仲間を呼んだ。
「拓よぉ、もちっとしゃきっとできん? 」
「言われてもな」
「ち」
難癖つけのエドワードは舌打ちをして、背中を向けた。
「拓~拓~、タンポポが咲いてたよ! 綺麗だよ!」
「あぁ、綺麗だね、斜里」
「拓様、気のせいか大所帯になってませんか? 」
「親王細かい事は気にするな、俺は神なんだし色々できるんだよ」
確かに増えた。
俺が親王とこの世界で何をやるかについて頭を悩ましてたらこうなった。
エドワードはちょび髭を鼻の下に生やし、シルクハット被り燕尾服を纏った30代のオヤジ。
タンポポに浮かれてたのは年のころ、13,4の少女斜里。
他にも――
「拓様、こういうのはどうでしょう、親王の力を利用して宗教団体を創設して拓様が教祖になって信者を集めて――」
「いや、俺は人の上に立てるような人間じゃない」
今合理的かつ現実的な案を出したのは秘書のマルフォイ。
紺色の紳士服で身を固めた一見リーマン風の男。頭脳明晰、生ける知恵袋。怨霊が右腕なら、彼は俺の左腕候補だ。
まぁ、なんか俺があまりにやる気ないので周りに相談相手を増やせばと――
安易に考えて携帯で次々と家来を増やしてしまった。