由佳視点 葉月チャン
私は、できる限りの速さで葉月ちゃんの家へと向かっていた。
彰人君に机倒しちゃったけど、大丈夫だったかな?
あとで会ったら、謝っとかないと・・・かな?♪
「葉月ちゃん・・・。この時間ならもう家に帰っているはず。急いで殺しておかないと♪」
心はピクニックでも行くようにウキウキとした気分♪
『自首して』・・・か。私は彰人君のために殺ってきたのに・・・。彰人君は少し不満げ?
なんでだろ・・・?
ああだこうだ考えている内に、葉月ちゃんの家へと着いた。
微妙に葉月ちゃんの部屋らしい場所のカーテンが揺れたのが見えた。
・・・そこにいるのね。葉月ちゃん♪
一階の窓をそこらへんに転がっていた大き目の石で叩き割る。
防犯はちゃんとしておかないとダメだよ・・・葉月ちゃん・・・。
私みたいなのが、こんなに簡単に家に侵入できるだなんて・・・。あとで彰人君にも言っておこう。
家 ノ 戸 締 リ ハ 、 シ ッ カ リ ネ ・ ・ ・ ッ テ ♪
割った窓から手を入れ、鍵を開ける。
部屋を見る限り、リビング・・・かな?
きっと、今までここで楽しく家族でおしゃべりしたり、食事をしたのかな・・・?
ふふ・・・クソ食らえだわ。
「葉月ちゃん?・・・どこかな?」
どこにいるかは知っている。それでも、訊ねる。
恐怖ニ震エロ・・・
死ヲ感ジロ・・・
ソウ・・・
私ヲ喜バセテ・・・
葉月チャン・・・
「・・・2階・・・かな?」
かすかに2階から物音がした。
2階に来られる・・・と恐怖しているのだろう・・・。
可愛らしい葉月ちゃん。そうだよね。死に直面した事なんてないよね。いきなりのことで怖いよね。
大丈夫よ・・・。そんなに痛くないだろうし・・・。
すぐ、楽にしてあげるから・・・♪
2階へゆっくりゆっくり上っていく。
きっと、足音がするたびにビクビクしているのだろう・・・。
嗚呼・・・私モぞくぞくシチャウ・・・♪
上りきると、部屋が三つ。
1つは・・・トイレ?
もう1つは、お母さん達の部屋かな・・・?
・・・ふふ・・・葉月の部屋って・・・書いてある部屋はっけーん♪
ゆっくり扉を開けて、中の様子を伺う。
・・・ドコダ?
しばらくキョロキョロと探すと、ベットのふとんがゆっくり上下しているのが見えた。
チッ・・・寝てたのか・・・。じゃぁ、さっき物音がしたのもきっと寝返りかなんかをしたからね。
・・・クソつまんねぇー・・・。
まぁ・・・いっか。
こっちのほうが殺しやすい・・・。
今も上下しているふとんに・・・毎日持ち歩いている包丁を取り出しながらゆっくりと近づく。
そして・・・すぐさま頭らしいところに包丁をつきたてた。
ふとんの上下の動きがなくなり、うす水色のふとんがじわじわと赤に染まっていく。
「葉月ちゃん・・・。どんな夢を見てたのかな?
・・・ねぇ?
痛クナカッタデショ・・・?」