どこなの?これ
初めての投稿作品です。投稿はゆっくりかもしれませんが、コメントなど貰えるとすごく嬉しいです。
宜しくお願いします。
『はあ〜〜。なんで?』
彼は、混乱していた。なぜなら、見ず知らずの森の中だからだ。
周りを見渡せば、木々が生い茂り、今まで見たこともない生物がいた。
『うーんと転生?今流行りの?魔法とか使える感じ?』
このトンチンカンな状況にも関わらず、彼は持ち前のポジティブな発想のおかげで、転生したことを受け入れて始めてる
彼は元々、30歳。働き盛りのどこにでもいるサラリーマンだった。特に秀でた才能もなく、取り柄もない普通の人。
そんな彼が、この状況を理解できたのは、転生者の小説が好きだったことと、人一倍ポジティブなおかげである。
『えっと、とりあえず、ここにいたらまずい!こういう時は街に行かなきゃ!』
周りを見渡した彼は、うっそうとした木々の合間から、大きな建物の方を見た。
『あそこに行って、情報集めないと。』
彼はすぐさま行動に移し、歩き出した。しばらくすると街の門までたどり着き、門兵に止められる。
『お前、何者だ?通行証はあるのか?変な格好をしてるがどこからきた?』
門兵に次々に質問され、どうしようと戸惑っていると、門兵の上司らしき人が、声をかけてきた。
『何してるの?お前はただでさえ怖い顔してんのに、そんな顔して次々に質問したら、善人な人も、挙動不審になるよ。』
上司らしき人が苦笑しながら門兵を嗜めていて、それを見て、『話せる人がいる』とホッとしながら、その二人に向かって話しかけた。
『僕は、東雲 悠と言います。通行証はありません。ていうか、ここが何処なのか?どういう街なのかも知らなくて‥‥。』
嘘をついたり、取り繕った所で、どうせバレるし何もいい事ない。それに生きていくなら色々教えてもらわないと。
そう思いながら、怖い門兵の上司らしき人に自己紹介と何も分からないと言う事実を伝えた。
『あー。えっと。そっか!とりあえず。お腹とか空いてない?中でゆっくり話しようか?
あ、僕の名前は、ルーファウス•ハーバン宜しくね!』
爽やかな笑顔をしながら、握手をするように手を差し伸べてきた。それを見て、男の俺が見てもイケメンだなぁと思いながら自分も手を出す。
『ルーファウスさん。こちらこそ宜しくお願いします。』
ルーファウスに連れて行かれ、歩きながら街を見ていると、ヨーロッパ?みたいなレンガの建物がいっぱいあり、洋服もワンピースや、麻の布のような物を着ている人が目立っていた。
『確かに、これじゃ変に思うわな。』
と自分の短パンTシャツのスタイルを見て苦笑いを浮かべていると、
『ついた、とりあえず、ここで食事しながら話をしようか?あ、会計のことは気にしなくていいよ。僕がご馳走してあげる。』
笑顔で店の中に案内してくれるルーファウスに、マジ天使。俺ってラッキーっと思いながら、店の席についた。
何を頼んでいいか分からず、メニューを見ていると、
『僕が適当に頼んでいいかな?』
と、ここでも爽やかにリードするルーファウスを見て、絶対モテモテな男だな。コイツ‼︎と少し、嫉妬の入った目線を向けていると、
『色々聞きたいことがあるんだけど、とりあえず、悠君?どこから来たとか?わかるの?自分の名前は知ってるようだけど?』
俺を安心させるためか、ずっと爽やかな笑顔をしながら聞いてくるルーファウスに対して、俺はありのままを話した。信じてもらえるか分かんないけど、とりあえずこの人には話してもいいような気がして。自分の真実を全て話した。
それを聞いたルーファウスが、
『うーん。転生かぁー?でもその格好なら納得かも。どうしよう?とりあえず、僕の家来る?お金も勿論だけど、泊まるとこもないでしょ?』
ルーファウスの申し出に、驚き目を見開いて、
『いいんですか?俺、行くとこもないし、わけ分かんないから、ほんとについて行きますよ?』
『いいよ。僕は独身だし。それに家も大きいし、部屋も余ってるから、君一人くらいならなんとでもないさ。でも、転生したってことは皆には内緒にしてた方がいいかもね。どこぞの変なやつに誘拐されて、奴隷として売り払らわれる可能性もあるから。』
ルーファウスの言葉に奴隷とかいるんだ、気をつけなくちゃと思いながら、このトンチンカンな状況にも関わらず、この場所で前向きに生きようとする悠であった。