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由佳視点 好キ?

その日、授業が全く頭に入らず気が付いたら放課後になっていた。

ぼーっと帰りの準備をしていると恵子と水樹が近寄ってきた。


「由佳!行こう!」


2人がそう言う。いっしょに帰ろうってことだろう。手早く準備を済ませて彼女達の下に行く。


「よし!じゃ、行くよー!」


「ん~と、あそこまで行くには・・・、あっちの駅に行って・・・。」


・・・あそこまで行く?


「どこか行くの?」


彼女達はやっぱりという少し呆れた顔をしている。

え?と思っていると恵子が説明してくれた。


「昨日デートしようって話してたじゃん。今度って言ってたけど面倒だから今日行こうって・・・昨日話してたんだけど、その感じだと覚えてないみたいね。」


そんな話したっけ?

昨日は色々考え込んでたから、全然覚えてないや。


「えっ!ごめん、すっかり忘れてた。」


「うん。だろうと思った(笑)あのときの由佳上の空だったもん。」


楽しそうに笑う恵子。分かってて何も言わなかったんだ。

さすがだわ(笑)

今まで必死に道順を調べていた瑞樹が顔を上げて私達のほうを向く。


「道順分かったよー!」


「よし、じゃぁ行こうか。」


どこに行くのと言おうと思ったけれど、これ以上聞くと今度は瑞樹にまで笑われそうだからやめておく。

まぁ、ついていけばそのうち分かるでしょ。


・・・1時間後、電車と徒歩で着いた先はどこかのデパート?


「・・・なにここ?」


ついポロリと言ってしまった。

それにすかさず反応したのが瑞樹。


「ここにね、おいし~いパフェがあるんだよ~♪さぁ~、行くよ!!」


「あっ、待ってよ!」


ずんずんと突き進んでいく瑞樹に慌ててついていく恵子。私もそれに急いでついていき、デパートの中へと入っていった。

瑞樹の言うおいし~いパフェのある喫茶店に入ると、見たことがある後姿があった。


「・・・彰人君?」


「へ・・・?ゆっ、由佳ちゃん!?」


やっぱり彰人君だった。凄くビックリしているみたい。

言葉になっていないけど、もう目が「何でここに!?」と言っている。


「・・・お友達?」


彰人君の前の席にいた女性が不思議そうに言う。

この女は・・・!あの時のストーカー女!!


「うん、高校の友達。」


なんで彰人君といっしょに・・・

このストーカー女はなんで楽しそうに彰人君と話してるの!?


「そうなんだ。あっ、私は葉月です。」


名前を名乗られたからには、返事しなきゃダメだよね・・・。


「・・・由佳です。よろしく。」


「よろしくね!由佳ちゃん。」


・・・なんか明るい子だなぁ。それに、笑い方とかしゃべり方が微妙に彰人君と似てる。

もしかして、彰人君の妹さんとか・・・なのかな?


そこに瑞樹や恵子が来て、彼女達もそれぞれにあいさつしていた。

すると、パフェを食べて元気ハツラツな瑞樹が質問をする。


「葉月ちゃんは彰人君の彼女さん!?」


ねぇねぇねぇ!としつこいぐらい言う瑞樹に彰人君と葉月は嫌がるでもなく、2人して顔を赤くしていた。


「やっ、あの、ちがっ・・・くはないんだけど・・・そうじゃなくて・・・。」


「わっ、私は・・・そんなんでは・・・。」


帰って来るのはアタフタとした言葉だけ。

少しイラッとした私達3人は同時に「どっち!?」と聞いたら、彰人君がやっと答えた。


「・・・付き合ってるよ。葉月は・・・俺の彼女だよ・・・。」


おぉ~!と言い、2人を質問攻めにする恵子と瑞樹。

でも、私はそんなことはできなかった。そんなことする元気はなかった。

・・・2人は恋人同士?

え?じゃぁ、ストーカーじゃなかったの・・・?

あの時の言葉も、告白じゃなかった・・・。

私は告白できない・・・。


「・・・由佳ちゃん?どうしたの?」


質問を全て葉月のほうへ任せたらしい彰人君が私のほうに来た。

魂が抜けたような私を心配しているらしい。

私は・・・最後の力を振り絞るようにして彰人君に質問した。


「彰人君は、葉月さんのこと好き?」


彰人君は恥ずかしそうにしながらも、愛おしそうな目を葉月に向けて言う。


「うん。俺は、葉月を愛してる。」


・・・俺ハ葉月ヲ愛シテル・・・。

彰人君は恥ずかしそうに頭をガシガシと掻くと、「彰人君~助けて~。」と葉月がヘルプを出したので彼女の横に戻って行った。

私は、呆然とするしかなかった。愛してる・・・彼女・・・彰人君・・・?

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