ある晴れたカフェ その1
その日のコーヒーはなぜか薄めだった気がする。
日実新聞の編集部一般写真公募主婦部に菊地が配属したのは、今から、3か月前だった。
その中で、不思議なことに新聞には主婦の記事投稿が相次いだ。それが今回の菊池の仕事のひとつの興味であり、最後にふさわしい、記事になると思い、この部に仕事をすることにしていた・・。
「今は、やはり、ラジオができてから、新聞は取り上げないニュースを大々的に報じる。一種の厳しい出版業界の象徴になってしまったな。」
「センスはあるのに、この記事を世界的評価にすれば女性はもっと働けるんだと思いますけどね。」
「婚活」が流行ってはいるけど、主婦の「投稿活動」日実社ではそれを投げるに活動と書いた「投活」と言っていた。
液晶画面のオンラインの普及とは恐ろしいものである。
定年まで半年、菊地は「投活」の特集記事を発行することになり、その責任者を勤めることになった。
300件にもおける投稿写真からセンスを選んだ、3名と顔合わせすることになったのは今日である・・。
一人目が34歳、2歳と9歳の子供を持つママさん「投活」歴2年・・。
しかし、この34歳の主婦真田さんは変わっていて、いつも雲のよどんだ景色、それしか子供を写さなかった。事前に連絡をしたときその投稿写真集を参考にしてもらったものだ。
数えたところ100枚の子供の写った写真のうち99枚が曇り空、最後の100枚目の写真は虹が写った写真だったのだ。
(これはいけそうだ。このような記事は俺も好んでいる手法・・やはり、世論というのか、レベルは完全に上がっている・・)
菊地は感じたこともないその作りに驚きを見せた。
「30分前に到着ですか..。いつもと違う取材なんですか?菊池さん・・。」
その喫茶店のマスターはそう私に質問をした。
「そんなに通ってたっけ?マスター。ここに来る30分前と3分前の写真を撮って私に提出してほしいと頼んだんです。これから来る3名は私の日実の最後の仕事です。」
「それは何というか、お疲れというか、盛大なものにしたいですよね。」
「そんなことない、コラムが俺を待っている・・。」
「うちのコーヒー、気に入ってもらって、通ってくださって、ありがとうございます。」
「そりゃ、この手の親父が使う、祈願の店だからね。」
「またまたー。」
マスターは笑みを浮かべていた・・。




