんっていうのですか 」

「そうだ」

 俺はこの子と話している間に、言葉や思考も流暢に流れるようになっていた。

 適応の異様な速さに自身でも驚いている始末だ。

 想像にすぎないが、勇者はその環境に応じて自らを溶け込ませる能力にも長けているのかもしれない。

「時に、俺の山になにしにきた? 」

「えーっと、私は……」

 ジルは大きな瞳を瞬かせ、

「あー、えーあー、そう、人身御供ですよ、ここんところこの山で祟り神となったあなたが暴れているのでそれを沈めようと捧げられたく・も・つなんです、私は! 」

「そうか、お前は俺への贈り物ってわけだな」

「そういうことになります」

「じゃあ、食うかな」

 白い法衣、紫の三角帽子姿の彼女は気品があり、その目には知性の光が窺える。

 要は口がうまいのだ。世渡り上手な人間だ。

 この手の人間は信用できない……

「顕現 白王! 」

 彼女が後ろに飛び退った直後、頭上に大きな白い手が容赦なく俺に被さってきた。

 いや、叩き潰されたといってもいい。

「これなに? 」

 その膨大な圧力を俺は片手で相殺した。

「ひえぇえ」

 慄く彼女は踵を返して山道を降りようとしたが俺から逃げる事は不可能だ。


 

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