由佳視点 殺シテヤル
私と彰人君の邪魔をする牝豚こと葉月ちゃん。
彼女自身に悪い印象はない。どちらかというと好印象なのだが、しょうがないよね。彰人君に付きまとう彼女が悪いんだ。
・・・ただの勘なんだけど、彼女は彰人君のことが好きなんだろう。私も彰人君が好きだからよくわかる。でも、これだけは譲れない!
彰人君は私のものだ!!
さてと…、私達の邪魔をする葉月ちゃんを排除するために私は今、葉月ちゃんの家の前にいる。
なぜ私が葉月ちゃんの家の場所を知ってるのかと言うと、簡単なことだが彰人君のあとをつけたのだ。この前彼本人から「今日から葉月の学校まで迎えに行って帰ることにしたんだ。」と言われたから。
さすが彰人君よね。陰ながら私の計画の手伝いをしてくれるなんて。
私の計画・・・葉月ちゃんを殺すこと。
人を殺すのはちょっと嫌だけど、彰人君と私のために頑張らなきゃ♪
でも、学校の行き帰りには友達や彰人君が着いているから近寄れない。出掛けるのを待っているのだけれど、なかなか機会が巡ってこない。家から葉月ちゃんが出てくるのを待って今日でもう三日目。このかんじだとか今日もダメだろうな。そろそろ帰ろうかな・・・。
「じゃ、行ってきまぁす。」
「・・・!」
葉月ちゃんが扉から笑顔で出てきた。
それをお母さんと思われる人が犬を抱きながら見送っている。
・・・やっと、作戦が実行できる!三日間着続けたこの黒い服ともついにおさらばだ。この日のために買ったフードつきの暑苦しい黒のジャージ上下。葉月ちゃんが始末できたらこれは捨てて、白い服を買おう。それで彰人君とデートしよう!
ふふ・・・楽しみだなぁ♪
・・・さてと、もう少し暗がりに行ったら殺そう。
コツ・・・コツ・・・コツ・・・
電燈でうっすら照らされた道で、私と葉月ちゃんの足音だけが響く。
コツ・・コツコツ・・・コツ
心なしか葉月ちゃんの足音が少しずつ早まっていく。遅れをとらないように私もだんだん足早になる。
コツコツコツ・・・
・・・!気付かれたのか!?
葉月ちゃんがついに走り出した。バレたのか!?まぁ、いいや。後ろからこの包丁で・・・。
コツコツ・・・ハァハァ・・・
あと…少し・・・!
「あっ!助けてください!変な人が・・・追いかけて・・・!」
葉月ちゃんが建物の中に入り助けを求めている。よく見てみると、その建物は交番だ。
・・・さすがにこれは逃げたほうがいいな。
来た道に戻るように走り出すと、後ろから追いかけてくる足跡が聞こえた。
警察官が追いかけてきた!
横道に曲がったりしながら逃げて、なんとか警察官を巻いた。
せっかく葉月ちゃんを殺すチャンスだったのに!!
これで、葉月ちゃんは警戒するようになるだろうな・・・。
襲うチャンスはほぼなくなる。
まぁいい。また別な作戦を考えるか・・・。