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シマウマのライオンきょうしつ

作者: やまくま

 これは、へんてこな シマウマと ライオンの おはなしです。 


 あるひ、1とうの ママシマウマを せんとうに、10とうの こどもシマウマが そうげんを あるいていました。

 きょうは むれの こどもシマウマが、はじめて ライオンを みにいく 『ライオンきょうしつ』の ひです。


「ライオンって、どんな やつかなあ」

「わたしのほうが かわいいもん」

「はやく みたいなあ」

 

 こどもたちは わいわい がやがや。えんそくの きぶんです。


 しばらく いくと、ライオンの むれが こかげで ねそべって いました。


「ほら、みんな みてごらん。あれが ライオンよ」

 

 ママシマウマが、こどもたちに おしえます。


「ライオンさん、こんにちは。きょうは けんがくに きました」

 

 ママシマウマが、ぺこりと あたまを さげると、こどもたちが わいわいと ライオンに ちかづいていきました。


「へえ、これが ライオンかあ」

「あはは。へんな かお」

「おしりが くさいなあ」

 

 こどもたちは きょうみしんしんで、ライオンを さわったり においを かいだり しています。


「たべていいのか?」

 

 ライオンたちが、むくむくっと たちあがりました。

 すると、ママシマウマが ピシッと おこりました。


「だめに きまってます! きょうは けんがくに きたんですよ! おそいたかったら、わたしたちが むれに いるときに おそうべきでしょう! ひゃくじゅうのおうが ひきょうなこと しちゃいけません!」

「ちぇっ。わかったよ」

 

 ライオンたちは、また ねそべりました。


 さあ、ママシマウマの ライオンきょうしつの はじまりです。


「この たてがみが あるのが、オスの ライオンです」

「おおっ」

「もじゃもじゃー」

「おちんちんも ついてるのー?」


 こどもたちが さわぎます。


「こっちの たてがみが ないのが、メスの ライオンです」

「えー?」

「なんで ないのー?」

「かぜで とばされちゃったのかなあ」


 こどもたちは ざわざわ。


「くちを あけてくださいな」

 ママシマウマが いうと、オスライオンが くちを あけました。


「もっと おおきく!」

 ママシマウマに せかされると、オスライオンは さらに くちを あけました。

 するどい きばが ぎらりと ひかります。

 まわりの メスライオンも、つられて くちを あけています。


「さあ、みてごらん。これが ライオンの きばよ。これで シマウマや ヌーを がぶっと たべちゃうのよ」

「うわあ」


 こどもたちが おどろきの こえを あげました。


「すごいなあ」

「こわーい」

「くっさーい」

「わたし、こわくないもん」

「ぼくにも みせてよー」


 こどもたちは、ライオンの くちの なかを のぞきこんで おおさわぎです。

 

 ママシマウマが、こどもたちを せいれつさせました。


「さあ、みんな。きのう おしえたことを おぼえているかな? ライオンが きたら……」

「にげるー!」

「そうそう。よく おぼえていたね。ライオンが きたら……」

「にげるー!」

「みんな、えらーい」


 ママシマウマに ほめられて、こどもたちは うれしそうです。


「さあ、そろそろ かえりましょう。さいごに ライオンさんに おれいを いいますよ。せーの」

「ライオンさん、ありがとうございましたー」


 ママシマウマと こどもたちは、ライオンに むかって おじぎを しました。


「あー、おもしろかった」

「バイバーイ」

「あっかんべー」


 ママシマウマと こどもたちは、すたこらさっさと かえっていきましたとさ。


 おしまい 

 

読んでくれてありがとう。

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