桜餅、心の色
「やっぱり和菓子っていいよねー」
桜餅を食べながら私は彼に言った。
私は和菓子が大好きだ。
たまのおやつも大福だったり、お餅だったり、友達には変わってるとよく言われる。
自分でも変わってるとは思うが、それでも好きなものは好きなので問題は無い。
幸せそうに桜餅を頬張る私を彼は優しく見守ってくれている。
彼は私が美味しそうに和菓子を食べてるところが好きらしく、じっと私を見つめてくるので、これに関してはいつまで経ってもなれない。
彼に見られて照れながら桜餅を食べてると急に彼が顔を近づけてきた。
びっくりした私は、
「急にどうしたの!?」
とたずねると、彼は
「ほっぺに何か付いてたみたいだから見てみたんだけど、桜餅の欠片だね。」
と笑いながら答えた。
私は咄嗟にほっぺをゴシゴシして落ち着きを取り戻そうとする。
桜餅を食べることに戻った私は目の前のピンク色が私の心の色を表しているように思えて、うまく味わえなかった。
仕方ないので急いで桜餅を食べ終えて、先程の出来事を桜餅色の心にしっかりと焼き付けるのだった。