表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

同じ空を見よう

作者: 菜の花


君と見た空を

部屋の中から見上げてみる

海と同じ青い空

どこかから

波の音が聞こえる気がする


君と拾った貝殻が

机の上で息をしているから

君も笑って現れてくれるかも

なんて

もう叶わないんだ


忘れたくて、一度

貝殻をゴミ箱に放り込んだけれど

君との想い出を忘れたくなくて

忘れることなんてできなくて

いつの間にかまた机の上に


好きだって

真面目に伝えても

冗談めかして笑ってくるから

少し嫌になっていたけれど

嫌いになんてならなくて

だんだん惹かれてゆく


君と見るなら

雨が降りそうな暗い空だって

素敵な日になるんだから

君はきっと魔法使いなんだ

僕にとって

最高に素敵な魔法使い


あの空のように

ずっと隣にいてくれたら

当たり前のように

好きの一言を冗談めかして

ありがとうって言ってくれたなら


きっともう

魔法が使えなくなっちゃったのかも

魔法が使えないから

どこかへ行ってしまったのかも


いいのになあ

それでもいいのに

魔法なんか使えなくたって

一緒に並んで

海を見て空を眺めて

それから貝殻でも拾おうよ


魔法使いじゃないなら

僕が君に魔法をかけるから

素敵な毎日になるように

君のそばにいるから


真っ白の貝殻は

机の上で波の音をたてた


風に揺れる君のスカート

海を背景に白いセーラー服

私には似合わないって言ったくせに

今日の空よりずっと綺麗じゃないか


いつだって蘇る記憶は

きっと忘れることなんてできない

あの空のようにこびりついて

一生離れない


もう忘れることなんて諦めて

あの空を見よう

あの日と同じ空を見よう

いつまでも僕は

あの日の空を眺めている

ご覧いただきありがとうございました。


空を見れば思い出してしまう


誰かに届きますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
素敵です!!海辺で一人佇んで、過去を優しく回想している人を思い描きました!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ