彰人視点 アノ娘
俺は割と人間が好きだ…。
人間は…とても可愛い生き物だと思う。
好きな人と付き合いたいけど、恥ずかしがったり照れたりして、告白する事ができない。
そんな人が、すごく可愛いと思う。
…ま、悪い人もいるけどね…。
俺も好きな人がいて、恥ずかしがったりしたけれど、去年…告白した…。
答えはOKだった。
向こうも…俺の事がずっと好きだった…と言ってくれた。
そのとき思ったのは「やったー」より、「もっと早く告白してればよかった」だった。
人間のその欲張りなとこも、可愛い…と思っておこう。
後悔先に立たず…てね。
昔の失敗なんて考えない考えない。
ふふ…なんか幸せだなぁ。
神様…ありがとさん♪
彼女のことは前から気になっていた。好きって意味じゃなくて、いつも1人でいるし、しゃべってるの聞いたことないから。
だから、教科書を忘れても借りる人がいないんじゃないかなぁって思って…
「あ、教科書貸そうか?」
断られたけど、
「あー ごめん。言い方変える。
俺の教科書貸す代わりに、数学の教科書貸してくれない?」
忘れちゃってさ。と明るめに言ってみた。
すると、彼女は俺の教科書を受け取って数学の教科書を貸してくれた。
ホントは数学の教科書は持っていたけど、こう言わなきゃ彼女が教科書を借りてくれないと思ったから…。
教科書忘れたのは本当のことだし、嘘は付いてない…。
とりあえず 教科書を受け取ってくれて良かった。
そうだ、彼女の名前……
知らねー…
あ、教科書に名前が書いてある。