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あなたへ...2015年9月

聞こえる

作者: あずま

車に乗って

少しすると

あなたの声が聞こえる


はぁは今日は遅いの?」


「Eちゃんが昨日ねえ。」


「可愛いのは正義」


「え、なんで。」


ははさま、おはよ。」


「ちゃりらーららら、ちゃりらららーら」


「ふわふわる~」


脈絡なんかなく

頭の中に響いてくる


怒った声

甘えた声

ふざけた声

まじめな声


頭の中に

次々と浮かんでくる


あなたが生きることを

やめたあの日から


しばらくの間

あなたの声が思い出せない気がしたのに


今は

いつも

頭の中に響いている


職場の廊下を歩いていても

お風呂に入っていても

仕事でパソコンをたたいていても

朝ご飯を作っていても


頭の中に

あなたの声がが

ずっと

ずっと


後ろにあなたがいる気がする


でも

たったひとつ

聞こえない声がある


なぜ

あなたは

その道を選んだのか


本当に

その道しかなかったのか


あなたが

その道を選んだ

本当のわけはなんだったのか


聞かせて欲しいけれど


頭の中の

あなたの声は


レコードのように

記憶の中の

あなたの声を

再生しているだけ


でも

本当には

あなたが

あの道を選んだわけを

聞きたくない気がする


だって

聞いても

分かってあげられても


もう

あなたは帰ってこない


もう

あなたを抱きしめることができない


もう

あなたの望みを叶えてあげることはできないのだから


ごめんね


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