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宇宙嫁取物語

「ど、どうして、どうしてそんな無茶するんだよぉ......」

『泣くか照れるか喜ぶか、どれかにしてよね!シャンとしなさい!』

「で、でも、なんで前人未到のワープ航行をぶっつけで!心配するだろ!」

『人体に影響はない!深宇宙の魔女が保証するわ!』

「その名前も何なのぉ......」

『パニックで泣いちゃって、かわいいわね。』

 カオルの姿をよくよく見たら、いつもの白衣じゃなかった。

 新形の白衣?いや、シンプルだけど!あれは!ウェディングドレスか!

「カオル......ドレスかわいいね」

『きゅっ!?急に言うのはなんでなの!?今日はずっとこの格好だったし、もっとタイミングあったじゃない!もう我慢できない、今からそっちに行くわ!!』

 呆然としているうちに、一番大きな船からのアクセスがあった。もちろん許可する。


 カオルと、会える。


 船のアクセスが正常に行われ、エアロックが解除、され、目の、前、には。


「ナオキ!」

 ウェディングドレス姿の、カオルの姿は、あまりにも美しくて、

「......カオル」

「初めて、顔を合わせると、思ったより照れるわね......」

「カオル、会いたかった、会えてよかった、もう、これ以上、なにも......」

「言わなくて良いの。良いのよ。ねぇ、お嫁に貰って?」

「あぁ、結婚しよう」


 ローカル接続の無線から、祝福の鐘の音が響き渡った。



 大船団の一員となったからには人目につかないところなんてほとんどないわけだが、流石に今日は2人きりにしてくれるようだ。

 俺の船まで送ってくれた船員たちを母艦に見送れば、もう2人きり。

 何だか照れ臭い。

「......こほん!深宇宙の魔女、ね。実は私の先祖はね、ワープ技術の開発者だったの。

 その技術でうんと離れた宇宙まで行って、危険も伴う研究を続ける一族だった。

 私は一族以外の人たちと研究がしたかったから、家出して連合圏内までやってきた。だから最初から、ワープ航行が確立されてるのを知ってたのよ。

 遠い宇宙からやってきた深淵なる叡智を持つもの。それが私ってわけ」

「そうだったのかぁ、カオル、大変だったね」

「あなたの方が大変だったじゃない」

「そうかな?そうかもなぁ」

「1人になったあなたを見たときね、似てるって思って。家出をして深宇宙から宙を渡った、あの頃の私に。私は夢見て1人で渡った。でもあなたは、1人になったから夢を見ざるを得なかった。だから、最初から気になってたの」

「へへ、こんな綺麗なお嫁さんに一目惚れされてたなんて、照れ臭いね」

「言うわねぇ。でも、深宇宙の技術をなめないでね!嘘ついたらすぐわかるわよ?ヒドい嘘なら宇宙ウミウシに飲ませちゃうんだから!」

「そんな生き物までいるの!?見てみたいなぁ、カオルと会えて、一緒になれて、また夢が広がった、ありがとう!」

「んふふ、夢見るナオキも素敵だけど、今日は初夜じゃない。私だけを見てね、あ・な・た?」


 これから宙の世界は今までの何倍もの速さで発展していくのだろう。

 それを見ていたい、この温もりと共に。


めでたしめでたし。


夢の中で見た物語を完結させてみました。

夢の中で、若手の作家の集まりに参加してて、一晩で書くワンドロ?みたいなことをしてて、そこで構想はできてました。

夢の中ではもっとダークな内容だったけど、ハッピーエンドが好きなので。

読んでいただいてありがとうございました。

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