彰人視点 俺ノ作戦
更新が遅れ、申し訳ありません(;>_<;)
葉月に外出禁止と言ってから、三日後。
俺は毎日、葉月の学校の送り迎えをした。おしゃべりをしながら登下校するのはめちゃめちゃ楽しかった。葉月の自由を束縛して、葉月のお母さんに迷惑ばかりかけているけど、安全のためには仕方のないことだ。
今日も葉月を送り届けて、家でまったりとしている。
「今日も無事に一日が終わったぁ・・・」
安心してベットに寝そべっていると、うとうととしてきてしまった。
・・・携帯が鳴っているのにも気付かず・・・。
「ん・・・?うぁ、朝かぁ。」
そのまま寝てしまっていたらしく、気付いたときには朝だった。
寝ぼけ眼で時計を見ると、朝の9時。遅刻だと思い、急いで準備しはじめてやっと気付いた。
「今日、土曜日じゃん…。」
もう制服着ちゃったよ。脱ぐのが面倒だから、そのままでまたベッドに倒れ込んだ。その状態で携帯をちょっとイジイジ・・・。
「ん?昨日の夜に葉月から電話が入ってる?」
留守電には何も入っていないが、かなりの着歴がある。
何かあったんだ!!
俺は急いで葉月に電話をかけ直した。何回かコールして、やっと電話に出た。
「葉月!!大丈夫か!?」
葉月が声を出す前に、俺はめちゃくちゃにしゃべりまくった。
だって、葉月になにかあったかもと思うと落ち着いてなんかいられなかった。
葉月は押し黙っている。まず、今電話に出たのは葉月なのか?と不安になる。
もう何もかもが不安になってきた。
『・・・彰人君。』
葉月はやっとしゃべった。
そのことで少し不安が減ったけど、それでもまだまだ不安だった。
だって、葉月の声は今にも消えてしまいそうな・・・しゃべるのがやっとみたいな声だったから。
『何があった?無事か?』
葉月が泣いているのがすぐに分かる。
あの時といっしょだ…!
葉月が襲われて、俺は助けるどころかその場にすらいなかった。
俺は…役立たずだ!
『私は無事だよ・・・。でも・・・、お母さんが・・・。』
おかあさん・・・?おばさん!?
一瞬理解ができなかった。あの明るくて強くて・・・力強い母親の顔をしたおばさんが襲われたのか!?
「それで、おばさんは大丈夫なのか!?」
葉月の声が更に涙声になる。いやな予感しかしない。
『・・・死んだ。いや、殺された。』
・・・イヤな予感と言うのは、よく当たるものだ。
殺された・・・という言葉のときの葉月の声は、あきらかに殺意がこもっていた。
次、あの無言電話のやつに会ったら、葉月はそいつを殺してしまうだろう。
その前に俺がどうにかするんだ!
「葉月。お前のことは俺が守るから。おばさんに頼まれたんだ。絶対
守るから・・・!」
「うん…。」
葉月には気の抜けた返事しか返ってこない。
でも、いいんだ。これは俺に言い聞かせる言葉だから。守る…守るんだ!
そのために、俺がおばさんを殺した奴を見つける。きっと葉月の家のそばをうろうろしているはずだ。
今日から早速夜に葉月の家の周りを見張ることにしよう!
待ってろよ!必ず捕まえてやる!!!