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彰人視点 アリガトウ

結局、なかなかいい案は出なかった。

とりあえず、葉月には今日から葉月の学校まで迎えに行くからと言っておいた。「いいけど、どうしたの?」と言われたけど、帰りに話すからと言ってすぐに電話を切ってしまった。

本当は登校も一緒に行きたいけど、登校は高校で仲良くなった子と一緒に行ってるらしいから無理だ。

でも、一応葉月のことはもう安心だろう。

あとは、学校の奴らだ。あいつらはいちいち家までお迎え~ともいかない。学校にいる間は気をつけて見ているけれど、登下校や家でのことまでは分からないしなぁ・・・。

はぁ・・・、人のことを気にするって結構疲れるな・・・。


あっ、由佳ちゃんだ!

考え事してるみたいだけど、俺に気付いてないのかな?


「由佳ちゃん!おはよ。」


あいさつをすると、少し驚いたような顔をしてから由佳ちゃんもあいさつを返してくる。


「おはよう。あのさ、最近困ってることでもあるの?よく考え込んでいるようだけど・・・。」


「えっ!由佳ちゃんすごい。よく分かったね。」


・・・純粋に、驚いた。俺ってそんなわかりやすいのかな?

なんか、微妙にショックだ・・・。

う~ん。由佳ちゃんにも関係あることだし、ちゃんと話したほうがよさそうだな。


「実は最近無言電話が酷くてさ〜。」


由佳ちゃんに全部を話した。

一週間前から無言電話がかかってくるようになったこと、もしかしたら無言電話の奴が友達や大切な人たちに何かするかもしれないと気にしていること。

それと、少し疲れてしまったことも・・・。


「そうだったんだ・・・。」


由佳ちゃんは、話をうん、うんと言いながら聞いてくれた。

最後にそうだったんだ、とだけ言って少し悩み始めた。


「何か身に覚えないの?そういうことしてきそうな人とか・・・。」


そういう事、つまりは無言電話。ストーカーをする可能性のある人。

・・・思い当たる人はいない。

由佳ちゃんにも、いない、と答えた。


由佳ちゃんは少し腑に落ちないという顔をしていたが、しばらくしてから、そっかと言ったけど、その顔はやっぱり納得したようには見えなかった。


由佳ちゃんが何を考えているのかは分からないけど、とりあえず・・・。


「というわけだから、しばらくの間周りで変なこととか起きるかもしれないから、気をつけて!

何かあったら、すぐ俺に知らせてね!」


由佳ちゃんはきょとんとして、私は関係ない。と言っていたけれど。


「ダメだよ!由佳ちゃんだって、俺にとって大切な人なんだから!」


由佳ちゃんがさっきよりさらにきょとんとしている。

なんだろう、少し恥ずかしくなってしまった・・・。

そういうことだから!とヤケクソ気味に叫んでさっさと逃げ出した。


でも、間違ったことは言ってない。

由佳ちゃんを含めた学校の友達は俺にとってとても大切な人だ。

でも・・・他にも大切な人がいる。

・・・葉月。

友達も由佳ちゃんも・・・葉月も守る!


疲れていようが関係ない。この命に代えても皆を守るのだ!

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