8月2日
夏です!
職場のみんなと山へキャンプに行くことになりました。
なぜ山なのでしょうか。
海で遭難しても海上保安庁が無料で助けに来ますが、山で遭難したときは地元の人たちが捜索してくれますが有料です。
行くなら海ですよ、海。
と言いつつ、しっかり斉藤君をリュックに背負って楽しんでいるのですが……。
「ぼんじゅ~る♪ ぼんじゅ~る♪」
おや、あそこに見えるのは、隣の部署に配属されたばかりのマリオ君ではないですか。なんでもイタリア系企業から出向だとか何とか。いつの間に我が社はインターナショナルになったのでしょうか。
「パスタを食べればいいのデ~ス♪」
このキャンプ場は、水が有料。持ち込みもそんなたくさんあるわけじゃありません。パスタのような水を大量に使うものを作るわけにはいきません。
「お~パスタがなければ何を食べろというのデ~スカ~?」
さすがヘタリア。大戦中砂漠でもパスタを作りまくって水不足で軍を撤退させた、とのうわさはガチであることを証明してくれてます。
「マリオ、カレーを作るからパスタは我慢しなよ」
みんなで説得して、納得してくれたようですが、ふてくされて向こうへ行ってしまいました。
まぁ、ヘタリアはしょせんヘタリアだと……なんかあやしげなキノコを持って帰ってきましたが何をする気でしょうか?
「とてもおいしそ~なキノコを見つけマシタ! カレーに入れるべきデ~ス!」
そんなものを入れるなの合唱の中、ヘタ公はあっさりと鍋に入れやがりました……。
カレーのにおいがとても食欲をそそります。
ですが、頭が『これは食べるべきではない』と警鐘を鳴らし続けます。胃袋の反乱軍と脳の鎮圧軍の戦いは一進一退……他の人たちも同様です。
「どうして皆さん食べないのデスカ~? とてもおいしいデ~ス」
一人笑顔で食べてますが、もしかして食べられるのでしょうか?
皆がそう思い始めた瞬間!
「う!」
「マリオ!」
周りが心配する中、なんとマリオの体が膨張し始めました! 体がパンパンに膨れ上がっています。一体何のキノコを食べたらこうなるというのでしょう?
マリオは真っ赤に膨れた顔で苦しんでいます。
こんなときどうしたらいいのか、皆が顔を合わせてうなずき合っています。
私に、いいえ、正確には私のリュックに集まる視線。
斉藤君! 今こそ出番! マリオにぶつかれば彼の体は縮むはず!
とぅるっとぅ、るるっとぅ、るっとぅとぅ。
どうやら二回もぶつかってしまったようです。
さらば、マリオ、二度とこの日記に出てくることはないでしょう。