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モブ男とハーレム事情  作者: 鋼鉄兄弟
第1章 ハーレム事情
2/4

調査開始

青井竜二の近辺を探るとは言ったものの、時間はまだ朝のHR前である。

まずは授業時間以外の青井の動向を観察するのが最善策だと思った。

何せそのハーレムの存在を知ったのは数分前であるのと、知っているのは現在青井の周りにいるのはあの3人である事だけだ。


…情報が少なすぎる。

それに暇潰し程度にしか考えてないし、接触してみるのも何か疲れるしな…

とにかく俺は様子を見ることにした。




1時限目が終了し休み時間になった。

俺が通う谷ヶ山高校は授業時間が1コマ65分あり3時限目が終わると昼休みになる。

その為昼前の休み時間は2回しかない。

しかも休み時間自体は10分しか無いことを考えるとあまり動きは無さそうだ。



……しかしその考えは甘かった。

まず一番席の近い皆川が青井の席へ動く。

そして10秒も経たないうちに川原が登場!

おっと!長宮も負けじと青井の席へ近づいていった!!

あっという間にハーレム空間の完成だ!!


え?これ毎回やってるんすか?

目立ってしょうがないんですが…

なんで俺今までこの状況に気付かなかったの?


てか集まるの早っ!

青井きゅんとの時間を私っ、1秒でも無駄にしたくないの!!…ってか?

そんな阿保な事を考えていた俺の前にノロノロと現れた圭吾に勢いで言ってみる。

「お前、ビリっけつな」

「えっ?何の話??」




「あれすごいだろ?マジでラノベ主人公みたいだよな?」

そう圭吾が少し呆れ気味に話してくる。

圭吾はギャルゲもよくやっていて、ギャルゲ原作のアニメを見ている内に他のアニメも良く見るようになったらしくよく俺にブルーレイやら漫画やらラノベをむりやり俺に勧めてくるため多少そういった知識があるため納得する。

「絵に描いたような…という比喩そのまま当てはまるな」


そんな考えと共に疑問が浮かんだ。

「あいつらって毎回休み時間になる度ああやって集まってんのか?」

「そうだな、毎回あんな感じかも…」

「そんなに毎度毎度青井を囲んでどんな話が展開されてんのかな?」


毎回話すような話題があるのか?…と地味な見た目の青井を見ながら思う。

しかし、教室内のこえがそこそこうるさく、あいつらがどんな会話をしているのかまでは判別できない。


そんな様子だけ見ているうちに段々観察するのに飽きてきたころ休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。






1時限目終了時からは若干興味が薄れた2時限目終了後、俺はあくびを噛み殺しながら教科書を片付け思い出したかのように青井の机の方へ振り返る。

……あれ?何かさっきまで居なかったやつがいる。



金髪ツインテ縦ロールとかいうあれは校則的に大丈夫なのか?という疑問が自然と浮かんだが、少し日本人離れした顔と胸元で欧米系のハーフの方かな?と見当をつけて納得した……

いやいや、完璧に納得した訳ではないが…


「お、あれは花開院お嬢様で仰せられ賜りましょうぞ」

圭吾が変な敬語を使ってきやがった。

けいごなだけに


「俺、あんなお嬢様がこの学校にいるの知らないんだけど…うちの学校公立だよね?」

「あぁ、お前は知らんだろうな。なんせ二年になってから転入してきて、このクラスではない。」

いや、だから何故圭吾は知っているんですか?……というのは愚問だったな…


「花開院なんて名字存在してたんだな…都市伝説か何かだと思ってたわ…」

「一定数はいるだろ…ただし名家の御生まれという部分は揺るぎねぇな…」

そして揺るぎない二次ヲタの圭吾はこう続ける。

「…そして、ハーレム物にはお嬢様キャラは不可欠なわけだ」


おうふ…なにあの空間だけ二次元繰り広げちゃってんの?

ここは三次元なんですよ?

現実逃避しないでいただきたい!

しかしあれこそが現実のハーレム!

現実を逃避してるのは俺ですねはいはいと…



しかし一人増えた新キャラが増えているはずだが青井を囲むのは3人。

よく見ると皆川の姿は無く教室内にも見当たらなかった。


「今回は皆川はいないのな」

そう何と無く呟く。

「今回て…皆川さんはいない時がたまにあるぞ。そういう時は教室にもいないんだ。特に部活とか特殊な委員会にも入ってないはずなんだけどな。なんなら長宮さんなんか風紀委員なのに毎時間の様にあの中にいて本当に風紀委員なのか怪しむレベルだな」

そう言うと圭吾はケラケラ笑った。


「圭吾何気に今までしっかり観察してたんだな」

「まぁな!あんなに面白い観察対象は他にないよ。カワサキングダムに下手に混ざるよか捗るな!」

カッカッカッとわざとらしく笑う圭吾をジト目で見つつ多少の共感を得た。


ちなみにカワサキングダムとは川崎を中心としたグループの悪称である。

中心から外れたやつらが陰でそう呼んでいると圭吾から以前聞かされたっけ…



それともう一つ気に掛かった事が俺にはあった。

「まぁそれと、うちの学校の風紀委員って……」

……その事を言い掛けた所でチャイムが鳴った。

「お、じゃあ後は昼休みで」と圭吾が自席へと退散した。

まぁ…いっか……

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