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NOフリー 電脳で遊べる  作者: ふじひろ
1.トンネル
4/12

電脳で戦闘

「さて、自分の知らない選択肢を試すときが来たな」


足軽やかにスキップしながら山道を下っていく。捻挫はしないように細心の注意をはらいながら…

夜になる前に戻らなければ夜になれば手に終えないモンスターがうじゃうじゃ涌いてくる。町でない人が住まない土地では基本ダンジョン扱い、モンスターがポップつまり何もないところから涌くのだ。…けどまあこんな道では野党まがいの追い剥ぎゴブリンすらでないがな


「やっと先に進める、何度あの恐怖をあじわったことか…」


王国から自分の討伐隊が来たのだ。おちおちしてられない、奴等に刺激されてモンスターの大軍が押し寄せる。名残惜しいがもうお別れだ。夕日が沈みかけて空はやんわりと黒くなる、赤と黒が混じる空の下、炊き出しの白い煙と窓から漏れる明かりが大きくなっていく、村の光が見えてきた。











「ただいま」


「お帰りなさい、今日はやけに暗いのね」


「もう冬が近いからね、日が沈むのも早いのさ」


「そんなことはわかってるさ、お前のことだよ」


敵わないな、頭をポリポリ掻きながら暖炉に近づき薪をくべた、パチパチと火の粉と灰が辺りを舞った、じきに寒くなるだろうから、これくらいじゃ凍えるよ。


暖炉の近くに年老いた老夫婦が集まる、僕を拾ってくれた大切な家族だ。二人とも不安そうにしわくちゃな顔を更にしわくちゃにして見つめる。


「あいかわらず下手くそだね、火が消えそうだ。ここで学んだこともろくにできやしない」


「明日から誰が薪を割る?そんなにくべて冬までもたんよ」


泣きそうになった、いや泣いてたかもしれない。急いで振り替えると二人は手を取り合ってぷるぷると震え今にも泣き出しそうだ。もう全てわかっているのだろう。覚悟を決めて喉まででかかった熱いものを、全部吐き出して楽になりたい、でもそれは勇気のいることだ。残酷な決断だ、この村には若者がいない、僕が出ていってしまったらどうなるだろう?そんなこと軽いものだと二人は言う。


「行きなさい、このまま息子のかわりにずっといてほしかったが儂らが重荷になってお前が辛い顔するほうが儂としてはもっと辛い」


「いつかこんな日がくることはしっとったよ。婆さんも覚悟しとることじゃ、村の皆もお前がいなくなるのは辛いが快く送り出したい…」


拾ってもらった恩も返しきれてない。でも僕がここに居座ったらダメなんだ、疫病神の僕は騎士団より先にモンスターの群れに襲われてここで皆と一緒に死んでしまう。最後にできる恩返しなんだこれが。そんな僕の心情を知ってか知らずか二人は優しく僕の頭を撫でてくれた。


「今日が最後の家族で囲んで食べる食事だ」


「また息子が遠くにいってしまうのね…」


「婆ちゃん、爺ちゃんごめんよ、僕は行かなきゃならない。ありがとう…ありがとう…」


この日の食事は何も食べても味がわからなかった。二人にここを出て見習い戦士を育てる学校に行って剣術を学ぶことを伝えた。あそこなら寮生活で衣食住は心配いらない、学生だが給料も少ないがもらえること。食いっぱぐれることはないだろうから安心してほしいと言葉で説明するも婆ちゃんは断固反対のようだ。


「また息子を戦争に送るなんて…」


「婆さん、あの子が決めたことだ。それに今のご時世まともに食えるのは兵隊さんだけだ」


「3人の息子も戦争で無くしてこの子まで兵隊にとられるなんて!」


なにも言えなかったただ下をむいてただただ項垂れることしかできなかった。火に油注いだみたいだが今の自分ができる最善策なんだ。


「今日の昼騎士に会ったんだ、その人たちに融通してもらえるように頼んでみる、コネがないと入ることもできないようだから」


二人とも心ここにあらず状態で今日の夜出ることやこれからの身のふりかたを説明してもどんどん不安な表情しかみせてくれない。そりゃそうかでも安心してくれ、その先の未来を少し知っている。僕は(あの日)まで元気に過ごすよ(あの日)までは…










「グレイ、夜の森を抜けるのはいささか得策とは思えません。それにこの先は寂れた村しかありません。いる保証なんて…」


「人が住むところだからあいつがいるかもしれない、もたもたしてたらそれこそモンスターの餌食…ん?」


グレイは何かを感じとりすぐさま隊を止める。前方に邪悪な気配がいくつか、モンスターの大軍だろうか?察知して陣形を組ませる。じりじり前進させると血なまぐさい匂いとともに暗闇で何かがうごめき出す。向こうはこちらの存在に気がついてるようだった。近づいてわかる鼻をつく腐臭に相手がアンデッド系列のモンスターであることに気づいた。魔法使いのいない騎士団、アンデッドが出るなら銀が付与された武器でないと殺すどころか傷つけることすらできない。後は燃やすなりしなければならないがそれも魔法使いあっての策で剣術で切り刻むことしかできないが相手はのろまなゾンビじゃない。


「ホロウペッカー!?アンデッド系の上級モンスターじゃないですか!退きなさい!撤退です!」


「いや、囲まれてる。ゾンビゴブリン多数にゾンビオーガが3匹かどうなってる!この大陸にホロウペッカーがいるダンジョンなんて無いはずだろ!ええい!なんでもいい、戦闘態勢!後方に退路を開くぞホロウペッカーは相手にするな、逃げるんだ!」


ホロウペッカーのみならずアンデッド系のモンスターに襲われたらアンデッドになる。あのオーガやゴブリンはホロウペッカーに襲われてアンデッド化したのだろう。生気の無い目で口から血を流しながらアンデッドは残った食欲を満たすことしか頭になく目の前の新鮮な肉を目指すただの生ける屍となる。変な奇声は騎士たちの士気を著しく低下させる。アンデッドは他のモンスターより恐れられるのはその気味悪さ故にだろう。


「グゲ、グギャガガガガガ!」


ホロウペッカーは牛の骨にも似た頭部から触手のような舌をなびかせ迫ってくる。ゾンビと違い動きは素早い、鋭い舌を突き刺して相手の体液を吸いとる攻撃を主とするがその巨体は動くだけでこちらは手を出せない。頭部にいくつもある目玉が一斉にギョロギョロと狂ったように獲物を探して動き回る。


「うひっ!?」


不運にも目が合ってしまったら虐殺の始まりだった。防具の耐久値だろうとHPだろうと一撃で殺される。そしてゾンビとして転生して仲間を襲い始める。他のゾンビより協力なゾンビポーンが出来上がる。後退も攻撃も不可能な前衛は削られていく。敵の攻撃はそこまで迫っていた、騎士団は限られた人数しか残されてはいなかった。グレイですら隣で戦っていた仲間がいきなりゾンビになるこの現状では苦戦を強いられる。ゾンビか仲間か乱戦状態に突入した。


「グゲガガガゲゴ!」


潰れた喉でずいぶん元気に叫ぶホロウペッカーとゾンビたち、グレイはなんとか彼女だけは脱出させようと奮闘するも彼女の乗っていた馬がホロウペッカーの舌が刺さったのを見て戦慄する。自分が戦いに集中するあまりホロウペッカーがここまで迫ってることに気づいてやれなかったのだ。狂ったように騒ぐ馬に振り落とされるマリア。次に顔を上げれば馬はゾンビに変わりホロウペッカーが目と鼻の先に立っていた。血走ったいくつもある目で睨み付け腐った肉をぼとぼと落とし鼻が曲がるほどの悪臭を放つ。自分に謎の粘液をかけられるそれがホロウペッカーの唾液だった。


「嘘、やだ!グレイ。グレーイ!」


「団長ー!逃げろぉぉぉぉ!」


断末魔のように震える声で四つん這いになりながらグレイを目指して這いつくばりながら進む、かつて仲間だったゾンビに道を塞がれなすすべもなく追い詰められる。自分以外は周りはゾンビ、自分ももうああなってしまうのか、人間を襲うことしか頭にない化け物に!


「嗚呼…ごめんなさい…」


一斉に襲いかかってくる。一瞬で絶命することなく苦しみながら彼らと同じように生きたまま食われがらゾンビとなってしまう。怖い、怖いよ。誰か助けて…


「うぉぉおおぉおおぉぉ!」


もうだめかも、まだまだなにもやりたいことも一杯あったのに。こんなところで終わるなんて…


「マリアーーーーー!!」


ふと我に還ってふと顔を上げる、涙でよく前も見えないが血飛沫が舞っている。横から誰かが腕を掴んで持ち上げる。グレイ?力強くひっばられるてそのまま動くなと念を押される。誰なの?誰なのあなたは?


「よかった!怪我はないよな?相手は…なんだあれ?」


「ホロウペッカー…はっ!あの暴力少年!」


「暴力少年?あのな~!」


「なんのつもりよ!」


「ヒスってないで感謝したらどうだ、まあいい予定外だが見た限りあれは…ゾンビの一種か何かかな?腐ってるけど」


こちらを警戒してかじりじりと後退する。警戒だと?知能があるのかあのデカイやつ。これは厄介だな、騎士タイプが8人にゴブリンタイプが15匹に馬が1だろ、あとオーガタイプが3ってところか外野も多いな、何より敵のレベルがエグい。


「初見の敵だし、ホロウペッカーなんてレベル46とか嘗めてんのか倒せるかよ」


本来ならここにいるオーガとゴブリン相手にするだけでよかった。やはり異物なんだ僕はナビ子の指示もうけない日々ゲーム感が失われ現実世界のように死体も残り血も出るようなリアルな演出になっている。もしかしたら…復活、コンティニューすら封じられてるのに死ぬことになんてなったら…いや、確かにホロウペッカーは予想外だったがここは腕の見せ所ってやつさ。


「ホロウペッカーは倒せない!銀の武器でないと殺すことはできない。それか燃やすかだがそれより問題は腐乱奏って固有技で食らえば毒状態と同じ症状が出て何の手もうたなけりゃ死んでやつらと同じゾンビになるぞ!」


時折吹き出してる山吹色のあれか?霧のように体の穴から吹き出してるな。状態異常を起こすのか

ではパンチが効かないのですか?それってなにもできなくありません?今さら怖じ気づいたのですが生き残りの二人の視線が熱い!やめて、打つ手なしだから、ここは通常周りのゾンビ倒して脱出が得策だが…もし失敗して死んだら死に損だ。挑んで死ぬ方が有意義だ。多少の情報を得て死のううん、そうしよう。メニュー画面を開いてアイテムを選択して装備する。みるみる内に姿が変わる色んなものがいちじるしく変化していく。


武道家モンクその腕と足はまさに凶器

なかでも徒手空拳が特徴の格闘家の1職業。その打撃の威力は相手を死地に追いやるほど。また武器を持たないので動きが素早く相手を翻弄する。

まさに前線で戦うプロ職業の1つだ。


砂嵐とともに職業が変更される。この間も時間は停止し続ける。練習の成果が試される時がきた!


銃使い(ガンナー)長距離から相手を確実に殺す

長距離で最も高い攻撃力を発揮する。連続攻撃も可能な職業だが相手を見る目と操作、腕が必要な

職業だ。相手を一発で仕留めるための目が、常に

整備して最高の状態にしなければならない。


ガンナーの特性として精神異常の攻撃だとすぐなにもできなくなる。技、スキルが少ない。維持費とくに弾丸を買う必要がある。調合スキルは必須である。防御力がないなどさんざんな職業だから誰もなりたがらないがしかし、需要がある職業でもある。遠距離では通常攻撃でも高い威力を有するガンナーだが至近距離だと何もできない。それを解決するのが僕が出した1つの答え、連射性のある拳銃もしくはモンスターも怯む高威力のあるものを所持すればいい。


幸い拳銃については現実世界にあったニューナンブM60を改良分岐したものを使っている。この世界の銃はボウガンが榴弾を発射する機構のようで

撃鉄(撃針)が雷菅を叩くのとは訳が違うようだところどころ似た機能はあるらしいけど街の武器屋で聞いた方が早いな。


職業銃使い

武器V5C39(シングルショット)レア度 伝説級

爆発するスライム!?を撃ち出すライフルと呼ばれるグレード。総弾数は一発ずつリロードなので連射は期待できないよ。強化すればセミオートになるみたい…本来この世界に存在しない武器だよ!だから武器からではなくアイテムから装備してね。艶消しの冷たい金属のフレームだから少し重いかもよ。でもでもボウガンより軽いよ。


武器V5C8(セミオート)レア度 伝説級

近距離で近距離で非常に高い威力を発揮し高い機動性を確保。ボウガンの弾を共用できるハンドガンと呼ばれるグレード。3発しか装弾できないず反動が大きいよ。小さいから女の子でも安心して使えるね!ニューナンブM60を分岐強化したまさに異世界の武器だよ!みたこともない機能をたくさん積んでるらしいよ?アイテム扱いだからアイテムから装備してね!これはアップデートまで少し待ってね♪パッと見たらリボルバーを彷彿とさせるね、モンスターの素材を使ったら…


武器の選択で職業が変わる。本来ならキャラの職業変更は教会でするものだがプレイヤーに関してはメニューの武器変更でなんとかなるんだよね。

てかキャラは1つの職業を極めたほうが効率はいいんだけど。そして称号にも無頼の喧嘩師から…


荒野のガンマンに変更になる。装備も貧しいボロ布と木靴だったものが頭から


頭装備 レンジャーハット D級

胴装備 ヘッツァーメイル D級

腕装備 弾薬手 B級

腰装備 ヘッツァーコート D級

脚装備 ヘッツァーブーツ D級

お守り なし


にそれぞれ変更される。しくじったなーイベントや依頼クリアに集中していたから武器は強くてもスキルや装備面ではまったく強化してなかった…

普通にオーガとゴブリンなら今後の見習い戦士になるためのスキルを上げしかやってなかったよ…

ホロウペッカーは予想外過ぎる。せめて次倒せるように情報を持てるだけ持って…


「こうなったらやけくそだ!」


「えっと…無頼の喧嘩師、じゃないよね?」


「見ての通り、今の僕は銃使い」


V5C39をアイテムから選択して装備する。これでボウガンより軽いらしいからガンナーの持つボウガンの重さって…ガンナーも一筋縄ではいかないのか…


「荒野のガンマン、全然強化してないから負けるかもだからそんときは知らねーから!」


勢いよくその場にしゃがみ、攻撃を受けにくい伏せ撃ちの姿勢をとる。攻撃を受けにくいし命中率が上昇する構えだ。弱点としたら回避不可で通常の姿勢に戻るのに時間がかかる。とかかな?

照準して呼吸を止めて引き金に指をかける。まだ鼓動のタイミングを合わせないと…ホロウペッカーもバカじゃない舌を突き刺そうと伸ばしてくれる。二人も完全頼りっきりだったし傍観者と化していたのもあって我に還ってのが遅すぎた。僕の行動に呆気にとられてたのもあるけども…


「人が作った物に人は負けない」


しょせん初見殺しのシステムのつもりだろうがこっちだってゲームの世界を越えてる知能がある。

システムが僕を殺したくてしょうがないようだけど無駄だ。言われたことしかできないゲームの使用に負けるか、負けてたまるか。

プログラムされたことを100%実行できたとしてこっちは120%の悪知恵でそれを覆せることを証明して見せる。


「人間死ぬときは死ぬ、でも今じゃない」


引き金を絞る。少しの遊びがあって固いものに引っかかる。ガンマンの早撃ちといくか、舌に貫かれるのかこちらの狙撃が先か、狙いすぎないように…


カチン


静かに引き金が引く、直後の轟音、閃光!ホロウペッカーの胸にスイカサイズの風穴があく。なんの死闘もなく呆気なく幕引きとなった。巨体はずるずると崩れ落ちる。汚い、そして脆い。


「なんだ弱いじゃないか」


運営の進化する悪意にプレイヤーは負けん。どんなクソ鬱展開でも無理ゲーでもたとえ1%の確率の壁でも攻略してみせる。それがプレイヤーだ。


V5C3をアイテムからゆっくり選択してメニュー閉じると同時に抱き合うグレイとマリアの後ろから襲おうとしてるゴブリンゾンビを頭を撃ち抜く。

対巨大モンスター用だから頭が弾け飛ぶ。


「「うきゃーーわーーわーー!(号泣)」」


泣き合う二人、泣くほど怖かったのか。ごめんよ

またメニューからアイテムの銃を外す元の格闘家に早変わり。装備も貧しいボロ布と木靴に。無頼の喧嘩師の称号に変わる。


「さて、交渉だ」



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