転生2
目が覚めると見たことのない世界にいた。
異世界。
嗚呼これが "転生" というやつだと気付くまでにさほど時間はかからなかった。
外に出たら見たことのない生物や獣と合成されたような人間らしき生物が違和感なく歩いていて驚いたからってのもあるんだけど。
と、街中をキョロキョロ見回しながら歩いていたら、所謂ゴロツキ共に因縁をつけられ絡まれた。
けれど、圧倒的な力の差を持って返り討ちにできてしまったり。
なるほど、俺超強い。
そういうことがわかってからは一気に世界が輝きだした。
目の前はこんなに明るかったのか。
毎晩布団に潜り込むと明日になるのが楽しみで、みぞおちの辺りからわくわくが溢れ出る感じがした。
何をしても俺が一番。
心臓が高鳴る。
なんて、素晴らしい。
更に俺は粉骨砕身、力の限り努力した。
他の追随を許さないほどの実力差をつけるために。
この幸福を逃さないために。
俺はあらゆる分野において純然たる王として君臨し続けた。
ーークラス替えを実施します
目が覚めると元の世界にいた。
カースト的には元いた底辺ではなくなっていた。
嗚呼、そういうことか。