スキルを身につけました
すみません連休中忙しくて投稿できていませんでした。
最新話です!
「アル...そろそろ起きてくれんかの...?」
名前を呼ばれ目を開けるとじいちゃんが俺を背負って歩いている。すっかり夕暮れの時間だった。
「おじいちゃん疲れちゃってのぅ...年には勝てんわい」
どうやらじいちゃんはダンジョンで倒れていた俺をおぶって帰るつもりだったんだが疲れがきてしまったらしい。といっても家はもう目の前でダンジョンからここまで相当の距離だ。並大抵のジジババならそんなことはできないさすがは勇者様だ
でもさすがに申し訳なくなってきたので慌てて降りる。
「お、おじいちゃんごめんね!ありがとう!」
「ほっほ、いいんじゃいいんじゃそれよりアル今日は楽しかったかのう?」
どう答えるべきだろう...初めてのダンジョンで楽しめたっちゃあ楽しめたけど死にそうにもなったしなぁ
おじいちゃんへの返答を渋っているとおじいちゃんの顔が暗くなってきた。
「どうしたんじゃ...?つまらなかったか?」
「い、いや!すっごい楽しかった!うん!また連れてってねおじいちゃん!」
「ほっほそうじゃなぁ機会があったら連れて行くぞ」
そう話していると家に着いた。ドアを開けようとすると中からすごい勢いでばあちゃんが飛び出してきた。
「アール!!大丈夫かい?怪我はないかい!?」
「うぐっおばあちゃん...大丈夫...だよ...」
(むしろ今怪我をしそうだよ...)
「聞いてくれセシル。アルはダンジョンの隠し部屋に入って一人で出てきたんじゃぞ!」
自慢げにじいちゃんが話すとばあちゃんの顔色がどんどん変わっていく。
「ほっほあの時はどうなるかと思って必死になって外から開ける方法を探しとったがさすがわしの孫じゃ「あんたアルをちゃんと見てなかったのかい!!!!」
おばあちゃんの怒号に身体をビクつかせてしまった
じいちゃんも身体をビクっとさせていた。普段温厚なおばあちゃんがここまで怒ることはない。普段は怒っても部屋にこもってしまうか1日黙っている。
「す、すまん...」
「違うよおばあちゃん....俺がたまたま隠し部屋に入っちゃったから...しょうがないよ...俺のせいだよ」
「......無事でよかったよ全く」
「怒鳴って悪かったねぇじいさん...」
「ほっほ...悪いのはワシじゃよセシル。すまんかった。」
ふぅ...無事に解決したようだ...ばあちゃんめっちゃ怖え...
「アル...これからばあさんを怒らせないようにしよう」
じいちゃんがばあちゃんに聞こえないように俺に耳打ちしてきた。
聞こえてたらどうするんだよまじ...。
「それはそうと隠し部屋をクリアしたなら何か報酬があったんじゃないのかい?」
「報酬...?あーお金とポーション1個だよ!!」
俺はカバンからポーションとお金を出しおばあちゃんに差し出した
「ん?ポーション...いやこれは違うよ!!アル!!ただのポーションじゃないよ!!」
「どれどれ...これは...!!スキルポーションじゃ!すごいぞアル!」
スキルポーション....とは?ただのポーションじゃなかったのかな?超回復とか?
「アル試しに飲んでみておくれ!」
「...わかった」
じいちゃんとばあちゃんがえらい興奮してるそんなレアなのかなこれ
おばあちゃんからポーションを受け取り飲んでみる。薬品の味がするのかと思ったが柑橘系のジュースの味がした。なにこれ美味いオレンジジュース?この色で?すげぇ
「なにも変わらないけど...」
「これはね値段をつけようがない代物でまだ3個しかこの世界で発見されたことがないレアアイテムさね」
「3個!?」
「それで4個目だよ」
やっべえくっそレアドロップじゃねぇか!あっ!!
「えっ!でも飲んじゃった!!」
「それでいいんじゃよ、スキルポーションはのぅ飲んだらスキルを得られるというものじゃ」
「スキル...?」
「あぁ、自動治癒スキルや物理耐性、魔法耐性とかが付与される。でもレアドロップだから前例がこの3つしかないからねぇ...」
チートじゃね?なんだそれ!すげぇ俺のはどんなスキルなんだ?すげぇ!すげぇ!
あまりの興奮で語彙力なくなっちゃったよ。。
「そう、じゃから得たスキルを確かめる方法がないんじゃよ...」
「えーーーっ!!じゃあどうすればいいの?」
「....いや、でも確かめる方法がないわけじゃないんだ」
「どうやるの?」
自動治癒、物理耐性、魔法耐性のスキルを確かめる方法...?あっ、あー....そういうこと...
「アルが攻撃を受けるしかないんだ。」
あーやっぱり。それしかないよね。これしか方法ないんじゃしょうがねぇか。ステータス表示できるわけじゃないし。
「あーうん...わかったやろう!」
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「それじゃ行くよアル身体強化しな!まずは魔法耐性を確かめるよ」
「うん!いつでもいいよ!ばあちゃん!」
そういうとばあちゃんは俺に向かって炎の球を放ってきた。
「あっつ!いたい....!」
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一通り確認が終わり俺はばあちゃんに治癒魔法をかけてもらっている。
「大丈夫かい?アル他にいたいところはないかい?」
「うん...大丈夫だよばあちゃん...」
「んー物理耐性でも魔法耐性でも自動治癒でもないとなるとなんじゃろうか...?」
色々試したが俺のスキルは物理、魔法耐性、自動治癒のどれでもなかった。
「なんだろ....」
なにか、何かなんでいいせっかくの超レアドロップ
なんだチート級の何かを!!
ーこんにちは。ご主人様!
どこからかそんな声が聞こえ顔を上げると目の前には羽を生やした手のひらサイズの小さな女の子がいた。
「これは...」
「精霊じゃと!?」
「はじめましてご主人様、私は精霊族のリアーナと申します!この度ご主人様のスキルによって召喚されました。よろしくお願いします!」
召喚....!?
「精霊召喚とは...とんでもないスキルだねぇ」
「あぁ、ワシも長いこと冒険者もとい勇者やっとったが初めて聞いたわい。」
「これってスキルなの...?」
「前例が自動治癒、物理、魔法耐性しかないからねぇスキルなんじゃないかい?」
俺は召喚された精霊を見る。
こいつはどんなことができるんだろうか?
「ご主人様...?」
ご主人様ってなんかこそばゆいな...呼び方変えてもらおう
「えーっと?リアーナだっけ...」
「はい!ご主人様なんでしょうか!」
「その...ご主人様ってのやめてもらえないかな...?」
「お気に障りましたでしょうか...?ではなんとお呼びすれば...」
「アルでいいよ」
「いえ、ご主人様をそんな気軽に呼ぶなんてせめて!アル様と呼ばせてください!」
リアーナは少し困った顔で答える。
アル様...ご主人様って呼ばれるよりかマシかなぁ...
「うーん...じゃあそれでいいよ」
「ほっほ、孫がもう一人増えた気分じゃのばあさん」
「可愛い精霊さんだねぇこれからよろしくねリアーナちゃん」
「はい!よろしくお願いしますおじい様おばあ様」
なんにせよこれで俺のスキルがわかった
俺はスキル精霊召喚を手に入れた。
ゲオルグさんとお父さんに紹介しなきゃな...