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『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』  作者: 姜維信繁


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第73話 『嫌で嫌で仕方がない家庭訪問』

 1986年(昭和61年)4月25日(金曜日)<風間悠真>


 毎年、毎年やってくるいやーな日が、今年も来た。


 家庭訪問だ。


 思春期の男子中学生にとって嫌なイベントのひとつである。


 ちなみに、そのイベントは三者面談・運動会(要するに親が来る学校行事)、そして家庭訪問だ。


 今思えば(51脳)、親は大事にしないといけないと分かっている。


 自分がちゃんと親孝行できているのか、ときどき自問自答していたもんだが、当時は(今)そんな事は考えもしない。


 何と言うか、背伸びしたい年ごろである。


「なあ祐介、お前、家庭訪問終わった?」


「あ? 昨日で終わったぜ」


「どうだった?」


「どうって、何が?」


 オレと祐介は去年とは違って同じクラスの二組だ。担任も同じだから、訪問する先生も同じ。当たり前だ。


「いや、まあ今度が初めてじゃないけど、せんせが家に来るなんて嫌じゃねえか? お前ん家はキレイだからいいけど、オレん家はボロだからな」


 ボロは言い過ぎかもしれないが、要するに古い家だ。


 五右衛門風呂にくみ取り式のトイレって話は前にしたかな? 女の子を呼びたくない、いや、男も嫌だな。


 その理由の一つだ。


 いろんな面を友達と比較して、家庭の裕福さや境遇の良し悪しの責任を全部親に押し付ける。そして、育ててもらっているのを忘れて、反抗したり距離を置いたりする。


 まさに、前世のオレがそうだった。


 でも、今世は前世に比べて親孝行、祖父母孝行しているつもり。


 つもりだ。


 本当にじいちゃんばあちゃん、親父やおふくろがどう思っているかは分からん。


 初めて反抗期というか、親や家族と距離を置かなくなったのは、高校を卒業して働くようになってからだった。


 月並みな表現だが、金を稼ぐことの大変さを身をもって知ったからかな。


「ん……まあ、それに関してはオレは何も言えんなあ。オレたちがどうこうじゃねえからな。まあ、それで差別するせんせならクソだし、人間として最低だけどな」


「だな。で、お前昨日終わったんだろ? 親から何か言われたか?」


 祐介の親には前に会ったが、結構な放任主義だ。


 あまり細かくは介入してこない。


「親からはまぁ……バンドの事は大丈夫って言われたよ」


 祐介の表情は少しだけ曇った。普段なら気にしない家庭の話題が、家庭訪問という特別な状況で重くのしかかってくる。


「成績も悪くないし、まあ好きにやれってさ」


 オレは祐介の言葉にうなずいた。音楽への情熱が強すぎても、勉強をないがしろにしているわけじゃない。むしろ真面目な方だ。


 オレたちは、軽音楽部創設以来、常に上位をキープしている。


「ていうか、お前まだだったのか?」


「うん、まだ」


 去年までと、今年は違う。


 もしかすると、来年も変わるかもしれない。


『風間悠真』の『か』と『仁木祐介』の『に』なら、オレの方が早いのだ。


 そう、五十音順ならな。


 どっからかわからんが、親の都合で最終的な日程は変わるのに、ベースの日程が五十音順なのはおかしいって議論が起きたらしい。


 らしい=うわさだからだ。


 それなら今年はくじ引きか。


 まあ、どうでもいい。


 そんなわけで、今年は悠真が早かった。


 去年はクラスが違ったしな。


「悠真、もうこの話題やめにしねえか。つまらん」


「ああ、そうだな」


 唐突な祐介の一言で家庭訪問の談義は終わり、放課後の練習へと向かう。


 今日は平日で宇久兄弟はいない。


 二人は基本的に土日祝日か特別日だけだ。


 だから基本はオレと祐介、それから今はルークが入って、三人でやって週末に合わせる感じで練習している。


「で、お前はサユリンとどこまでやっちゃってんだ?」


 音楽室に行く前に自販機でジュースを買った。


 飲みながら立ち話、いや歩き話をして音楽室へ向かう。


 これもルーティンみたいなもんだ。


「どこまでって、何だよ?」


「え? いや、男と女でどこまでって言えば、決まってんだろ?」


 祐介は、? という顔をしている。


 マジかこいつ。


 本当にマジか? (日本語がおかしい?)


「……あ、あー! お前、そんな事考えてんのか? スケベだな!」


「いや、露骨にスケベって。あのさあ、健全男子と呼んでくれたまえよ! 13歳の健全な男子が、女子と何をするかって言えば決まってんだろうが。別に、おかしくも何ともないぞ」


 ……。


 祐介との間に微妙な間ができた。


「ああ、その……まあ、なんだ。キスまではしたぞ。いや、オレからじゃねえぞ、なんかこう、そんな雰囲気になってだな。アイツが顔を寄せてきたもんだから、その、流れでな」


 おー!


 祐介、やるじゃねえか。


 部分的だけど、コミュ障も良くなってきたんじゃねえか?


 いや、それにしても女子って。


 サユリン(黒川小百合)はものすごく控えめで、あんまり自己主張しないタイプだが、あの子も祐介と同じで二人っきりなら大胆(コミュ障改善)になるのかな。


 それとも、女子は誰でも関係なく、男子より進んでいる?


 まあ、それでも51脳搭載のオレにはかなわんだろうがな。


 オレと祐介は音楽室へ向かいながら、わざとゆっくり歩いて時間を稼いだ。


 オレは炭酸ジュースの缶のフチをくわえて、力を入れて上下に揺らす。


 もう三分の二は飲んでしまったので、遊んでみた。


 そう言えば昔からやってた気がするな。


 頭からは家庭訪問の話題は消えている。


「で、お前は?」


 突然、祐介が聞いてきた。


「え?」


「いや、だからさ。オレがキスの話をしたんだから、お前も何か話せよ」


 え? マジで珍しい!


 思わず缶を落としそうになった。普段あまり自分から話さない祐介が、こんな話題を振ってくるなんて。


「いや、まあ……」


 美咲との校舎裏での出来事、礼子との神社での時間、そして凪咲(なぎさ)との……。


 どれも13脳が興奮する思い出だが、51脳が『ここは黙っておけ』と警告を発している。


 フェラチオ寸前の手コキをしてもらったなんて言えるはずがない。


 どんな反応を示すのか興味があるが、やめた。


「それは言えんな」


 オレはニヤリと笑って答えた。


「なんだよそれ!」


 祐介が思わず声を荒らげる。


 その時、音楽室の前で待っていたルークが顔を上げた。



 


「Hey,guys! What'sup?」


 オレたちの会話は、そこで途切れた。



 


 次回予告 第74話 (仮)『GWだ! っつっても公立中学だしこの時代。大型連休なんてねえよ』

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