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モブ男とハーレム事情  作者: 鋼鉄兄弟
第1章 ハーレム事情
1/4

ハーレムの謎



俺は鈴木直哉。

この春二年生に進級したごくごく普通の高校生。

…………いや本当に。。




目立つ特技も無く部活にも所属していないしこれといった趣味も無い。

勉強もテストで平均点ぐらいを彷徨っていて、得意な教科がこれと言ってある訳でもない。

クラスの中心のグループにいるって訳でもないが、友達はそこそこいるから、友達いなくて逆に浮いてしまっている所謂「ぼっち」キャラって訳でもない。

イケメンって程顔は良くないが、ブサイクでは無いと思う。

…………いや本当に。。

女子とはたまに喋るぐらいの人はいるが、友達って程仲が良い人はいないし、ましてや彼女なんている訳無い。

…………いた事もないか。。

でも一般的な高校2年生だったらそんなもんだろ?

……だよな?……別に普通だよな?……クラス間の男子と女子の壁って結構高いよな??

だから高校生活めっちゃエンジョイしてるって訳でもなく、かと言って不満を感じている訳でもない。

それなりってやつだ。



そんなモブみたいな…ドラマやアニメじゃ男子Cみたいな目立たない男が……この俺って訳だ。





そんな訳で今はゴールデンウィークも終わった5月の後半。

五月病ってやつにみんなが掛かってる中俺はといえば…

みんなと同じ五月病の真っ最中…

何に対してもやる気が出ない…

勉強は面倒、人間関係も面倒、運動するのも面倒…

正直学校に登校してくるのもやっとだ。



しかしそんな中でもテンションの高いやつらってのはいる訳だ。

それはクラスの中心グループの男子達だ。

川崎翔悟を中心としてその友達や一際目立つクラスメイトが揃っている。

いつも楽しそうに授業がない時間は川崎の席を中心に集まっている。

やはりそういう中心グループには自然と取り巻きのような女子が集まりやすいし、コミュ力お化けの集まりである彼らは実際女子からモテる。


たまに彼らのテンションが上がり過ぎると飛び火して俺みたいな少数グループにまで話掛けて来たりする。

自分で言うのもなんだけど人並みのコミュ力はあると自負しているので適当に合わせるが、たまに本当に隅っこ暮らしをお過ごしされている目立たなさ過ぎて逆に目立つクラスメイトにまで飛び火する時はかなり悲惨だ。

ああ言うのを見るとなるべく関わりたくないなと感じて、ひっそり暮らす事にしている。



そんな中心グループがうるさい朝のHR前、俺に声を掛けてくる奴がいた。

「あぁマジ学校クソだるいわ〜…俺昨日徹夜でゲームしてたからマジ寝てないわ〜」

俺の友達の中井圭吾。

ゲーム大好きな俺の友達。

一年の時も同じクラスで大体はこいつとつるんでいる。

俺は別にゲームとかあんまりやる訳じゃないけど、気の合う友達だ。

彼曰くミニチュアモンスター…略してミニモン!…の公式大会では「りっぱなしぼう」を最大限有効活用し強敵を粘り倒す「トドゼルダ使いのkei」とは俺の事!…だと言っていた。

正直何を言っているのかよくわからない。

しかしそれだけではなく、いろんなジャンルのゲームをまんべんなくやってるらしい。

そんなにゲームやってる時間が何処にあるのか?と俺は思っているのだが…


「いや本当同感…ゴールデンウィークに戻りたい」

「あのゲーム三昧のゴールデンウィーク……もう一回来ないかな…」

「いや、圭吾は今でもゲーム三昧の日々だろ…」

これぞTHEモブ特有のたわいもない会話。

普通に文章にしたら「」も付かないような会話。

昨日もそんなような話したけど、あんまり覚えてない…


「川崎達は朝から元気だねぇ」

圭吾がそう返してくる。

「奴らの辞書に五月病という言葉無いみたいだね…若さってすごいね」

「同学年同クラスだというのに直哉ときたら…」

「日陰が一番楽だし平和だよ…」


実際この中間ポジが一番だと思ってるんだよな…

そんな事を思ってると圭吾は続ける。



「日陰は日陰でも最底辺のようなぼっちキャラでも朝から女子とイチャイチャしてる奴もいるってのに」


「……は?どういうこと?」


この圭吾の一言に俺は耳を疑った。

川崎達の一員ならまだしも、そんな友達すらあまりいない奴が朝から女子とイチャイチャ?

「いや、直哉知らんの?いるじゃん。後ろの真ん中辺りを見てみろよ。」

そう言われ振り向いた先にそれはいた。

女子3人に囲まれおどおどした今まで意識もしなかった眼鏡の男の姿が。


「あれって誰だっけ?」

失礼ながらつい圭吾に問い掛けた。

「本当に知らないのか?結構有名だぞあいつ。うちのクラスの青井竜二と言えば謎にプチハーレムを築いていると専ら有名だぞ?」

いや知らない…確かに俺は友達以外にはあまり人に興味が湧かないからな…

「いや、あれどういうこと?非常にうらやまけしからんのだが」

「どういうことと言われてもマジ俺達ガヤからしたら謎でしかないからな」

当人達しかその事情は知らないって事か…



しかしあの周りの女子3人…


一人は少し茶色がかったセミロングの髪で背が低め。どちらかと言えば顔は幼めでうちのクラスの中では一番の美少女と噂で人気もめっちゃ高い皆川葉月。


もう一人は黒髪ロングでいかにも風紀委員といった雰囲気のくせにその大きな胸のせいで一番風紀を乱してんのはお前だろ!と突っ込みを陰で入れられまくっている長宮柚花。


さらにもう一人は……いや見た事ねぇ…けど活発そうで男勝りな感じだけど整った顔のショートカットの女子。


一人は知らない子だが、3人ともレベルたけぇなおい…


「あれうちのクラスじゃないのも混ざってね?あのショートカットの女子見た事ないけど?」

「あれも知らんのか直哉!あれは川原あかりと言ってだな、陸部エースであの美貌を兼ね備えているがために男子だけでは無く女子からも人気が高いんだぜ!」


そう言われても同じクラスの奴の名前も一部知らないレベルなのに他クラスのやつなんてもっとわからん。

「しかし圭吾、やたら詳しいのな」

「へっ、まぁね、ほら俺ギャルゲーとかもやってるしその辺の情報集めるの好きなんだよ」

それって確かギャルゲーでいう主人公の友達で女の子の情報をやたら教えてくるポジの奴だろ!?

いいのかお前はそれで…


「あの青井ってやつは一年の時も同じクラスだっけ?」

「いや、違うな。2年の始めの頃に俺はその存在を知ったけど、すでにあの状態だったな。授業がない時間はあぁやって複数の女を侍らせていたんだ…」

そう話す圭吾の言葉に俺は違和感を覚える。

何かあの状態は…

「侍らすってか青井の方は何か困ってね?」

「まぁそうなんだけどね。侍らせてるって言った方が面白いじゃん。みんなあの状態の事を侍らすと表現してるぜ?面白いから!」

そう言って圭吾は笑う。


しかし明らかに困ってる青井の姿を見てさらに疑問が湧く。

あいつは何故校内でも指折りの美人を集めておいてあんな態度を取っているのか?


青井竜二はお世辞に言ってもイケメンではない。

ブサイクでもないけど雰囲気と相まって中の下ぐらいだろう。

眼鏡も洒落たものではなくオタクっぽさを強調しているし、ヒョロい体つきでインドア派なイメージを与えいる。

髪型も整髪料を一切使わず気を使っていない感が丸出しである。

総じて言えば冴えない男だ。


それなのにあれだけの女を囲わせて贅沢も良い所だと側からみればそう見えてしまう。

あの状態の何が不満なのか?

むしろ不満なのは俺だバカ野郎!



「よし、俺は決めたぞ!あのハーレムの謎を解き明かしてやる!」

「何だぁ!?急に?解き明かしてどうすんだ?」

「解き明かして俺もハーレムを作る!」

「流石に無理があるだろ…」

少し呆れている様子の圭吾だ。

「まぁ冗談だよ。いや、ほら、特にやる事も無いし…ね」

「平和が一番じゃなかったんか?とんだ掌返しなこった」


まぁ暇潰し程度にいいだろうぐらいの気持ちで俺は、青井竜二の近辺を探ってみる事にした。

鋼鉄兄弟と申します。

初投稿です。


皆さんハーレム系ラブコメは好きですか?

私は好きです。

わざわざハーレム系を選んでラノベを読んだりアニメを見たりすることもあれば、とりあえずチェックしてたらハーレム系だった!…なんて時もあります。

まぁハーレム系といってもいろいろあります。

主なテーマは違っても主人公の周りにだんだん美少女が集まって行為を持たれている!?…

そんな物語であればハーレム系という事です。


音楽でいえば、ポップな曲調のバンドであろうがメタルのような激しい曲調のバンドであろうがクラシック調の甘美なアンサンブルを奏でるバンドであろうが、化粧をして着飾った格好であればヴィジュアル系バンドであるようなもんです。


若干話は逸れましたが、ハーレム系の物語は今現在数え切れない程の作品があります。

そんな中でも学園モノの作品にスポット当てるとしましょう。

学校という場所には主に平日は生徒、先生含め数百人から数千人の人が出入りする場所です。

それは数百から数千の物語が存在し、数百から数千の視点が存在するという事です。

そんな中にハーレム系主人公のような冴えないし鈍感で友達もあまりいないような社会不適合者(ボロクソ過ぎてすいません…)が美少女に囲まれ幸せそうな学校生活を過ごしていれば目立つどころの騒ぎでは無いでしょう。

現実にはそう有り得ない設定であると認識した状態であるからこそ面白みを感じるのがハーレム系作品だと思っています。


ではその当事者ではない人からはその光景がどう見えているのか?

どういう感情を抱きながら彼ら彼女らを見ているのか?

そんな物語が「モブ男とハーレム事情」です。


まぁ軽い気持ちで読んでいってください。

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