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蒸留所と箱祝いの妖精 2




醸造所の立ち並ぶ穀倉地帯の小さな町では、麗かな春のお昼時とあり、店も賑わっていた。

この土地は元々は町ではなかったのだが、醸造所が集まった事でそこで働く人達が集まり、町になったのだとか。


(わ、先程より人が増えてきたような………)


ネア達のお目当ての美味しいお肉のお店にも、それなりにお客が入っていたが、幸いにもテラス席の良いところが空いたようだ。



「ご案内いたします」


にこにこと案内してくれる店員は、すらりとした背の高い精霊で、このような土地柄か、明らかに高位であるディノにも怯える様子はない。


席を空ける迄は入口の椅子に座って待っていたのだが、ネアが綺麗な獣耳に見惚れていると少しお喋り出来た。

古くから酒造に携わる精霊であるらしく、涼やかな微笑みの男性ではなく、男性のような凛々しさのある女性と聞けば思わずうっとりと眺めてしまう。



「綺麗な精霊さんでしたね。酒蔵守りの狼さんなのだそうですよ」

「あんな精霊なんて………」

「むぐ?!特製大蒜たれの、燻製肉のステーキがあります。ディノ、分け合いっこしませんか?」

「…………精霊なんて」

「羊肉のハンバーグもあるのですね。味付けは、香草と塩胡椒だけなのですが、胡椒がしっかりと効いていてぴりりとするのだとか」

「それも頼むかい?」

「おつまみサラミの気分でしたが、………むぅ。……夜の花園の香りで燻製にしたソーセージのとろとろチーズがけ………」



ネアは、メニューを上から全部いただきたくてはぁはぁしてしまい、ここまで気になるものを揃えてしまったお店を少しだけ呪った。



(どうしよう。素敵なものばかりある………)



「………ぎゅわ。朝採り檸檬のチーズケーキ」

「君が好きなものを頼むといい。………ネア?」

「一人では選びきれないので、ディノも食べたいものを主張して下さい…………ぎゅ」

「選べなくなってしまったのかい?」

「ふぁい。沢山食べる方がもう一人くらいいれば、分け合える料理が増えたのですが………」

「おや、それならベージを呼ぶかい?先程、この町にいたようだから」

「なぬ。ベージさんがいたのですね!……し、しかし、お声がけして迷惑ではないでしょうか?そしてディノは、一人増やしてしまっても嫌ではありませんか?」



そもそも、町のどこかにいるベージをどうやって呼ぶのだろうと考えたが、ディノにはきっと、魔物的な手法があるのだろう。



「すぐに来ると思うよ。この町には、そうそう来れないのだから、色々な種類を食べたいのだろう?」

「………ふぁい」

「使われている肉も、この土地だけの特別なもののようだからね」

「なぬ?!」


それは初耳であったネアがびゃんと弾むと、ディノはメニューに書いてある説明文を示してくれた。

そこには、牛肉と鶏肉に関しては、この町で育てられている麦や葡萄などを食べさせて育てられていることが記されているではないか。

羊肉と豚肉については、近隣の街から仕入れているらしく、とは言えこちらもブランド肉のようだ。



「…………ぐむむ。ベージさんに声をかけてみましょう!」



ネアはまず、どうしても外せないとろとろチーズがけとステーキを頼んでしまい、ディノにベージを呼んで貰った。

するとディノは、後からネア達の近くのテーブルに着いた三人組の男性に声をかけ、ベージを呼んでくれないかと頼んでいる。

ぱちぱちと目を瞬き、ネアは首を傾げた。



「…………あの方々は、ベージさんのお連れの方なのです?」

「いや、別行動のようだね。けれど、連絡は取れる筈だよ」

「む?」



となると、ここ迄は一緒に来たが町では別行動の、同じツアーの人達という感じなのだろうか。

もしや氷竜の仲間だろうかと目を凝らしたが、残念ながら竜らしくは見えない。

ネア達が立ち寄った醸造所のお酒を開けているので、何だか親しみを感じてしまい、ここには多くの人達がお酒を買いに訪れるのだろうなと頷いた。



(ヴェルリアからのお客が多くなければ、………)



そう思わざるを得ないが、この土地の蒸留酒は、葡萄酒やシュプリを好むウィームの人々よりも、強い酒を好むヴェルリアの民達に好まれるらしい。

食前酒など、繊細な味わいのものも多く、商品を見てみるとウィームでも充分流通しそうに見えるが、どちらかと言えば、ウィームで手に取るのは人外者達が多いのだとか。


そうなると、顧客層を広げる為にヴェルリア領への営業をかけるのも致し方ないのかもしれない。




「…………っ、すみません。ご招待いただけるとは」


暫くすると、走ってきたのか酷く慌てた様子のベージがやって来た。

同じツアーの仲間らしいテーブルの者達が興奮したようにこそこそと盛り上がっているので、きっと、同じツアー仲間がディノと知り合いであった事に驚いているのだろう。


ネアは、ディノはとても綺麗な魔物であるとふんすと胸を張りつつ、急いで来てくれたベージにお礼を言った。



「こちらこそ、急なお声がけをしてしまいました。ベージさんは、昼食のご予定などはありませんでしたか?」



その言葉に、水色の瞳に水色の髪の優しい目をした氷竜の騎士は、ふわりと微笑んでくれる。

瞳には淡く檸檬色の虹彩模様があり、ネアはふと、このような色をつい最近も見た事があるような気がした。


「ええ。所用で来ていただけですので、用事の後は、買い物などを済ませて帰るつもりでした。声をかけていただけて、嬉しかったです」

「まぁ!それなら良かったです。…………実は、このお店の料理を沢山食べたいながらも、二人では限界があると感じていたところ、ディノに、ベージさんがいたと教えて貰ったのです。もし宜しければ、こちらで沢山頼んでしまうので、お昼ご飯をご一緒してくれませんか?」

「っ、………いえ、どこかで昼食をと思っていたので、自分の分は……」

「ほわ、ステーキ!!」



ベージは、自分も払うのだと言い募ろうとしていたが、そこで丁度ステーキが到着してしまい、ネアの心は完全にそちらに向かってしまった。


食前酒なのでと、買ったばかりの雪と砂糖のお酒をグラスを持って来て貰ってベージにも注ぎ、まずは乾杯からの前菜となる。


こちらもベージは恐縮していたが、元はと言えば、一品でも多く食べたい邪悪な人間の企みなので、諦めて貰うより他にない。


なお、この町では、飲食店で持ち込みのお酒を飲んでも支払いは発生しないのだそうだ。


それはというのも、飲食店に卸されている酒類は、全てが醸造所の委託販売で、元々飲食店での売り上げにつかないからだ。

ただし、五名様以上はグラス代がかかるようになる。



「…………むぐ!………ふぁ!大蒜と少しだけ唐辛子の効いた濃厚なソースが美味しいでふ!!」

「かわいい……」

「ディノも食べてみて下さいね。このバターを溶かしかけるのも、とても美味しいのですよ!」

「…………かわいい」

「ベージさんは、こちらにはよく来られるのですか?」

「いえ、久し振りですね。ただ、この食前酒が作られている醸造所の、夜雨と氷花の酒が好きで、新しい物が売り出される冬の初めには必ず来ますよ」

「むむ、そのようなお酒もあったのですね」



ネアは少しだけ興味を持ったが、聞けばやはり、強めの蒸留酒のようだ。

欲を出して買っても美味しく飲めなければ意味がないので、名前だけで買うのはやめておこう。



「実はこの町の醸造所に、妖精に転属した親族が勤めているんです。彼女に氷竜の話をしてやる為にも、毎年一度は訪れるようにしています」

「……………もしかして、このお酒の醸造所ですか?」

「ええ。お会いになりましたか?」

「ベージさんと同じ配色の瞳の、とっても綺麗な代理妖精さんにお会いした事を思い出していたのです。ご親族の方だったのですねぇ………」

「おや、あの妖精は竜だったのだね…………」


ディノも意外そうにしていたが、その竜は、あの醸造所の主人に恋をしてしまい、そこで働く為に妖精に転属したのだそうだ。

あの醸造所では、作られているお酒の関係で、竜種が働くのは良くないのだそうだ。


ネアは、ベージの遠い親族だというその妖精の話を聞かせて貰いながら、たった一人で竜である事を捨てて恋をした人間の代理妖精になった女性を思う。

それはもう、そんな大事な主人を傷付けた精霊など、細切れにしてしまうのも当然であった。



「ようやく想いが届いたようでして、来年には伴侶になるようです。相手の人間は、酒作りの味覚が変わらないかと、妖精との婚姻に躊躇いがあり、随分と時間がかかったようですが」



そう微笑んだベージに、ネアは何て素敵な話なのだろうと笑顔になった。

妖精細工の瓶に入った美味しいお酒に美味しい料理があり、そこに幸せな恋の話が加われば、いっそうに全てが美味しく感じられるというものだ。



「…………むふぅ。燻製サラミとソーセージの盛り合わせに、養殖棘牛のタルタル…………養殖?」


ネアはふと、養殖の棘牛とは何だろうと考えたが、あまり深く考えない事にした。


麦鶏のコンフィはほろほろで、何しろやはりステーキが抜群に美味しい。

結局頼んでしまった羊のハンバーグも美味しくて、ネアは、小粋におつまみをいただきながら、お酒をちびちびといただくという軽やかな計画の頓挫を認めない訳にはいかなかった。


ちらりと見たベージもしっかりと食べてくれており、ネアは、ふむふむ宜しいと頷いた。

棘牛の希少部位の串焼きはもはや至宝といっても良い味わいで、おまけに自家製タルタルソースでいただくという奇跡の組み合わせであった。



「………ぷは!特製ソースで煮込んだ挽肉とお野菜のピザ的なものもとっても美味しいです。ベージさんは食べましたか?」

「いえ、これから………ネア様?!」

「では、切り分けますね!素敵な道具が付いているので、手で触れてはいませんからご安心下さい」


ベージはなぜか、ネアが切り分けたピザ風のものをお皿に取り分けられると目元を染めていたが、食べてみると美味しかったようで瞳を丸くしている。


 

(この挽肉の味付けをしているソースが凄く美味しいのだわ。アルテアさんがいれば、再現して貰えたのにな………)



むぐむぐしながら、そんな事を考えつつ、ネアは隣で嬉しそうにマッシュポテトを食べている伴侶にも、ピザ風の料理を取ってやる。


ディノは、新しいお店で美味しさに弾むご主人様との食事が楽しいようで、その度に目をきらきらさせてしまうが、竜種であるベージの食べる量には及ばない。

その上、手で食べる系の料理はちょっとだけ危なっかしい手つきになるのが大変初々しくて良いのだった。



「ネアの料理………」

「ディノ、この場合は切り分けて、こぼれそうだったチーズを載せ直しただけですからね?」

「君がチーズを載せたのに、料理ではないのかい?」

「ええ。その代わり、こちらのお酒を使った美味しい酒蒸しをいただきましたので、今度作ってみますね」

「ご主人様!」



ネアは葡萄酒の酒蒸ししか知らなかったが、紅鱒を使った蒸留酒の酒蒸しはとても美味しくてぱくぱく食べてしまった。


料理用の蒸留酒があるらしく、バターと輪切りにして載せた檸檬、そしてファンネル風味でさっぱりだがこくのある味わいが何とも秀逸である。

これは、ベージが来たからこそ注文出来た料理なので、彼がこの町に居てくれた事を感謝するばかりだ。



「そう言えば、先日は、リーエンベルクの、氷除けの魔術の更新に来て下さったのですよね」

「ええ。リーエンベルクの庭の一角にある、妖精の井戸の氷除けは随分と古いものでしたから。冬の最盛期に術式を編み直すと、翌日は却って氷が張ってしまうので、この時期がいいだろうと昨年から話していたんですよ」

「ノアが、ベージさんは氷の魔術の構築にとても詳しいのだと話してくれて、見られなかったことを後悔したのです」


ネアがそう言えば、ベージは柔らかな水色の瞳を細めて微笑んでくれた。

残念ながらとげとげはしていないが、ベージは、ネアの大好きな竜の一人である。


氷竜の一件で、リーエンベルクとの縁も深めたベージは、その井戸の魔術の更新に立ち会った後に、先日エーダリアに送りつけられた手紙の中にいた精霊についても話をしたそうだ。


(…………そうか。あの魔術の庭にその精霊が飼われていたのなら、送り主が、別の個体を持っている可能性もあるのだわ………)


手紙の送り手は、ノア達がどうにかしてしまったと聞いている。

とは言え、その人物に仲間がいないとは限らないので、もしもの時の対策は必要なのだった。



「俺に出来る助言など、僅かなものですが。このようなところで、あの事件の際にいただいた祝福が生かせるのなら、いい恩返しにもなります」


穏やかに微笑み、少々無骨なところも残したこの優雅さが、如何にも竜の騎士らしい雰囲気ではないか。

氷竜の国では色々と問題もあるようだが、ネアは、この素敵な隣人が困るような事があれば、即時のきりんの出動を辞さないくらいにはベージの事が好きだった。



「………ネア様?」

「む、………ベージさんは、沢山の量をぱくりと食べてしまうのに、とても優雅なのでついついじっと見てしまいました。気になってしまいますよね」

「い、いえ、そのような理由であれば、好きに見ていただいて構わないのですが……………照れますね」

「ベージなんて………」

「あら、ディノもじっと見つめてしまっていいのですか?伴侶なので、遠慮しませんよ?」

「…………ずるい。虐待する」

「解せぬ」



恥じらう魔物をそっとしておき、ネアは、当初の予定通りに注文したサラミをお口に入れた。



「……………美味しいです!」

「弾んでしまうのかい?これは、買えるもののようだよ」

「………む、むぅ」


ネアは、既に大幅に予算を超過している買い物について考えつつ、それでも強欲な人間であった。

今後の買い物は寧ろ控えなければならないのに、そろそろ、サラミの専門店に行く頃合いだろうなと考えていると、何か平べったいものがしゅるりと足元に滑り込むではないか。


食事中なので、取り敢えずがすっと踏みつけておきつつ、取り皿に載せたばかりのお肉を丁寧に切り分けていただく。


足の下のものは既に動かなくなっており、御行儀悪く食事中に獲物を狩ってしまったからか、テーブルの向かいでは、ベージが僅かに震えていた。

近くのテーブルの、ベージと同じツアーのお客とおぼしき者達も気付いてざわざわしていたので、ネアは、少しだけ恥ずかしくなって踏みつけた足をそっとどかしてみる。



「ネア、狩ってしまったのかい?」

「む、むぅ。足元にしゅばんと入り込んで来たので、悪いものだと思ったのですが、もしかして、店員さんだったりします………?」

「いや、森からやってきて、この店の料理を狙ったものだと思うよ」

「おや、板栗鼠ですね。店の倉庫などを荒らしたり、店の客を食べてゆく妖精ですので、退治してしまった事は寧ろ喜ばれるでしょう。羨ま……いえ」

「まぁ、こやつは裏山からやって来たのです?」

「裏山…………え、ええ。と言うよりも、森でしたね。言い間違えました」



ベージは、まだお肉を頬張りながら板栗鼠を狩ってしまったネアに慄いているものか、僅かに緊張した様子だった。

しょんぼりしたネアが、踏みつけていた板栗鼠をえいっと、テラス席の端っこに蹴りどかして証拠を隠滅しようとすると、おやっと水色の瞳を瞠る。



「売りに出さなくて宜しいのですか?」

「…………お食事中に獲物を狩ってしまい、お行儀が悪かったと反省しているのです。ベージさんは、呆れていたりしません?」

「俺がですか?いえ、まさか」


そうにっこり微笑んでくれたベージに、ネアはほっとして笑顔になった。

隣の魔物が小さくずるいと呟いていたので、ぷすりとフォークで刺したソーセージを、えいっとお口に押し込んでおく。


水紺色の瞳を瞠った魔物は目元を染めてふるふるしてしまったが、嬉しそうにもじもじしているので、ネアはまた善行を積んでしまったようだ。



柔らかな木漏れ日と、暑くも寒くもない心地よい気温に、春の花々が満開の美しい街並み。

そこで、伴侶と素敵な竜の騎士と共に、美味しい昼食をいただけるのだから、こんな幸福な時間もないだろう。


食前酒くらいで酔っ払ってしまう事はないが、けれどもほんの少しの優しいほろ酔いは加わっている。

帰りがけに料理用の蒸留酒と今食べたサラミを買うのだと決めてしまい、その判断を後で悔やみはしないかとひやひやしているが、買ってしまえばこちらのものだ。


後悔しようとも自身の欲求を満たしてしまうのは、ネアの昔からの悪癖であり、自身の甘やかし方である。



「にゃーん」

「……………ディノ、捕まえて貰ってもいいでしょうか」

「うん………。逃げてしまったのかな」

「おや、箱祝いですね」


ベージがそう視線を向けたのは、テラス席の向こうにある歩道で、そこをしゅばっと駆けてゆくのは白い箱生物だ。

明らかに、先程ジンの魔物に手渡して来たばかりの生き物である。


「先程の醸造所に引き渡してきた筈なのですが、どうやら脱走して来たようです」

「にぎゃん?!」

「愚かな箱にゃーんです!!私達がまだこちらの町に居るとは、思いもしなかったようですね」

「……………にゃーん」



すぐさまディノに捕縛された箱生物は、箱状の姿ながらも項垂れているように見えた。

ネアはふと、シュタルトの絵の中から脱走する子熊を思い出し、むっしゃむっしゃと、どこから略奪して来たのか分からないオレンジを皮ごと食べている箱生物をじっとりとした目で見下ろした。



「帰りに、もう一度あちらの醸造所に寄らなければですね………」

「であれば、俺が預かりましょう。立ち寄ってから帰るつもりでしたから」

「にゃーん」

「いえ、こやつは今、ちょっぴり邪悪な表情をしましたので、ベージさんに悪さをしないよう、我々が移送しますね。………いいですか、今度逃げ出したら、紐に括り付けてぶんぶんと振り回しますよ!」

「にゃーん?!」

「それとも、その白い体を激辛香辛料油で赤く染めてもいいかもしれませんね」

「にゃ、にゃーん!!」

「それか、設置箇所を教えて貰い、その場に接着剤で固定します」

「……………にゃ」



箱生物がぶるぶると震えて暴れなくなったところで、ネアはやれやれと顔を上げた。



「……………むぐ」



するとそこには、なぜか少しだけ涙目のベージが茫然とした面持ちでこちらを見ているではないか。

思いがけず、こんな姿を見られてしまったネアは、悲しみのあまりにぐるると唸ると、美味しいステーキをぱくりと食べたのだった。



















明日4/27の更新はお休みとなります。

TwitterにてSSを上げさせていただきますので、もし宜しければご覧下さい。

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