表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/112

十二月二十七日

十二月二十七日

 今日は会社の大掃除です。

いくつもの中小企業が入った雑居ビルの五階に事務所があります。

「よーし今日も頑張っちゃうぞー」

 今日は、の間違いでしょ。

普段はろくに動きもしないのに、こういう身体を動かすときだけ張り切る筋肉男は困ります。

といいつつそういう男を利用しなければならない事情もあるのですが。



そう、ここに立ち並ぶロッカーの連合艦隊こそ、同じビルの二階に入っている、否、入っていた安田電気産業株式会社様の置き土産。

民事再生法の適用をうけることになったため、備品の一部を格安で我が社が引き取ることになりました。


二階から五階へ。エレベータなし。


オー シビーア!


 こんな重い物を階段で持って上がるのかい? イッツ・クレイジー!


 嘘です。本当はエレベータ付きのハイテクビルですので台車に乗せて楽々スイスイです。


「先輩、現実逃避してないでそっち持ってくださいよ」


 嘘だと言ってよ、後輩君。ここはエレベータで運ぶべきだと思うがいかがかね?

アイキャントスピークイングリッシュ?


「無い物ねだりしても、エセ外人のふりしても、ここはエレベータのエの字もない築三十五年の雑居ビルですよ」


 オーケー斉藤君。君の甲羅に乗せて運ぶことにしよう。頑張って階段を上ってね。


「僕、甲羅なんて無いですよ」


 う、突然声をかけて来たのは営業部の齋藤君。


チッ


どこにでもいるような名前をペットにつけるものじゃないですね。

斉藤と齋藤。漢字は違っても読み方は一緒なので誤解を周りに与えかねません。


それはさておき齋藤君には頑張って運んでもらいましょう。


「え? 僕一人でですか?」


 もちろんです。

 齋藤君はウチの斉藤君の生まれ変わりに違い有りませんから、助けてもらったお礼は返すべきです。


まぁ、斉藤君はまだ生きてますけどね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ