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『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』  作者: 姜維信繁


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第79話 『ハーレムの試練、始まる』

 1986年(昭和61年)5月4日(日)


 佐世保に到着。


 5月だぞ! 半袖でよかったんじゃねえのかってくらいの暑さだ。オレは汗っかきだから、タオルは手放せない。


 絵美の気遣いに感謝感謝だ。


 万津ターミナルから歩いて四ヶ町まで向かう。10分程度の距離だけど、まずは何をするか決めないとカオスになるな。



 


「じゃあ、まずはどこに行く?」


 悠真の問いかけに、6人が一斉に声を上げた。


「四ヶ町!」(美咲)


「ゲームセンター!」(凪咲(なぎさ))


「鹿子前水族館!」(絵美)


「島瀬美術館!」(礼子)


「玉屋の遊園地!」(菜々子)


「石岳動物園!」(純美(あやみ))


 6人6様の答えに悠真は頭を抱えた。


 やっぱりこうなるか……。


 見事にそれぞれの好みに分かれている。


 51脳は冷静に分析するが、じっくり全員の希望をかなえるのは時間的に不可能だ。かといって、誰かの希望だけを優先するわけにもいかない。


「えーっと、じゃあ四ヶ町アーケードをぶらぶらして買い物とかしながら、玉屋とゲーセンと島瀬美術館、お昼はバーガーショップ。その後動植物園に行って、最後に鹿子前水族館に行こうか」


 妥当な提案に全員が納得したようだった。


 しかし、どう考えてもかなりタイトなスケジュールだ。


 まるで、無理やり詰め込んだ旅行ツアーのようである。観光名所巡りを優先してしまって、1つの場所の良さを堪能する前に次に行かなくちゃならない。


 ただ通過しているようなもんだ。


「じゃあ、悠真の隣は私が歩く!」


 行き先が決まって歩き始めた頃、凪咲がいきなり悠真の腕をつかんだ。


「あ! ズルい!」


 即座に美咲が反対側の腕をつかむ。


 この2人は仲が良いのか悪いのか。


 いつもは仲がいいんだろうが、悠真のことになるとライバル心がむき出しである。


「ちょっと待って! そういうの、平等にしない?」


 礼子の冷静な一言に、場がシーンとなった。


 悠真がいじめられっ子だった礼子を助けてから、今がある。


 最初は控えめな子だと思っていた悠真であるが、自宅(礼子の家)の件があってから、少しずつ礼子が積極的になってきているのを感じていたのだ。


 純美や菜々子、絵美は黙ってみている。


「それなら、ジャンケンで順番に決めようよ」


「みんな、ジャンケンで決める?」


 純美が静かに提案すると、菜々子が全員に目をやった。


「その方が公平だね」


 絵美も小さな声で賛同した。


(ありがとう、3人とも……)


 事態を収拾しようとする3人に、悠真は心の中で感謝した。


「うーん、でもジャンケンじゃ運任せだし……」


 美咲は不満げだ。


「それとも……順番決めとく? 最初は美咲、次は凪咲、その次は……」


 礼子の提案に、女の子たちは顔を見合わせた。


 悠真は気まずい雰囲気を打破しようと、別の提案を思いつく。


「えーっと、じゃあ、そういうの、もうなしにしようよ。そうすればケンカも起きないし。それに……手をつなぐのは、学校でもできるだろ?」


 悠真の冷静な言葉に、女の子たちは一様に目を丸くした。


「え?」


 美咲の声には驚きが混じっていた。


「そうだよ。こうやってみんなで佐世保に来たんだから、楽しもうよ。誰が隣にいるとか、誰と手をつなぐとか……そんなことで時間を無駄にするよりも、限られた時間を有効に使おう」


 51脳の経験と知恵が、この言葉を導き出した。13脳はまだ抵抗しているようだが、今は理性が勝る。


 女の子たちは互いに視線を交わし、少し恥ずかしそうにした。


「そうだね……ごめんね」


 そうは言ったが、本当に納得しているのだろうか。


 美咲が腕を離した。凪咲も同様に手を放す。


「悠真の言うとおりだね。せっかくの楽しい日なのに」


 菜々子の言葉に、全員が静かにうなずいた。


「そうね。そのほうがいいかも」


 礼子も同意した。


 悠真はホッと胸をなで下ろして、前を向いて歩き始めた。



 


『協調性のない女は嫌いだ』


 悠真の洗脳が効いているのだろうか。



 


「さあ、四ヶ町へ行こう!」


 明るい声に、女の子たちも笑顔で続いた。





 四ヶ町アーケードは日曜日ということもあり、人でにぎわっていた。


 今は、ああ、令和の今は、日本全国のアーケードは人通りが少なくなっている。でも、昭和の日曜日は、そりゃあ混雑していた記憶がある。


 悠真は先頭を歩き、6人の女の子たちが緩やかな列を作って続く。


 でも……手はつながないが、どうしても右に美咲、左に凪咲の構図が発生する。


 悠真は苦笑いするが、これ以上は制御のしようがない。


 それでも、断腸の思い(?)で悠真は後ろへずれる。


「はい! じゃあ今度は純美と礼子の番ね」


 そう言って左右に並んだ2人に声をかけながら歩く。


 これなら手をつなぐのと同じじゃないか、と悠真は思う。荷物も持てないし、明らかに周りの悠真を見る目がおかしい。


 いや、まじでこれは面倒くさいぞ。


 オレがなんで、こんな苦労をしなくちゃならねえんだ?


 美咲が興味を示したアクセサリーショップの前で、一行は立ち止まった。


「ここ、見てもいい?」


 悠真はほほ笑んでうなずいた。


「いーよー。みんなで見よう」


 店内では美咲が積極的にアクセサリーを手に取り、他の女の子たちにも意見を求めている。


「これ、どう思う?」


 美咲の問いに、凪咲や純美も興味を示し、3人で品定めを始めた。


「悠真はどれが好き?」


 純美が尋ねると、悠真は慎重に言葉を選んだ。


 女が言うどれがいい? どっちが似合うかな? は全く意味のない不毛な質問である。


 なぜならその答えはすでに決まっているからだ。


 ただ、そのプロセスを無理やり男に押しつけているに過ぎない。


 真剣に悩んで、うーん、どっちも似合うと思うけど、こっちがいいんじゃない?


 それで、結局選んだのが全く違うものだったりする。


 あれは一体、何なんだ?


「あー、それいいね! うんうん、似合うよ。うーん、こっちも捨てがたいなあ……。でも、美咲ならどれでも似合うよ♪」


 なんていう外交的な返答に、3人とも納得したのかしないのか、それぞれ自分の好みのアクセサリーを選び始めた。


 純美はシンプルなシルバーのペンダントを、凪咲は揺れるタイプのピアスを、美咲はブレスレットを選んだようだ。


 もちろん、中学生が買うアクセサリーだ。


 貴金属店と言うよりも、雑貨屋である。


 会計を済ませて店を出ると、菜々子と絵美、それに礼子が少し離れた場所で立ち止まっていた。どうやら、店内を物色したが、目当ての商品がなかったようだ。


「ごめんね、待たせちゃって」


 美咲が申し訳なさそうに言うと、菜々子は首を横に振った。


「ううん、大丈夫。ゲームセンターに行きたいんだけど、いいかな?」


 菜々子が遠慮がちに尋ねた。


「いいね! 行こう行こう!」


 凪咲がすぐに賛成する。


 ゲームセンターは凪咲の希望だったから当然だ。美咲も純美も異存はない。


「礼子はどうする?」


 悠真が礼子に尋ねると、彼女はほほ笑んだ。


「私も行くよ。ゲームセンターは久しぶりだから楽しみ」


 次の目的地はゲームセンターなんだが、なにしろ目立つ。


 男は1人で、しかも中学生だ。


 それが、これだけたくさんの女の子たちを連れて歩いているのは、やはり珍しいのだろう。


 特に、美咲、凪咲、純美、礼子、菜々子、絵美と、それぞれタイプの違う、皆どこか目を引くかわいい女の子たちだ。


 道行く人が振り返ったり、ひそひそと何かを話したりしているのが分かる。


 前世でもこの6人はかわいいランキングに入っていたが、今世ではなぜかそのランキングがさらにアップしているようだ。


 ま、これもハーレムの代償か……。


 オレの51脳はどこか楽しんでいるが、13脳は少し居心地が悪かった。


 男から見れば、かわいい女や美女を連れている男は、クソ男に見えるもんなんだ。


 自分がそういう環境にないもんだから、せめて男のランクを無理やり下げることで、脳内で納得できるように処理しているんだろう。


 オレの試練(?)はまだまだ続いた。



 


 次回予告 第80話 『修羅場! 6人と悠真の大冒険? その3』

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