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モブ男とハーレム事情  作者: 鋼鉄兄弟
第1章 ハーレム事情
4/4

人見知り美少女

授業も終わり放課後になった。

部活のある者はそれぞれ部活へ、ない者は帰っていく時間である。

俺も圭吾も部活はやっていないので早々に帰り支度をして帰る訳なのだが、圭吾は今日は生徒会があると言って教室を出ていった。


圭吾は「高校といえば生徒会での出会いでしょ!」と息巻いて1年の頃から生徒会に入っている。

その割に2年のこの時期になっても浮わついた話が無いのではあるが…

その事に関して圭吾にツッコミを入れたら「俺はな、出会いを求めて生徒会に入ったが、特定の彼女を作りたい訳じゃないのさ。生徒会の女子達皆のための男として良い距離感をバランス良く保ち、楽しい時を作りたいのだよ!」と最後はどこのバ○ダイですか?とツッコミを入れたくなる事を熱く語っていた。


実際圭吾は生徒会でどんな感じなのか生徒会女子に聞いてみたところ、かなり変人扱いされていた。

「仕事はすごくできるんだけどね〜…」と遠い目で語ってくれた女子に俺は悪いやつじゃないからぁ…と軽くフォローを入れた。


後日俺は圭吾の部屋で『生徒会のおしごとっ!』というタイトルのPC版ギャルゲーを見つけてわざわざフォローを入れた事をとても後悔した。

圭吾にこのゲームについて聞いてみると、部活毎の予算を決めたり、文化祭や体育祭の雑務等、割と本格的な生徒会のおしごとっ!をこなし生徒会女子キャラの好感度を上げていくゲームらしい。

仕事ができるってギャルゲーで経験値貯めていたのか…と圭吾の生徒会に関する一連の流れに合点がいったと同時にめっちゃ呆れた記憶がある。



そんな事を思い出しながら俺は放課後たまに立ち寄る”秘密の場所”に向かっていた。


俺の秘密の場所とはこの高校のHR棟から離れた建物にある空き教室だ。

前に偶然拾った鍵を一通り試した結果発見した俺の秘密の場所である。

物置きにすらなっておらず、先生達も滅多に訪れる事がなく、しかも最上階にあるのでそこそこ眺めが良い場所なのだ。



校内をそこそこ歩きたどり着き鍵を鞄から探りながら空き教室の扉を見ると、少し空いている事に気付いた。

今日は珍しく先生が巡回しているのか?っと内心ビビったが、教室内に誰がいるのか確認しようと隙間から覗いてみる。

教室内には窓を開け外を眺めている背が低めの女子生徒が1人佇んでいた。

ここからだと顔が見えない。

俺はどうしようか迷ったが、開けて中に入ってみることにした。

俺だけの秘密の場所を侵す人物は一体誰なのか?



ガラッと扉を開け中に入る。

ビクン!っと驚いたのか身震いをし女子生徒はこちらに顔を向けた。

皆川葉月である。

驚いて状況を把握できず言葉が出ない皆川に俺は問いかけた。


「こんな校内の辺境で何してんの?どうやってここに入った?」


しかし皆川は驚きのあまり声が出ないようだ。


「ああ…あの落ち着いてからでいいよ?俺もさぁよく来るんだこの教室。前に鍵落ちてたの見つけて拾ったんだ」

そう言ってこちらの事情を告げて様子をみたところ、皆川は違った驚きの表情を作り話し始めた。

「そ、そうなんですか?わ、私も少し前に鍵を拾って色んな教室を試したらここに辿りついたのです」


あれ?同じ境遇?

そんな事有り得るのか?


「いつ拾ったの?俺は去年の文化祭終わった後ぐらいなんだけど」

「わ、私は二年生になってからです!…そ、そうなると鈴木くんの方が先に使ってたのですね!」

意外にも皆川は俺の事を認知していた。


「なんだ、俺のこと知られてたのか〜。クラスでも目立たない方なんだけどな〜」

「同じクラスの人なら全員覚えてますよ?記憶力は良い方なので」

エヘン!と言わんばかりに皆川はその薄い胸を張った。

その態度が少し滑稽に見えて俺はクスッとつい笑ってしまった。

「な、何か私可笑しかったですか!?」

そう言って今度は顔を少し赤らめた。

「いや、なんとなく…ね。おもしろ…かったから…フフッ…」

皆川はさらに顔を赤くした。



少し落ち着き皆川に問いかける。

「で?皆川はここで何たそがれちゃってた訳?」

「べ、べつにたそがれてなんか、い、いませんよ?」

目が泳いでいる。わかりやすいなこいつ。

「窓なんか開けちゃって夕日にたそがれちゃって何考えてたの?」

「い、いやぁ、空気の入れ替えをですね〜…ケホン」

わざとらしく咳払いをした。

「俺はこの部屋を快適に使うために周期的に掃除してんのよ。居心地いいだろう?この空き教室」

「へぇ!そうなんですか?だから使ってないのにいつも綺麗なんですね!」

「そうそう、綺麗なんでそこまで空気を入れ替える必要ないんだよ」

「あっ、、、」

しまったというような顔をした。



「皆川は思考がすぐに顔に出やすいタイプだな…フフッ……」

「そ、そうなんですかね?自分ではあまり自覚無いんですけど…」

自覚無いって事は筋金入りだな…

「気にする事も無いとは思うけどね。見てておもしろいし」

そう言って笑いかけた。

事実皆川は感情を露わにし、隠す事が出来ない様子がその様子と相まって小さい子どもを見ているようでおもしろいし、何と言っても可愛い。

あ、決してロリコンとかでは無いですはい。



「おもしろいなんて、初めて言われたかもしれないです…」

そう言うと微笑むような、悲しむような複雑な表情で俯いた。




これは思わぬチャンスじゃないか?

俺は青井達についていろいろ皆川から聞き出す事にした。

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