お父さんにばれました
スライムを倒し修行場ではなくそのまま家に一人で戻ることにした。
ゲオルグさんは何か目に涙を浮かべ「今日は一人で帰りなさい、スライムよくやったね、明日は休みにしてやろう」といって何処かへ行ってしまった。
そうか明日は休みか・・・。
今思えば修行をすると決まって以来、休みと呼べる休みがなかった気がする。異世界に来てずっと修行してたし家でゆっくりしていようかな。
ん?待てよおじいちゃんからは何も教わってないな・・・。
「ア、アル?なんだそれは!?」
ん?この声はお父さんか!なんでそんなに驚いているんだ?
「あっお父さん!!どうしたの仕事は?」
「え、いや、今日明日休みをもらったんだ、じゃない!それはなんだ!なんで浮いている!?」
あ、あぁ、浮遊魔法か・・・。修行後のスライム討伐で疲れたし歩くのめんどくさいしで何だかんだ平原から家まで浮遊魔法で帰っていた。
いや、待てよ?修行のことお父さんには内緒なんだっけ?やべぇ!!どうしよう!!
「こ、こ、これ??えーと・・あのっ、えーと!」
どう弁解する!?どうするおじいちゃんに内緒にしろって言われたのに・・・!!
「なにを騒いどるんじゃ?お前た・・・ち」
「お父様!!アルが!アルが宙に浮いてます!!」
普段は温厚で優しい顔をしているおじいちゃんだが目の前の光景を目にして珍しく焦っている
ごめんじーちゃん本当にごめん!
「ほんとうじゃ!!アルがアルが浮いとる!」
「お、おじいちゃんごめ・・・」
「い、いや何を言うとるんじゃどうして謝っているんじゃ?」
おっとこのおじいさんシラを切るつもりなのか?
流石に無理があるんじゃないかなぁ・・・。
「何をやってるんだいみんな、どうしたん・・・ア、アル!!」
おばあちゃんも家から出てきておじいちゃん同様に驚いていた。
本当にごめんばあちゃん・・・。
「お母様!!どうなってるんですかこれは!!」
「はぁ・・・」
「セ、セシル・・・」
レグルスに問い質され、一瞬おじいちゃんと顔を合わせ諦めたようにため息をついた。
「まぁ・・・いつかは話さなきゃいけないことだしねぇ・・・まずはレグルスお帰り中にお入り、話はそれからだ。アルもだよいつまで浮いてるんだい」
「話・・・ですか?」
俺は静かに浮遊魔法を解き、家に入った。
「レグルス、まずは謝るよ・・・アルをこんな風にしたのは私たちだ・・・」
おばあちゃん・・こんな風にって・・・
「え、えぇどうしてこうなったんですか・・・?」
「それはわしから話すわい、お前も知っての通り時期魔王復活を噂が流れ世間は騒いどるじゃろ?現にお前さんは王に頼まれそれの調査で家を空けているわけだ」
「ええ、王国騎士総勢で調査を行なっています。ですがそれとどうアルがこうなってしまったことに繋がるんですか?」
不良になってしまったかのような言い振りだなおい
でも、お父さん王に頼まれて調査をずっとしてるのか・・・お父さんもすごい人じゃないか・・・
えっと?おばあちゃんが魔王でおじいちゃんが勇者
お父さんは王様に仕えている騎士?
俺の家本当にすごいわ・・・。
「あぁ、セシルの元部下たちの残党は個々の魔力を高めている。次期魔王と噂されるほどにな。そこでまだ被害がないうちにこの子を育てフィンアード冒険者育成学院に入ってもらい次期勇者になってもらう」
「じ、次期勇者?いや、でもアルにそんなことさせなくても我々王国騎士団が魔物を討伐します。」
そうだ、王国騎士団がいるじゃないか俺がやる必要ないんじゃないか?
「もちろん、お前さんら騎士団を信用していないわけでもないしむしろお前さんらの力を借りたい。」
「じゃあ、なんでアルを・・・」
「そりゃお前の子であり、勇者であるわしや元魔王のばあさん、わしらのかわいい孫じゃ。わしもそんなことさせたくないが、この子には才能がある」
「才能ですか・・・」
「あぁ、剣術の方はまだまだだが、ゲオルグの剣を受け切れると聞いておるし魔法に関してはばあさんを超える。」
「ゲオルグさんの剣を8歳で受け止めるですと!?」
「お母様を超える!?そんな!だってお母さんは魔王で!」
レグルスは何から驚いていいのか分からないでいた。
いつも真面目なお父さんがここまで動揺しているの初めて見た少し面白い。
「その魔王だった私を超える、アル試しに見せてあげな、家を壊さない程度で」
おばあちゃんが家を壊すなと念を押すので
家を壊さない魔法をイメージする。
いつもは的に向かって撃っては的が壊れてしまっている。壊さないイメージはとても難しい。
「壊さないような魔法・・・あぁあれなら」
壊さないかつ、お父さんに俺の実力を見せる規模
俺は浮遊の魔法を家の中全体に発動させた。
おばあちゃんはおじいちゃん、お父さんだけではなく家の家具や壁の絵までもが宙に浮いた。
これは解くとき慎重にやらなきゃ家の中の物が散乱してしまう。
「ふぅ、自分以外にかけるのすごく難しいや」
「なんだこの規模しかも・・アル魔素を集めないで発動したのか!?」
「そうさね、この子は魔素を集めないでそのまま魔法を使うことができる。魔力量に関しては無限さね」
「魔力量が無限・・!?」
ここまでの会話はみんな宙に浮きながらしている。
うーん・・・すごく変な光景だ。そろそろ解除するか・・・。
「今から魔法解くからみんなちゃんと着地してね?」
そう注意し俺は一気に魔法を解いた。
「いたいのう!!」
お父さんおばあちゃんはしっかりと着地したが
おじいちゃんだけ尻から着地した
本当にこの人勇者か・・・?
おじいちゃんからはまだ何も教わっていない
「はぁ・・・。まだ8歳の息子に力負けするとは・・・お父様、お母様、引き続きアルの修行を見てください。」
お父さんは俺の実力を見て何かを決めたようだ。
「明日休みをもらいましたがこうしてはいられません私ももっと鍛えないと今から騎士団に戻ります」
「納得してくれたのかい・・・?」
「えぇ、アルがお父様の後継勇者になるのはとても誇らしいですしアルが王国のためにこの規格外の力をふるってくれると言うのなら私は嬉しい」
「父さん、俺、まだまだ弱いけど、ばあちゃんの部下をやっつけるよ!」
「おう!!お父さんもお前に剣を越されないように頑張るよ。まぁもっとも8歳の頃の俺はお前に越されているけどな・・・」
「はは・・・まだまだだよ」
「では、騎士団に戻ります!」
「おうおう気をつけるんじゃぞ」
そういうとお父さんは家を出て騎士団へと戻っていった。これでお父さんには隠しごともないしちゃんと事情を知ってもらえてよかった。
お父さんは休みを取り消したわけだし俺も・・・
いや・・・・・やっぱしっかり休むことにする。