由佳視点 邪魔スル女
その後、恵子と瑞樹が帰ろうと言うまで、意識を失ったような状態になっていた。楽しそうに瑞樹と恵子が話しているけど、私は無言でとぼとぼと歩く。
「由佳・・・?大丈夫?」
2人が心配そうに私の顔を覗く込む。大丈夫と頑張って笑顔を作った。でも、笑顔が崩れて・・・涙が出てきてしまった。
「・・・由佳。よしよし。」
恵子が優しく頭をなでてくれる。余計に涙が出てきたけど、心は落ち着いた。しばらくして涙が止まっても、恵子はしばらくの間優しく撫でていてくれた。
泣き出してから立ち止まっていてしまったので、デパートを出たときにはまだ薄ら明るかった空ももう暗くなり始めていた。私のせいで帰りが遅くなってしまった。でも2人は笑いかけてくれていた。帰ろうか。と笑顔で言ってくれた。
・・・友達っていいものだ・・・。泣いたときにも迷惑をかけたときにも、優しい笑顔を私に向けてくれる。
なんて素晴らしいんだろう・・・。それにまた涙が出てきそうだったが、そこはガマンした。
落ち着いてきたら大変なことに気付いた。
「あっ!かばん忘れた!」
2人も気付かなかったらしく、あー!と言っている。
先に帰っててと言って、走って取りに戻った。2人とも鞄持ってるのになんで私だけ忘れるのよ~。
まぁ、気が動転してたから仕方ないっちゃ仕方ないか。
結構歩いたからなぁ・・・。走っても10分以上か・・・。めんどっ!
走っていると、彰人君と葉月ちゃんが見えた。声をかけようかと思ったけど、少し話しかけづらい。
どうしようと悩みながら見ていると、2人は・・・キスをしていた。
もう、外でしないでよね!と少し怒っている葉月ちゃん。それにごめんねと言っている彰人君。でも、2人とも顔を赤らめながら笑っている。
あっ、彰人君が鞄を2つ持ってる。葉月ちゃんは自分のを持ってるから、多分あれは私のだ。
彰人君、落ち忘れてた私の鞄持っててくれたんだ。よかった。走るの面倒だったんだよね・・・。ははは・・・。
せっかく、2人のおかげで落ち着いたのに・・・。もう、彰人君達のせいでまた取り乱しちゃうよ・・・。
フフフフフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「由佳ちゃんは俺にとって大切な人だよ。」
うん。私にとっても彰人君は大切な人。
「由佳ちゃんは俺の彼女だよ。」
嬉しい。私、彰人君のこと大好きなんだよ。
「俺は、由佳を愛してる。」
私も、愛してる。
アハッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
私達は愛し合っているのに、邪魔をする女がいるね。
私ノ彰人君ニ・・・付キ纏ウ雌豚ガイル・・・。
迷惑ダヨネ・・・待ッテテ・・・今、助ケテアゲルカラ。