5月24日
職場に鳴り響く轟音。
これは、そう聞いたことがあります。
小学生の頃、クラスの悪ガキがいたずらで押しては怒られていた……そう赤い悪魔。
今この音を聞くと思う。大人になってもいたずらする者がいるものなのか、と。決して本当の火災だと思わないところ辺り私も平和ぼけしているのかもしれません。『火事です。落ち着いて避難してください』
作り物の男の声が続けて響きますが、ここまできても誰ひとり動こうとしないのは逆にあっぱれ。
みんな誤報かいたずらだと確信しています。『お知らせします。ビル管理室です。三階東給湯室でぼやが発生しましたので避難してください』
事ここにいたって皆パニックになって逃げ出す……と思いきや……。
「ぼやだろ?」
「すぐ消えるって」
「三階だって言うしね」
皆余裕のようです。
まぁ、結果としてぼやのまま消火できたようですので事なきを得ているわけですが、本当に火事が起きたとき……。それも、私の住んでいるマンションで火事が起きたらどうなるのでしょうか?
避難した先で斉藤君は生きていけるでしょうか?
あんなに電気を使う生き物が……
斉藤君、火事になったら非常食だからね。