羽の折れた鳥
出発してから1週間ほど経った頃だいぶ近くまで来ることが出来た
ただあれからラジオの応答がないて…
完全に壊れたかもしくは…
「もしかしてあれかな?」
渚が指を指す方向には建物らしきものの1部が見えた
近づく森の中に立つ教会があった
2人で扉を開けるとそこには聖堂が広がっていた
比較的綺麗にされてるように見えたが中に人は居なかった
聖堂を出て近くを見ると花の供えられていたお墓がありその近くには小屋のようなものがあった
「そろそろ日もくれるし朝までそこで過ごそ」
そういい渚と二人で扉を開けた
小屋に入り中を見渡していた時奥の扉が開いた
中からは僕や渚よりも少し年上の女性がいた
「良かった…まだ人いたんだ…」
少し弱々しい声でそうつぶやくとそのまま倒れてしまった…
少しの思考停止の後に渚の声で我に返った
「大丈夫ですか」
「しっかりしてください」
そのまま駆け寄って女性の出てきた部屋の中を見るとベッドがあった
「とりあえずそこまで連れてくか…」
女性を寝かせたあと部屋にある小瓶が目に止まった
見たところ薬のようなものだった
翌日の昼頃目を覚ました
丁度看病をしていた渚の声が聞こえ部屋まで行くと目を覚ました女性と話す渚がいた
「具合は大丈夫ですか?」
「少し辛いけど大丈夫…先が短いのは分かってるでもやり遂げないといけないところがあるから…」
震える手で窓の外を指さしこう言った
「そこに種を植えたの…」
「私この教会で育ったの、孤児だったんだ…その時弟のように接してた子から貰った種があってねそれを植えたの…」
渚が聞いた
「なんの種なんですか?」
女性は言った
「それを聞く前に旅立っちゃったの…だから確かめるために植えたの」
その時女性が血を吐いた
「大丈夫…いつもの事だから…それを花を見るまで死ねないよ…」
その時渚が言った
「花が咲くまで私が育てます」
きっと自分の兄弟と重ねたのだろう…
「私も大切か妹弟がいたんです…」
そう言いながらペンダントを取り出した
「でも悪いよ…私の事情なのに…」
「なら僕も一緒に育てますよ!」
そう言うと
「そっか…ならお願いしてもいい?」
「もちろん!」
「ありがとう…私は陽羽梨て名前なの好きに呼んでね」
そう言うと鍵を手渡してそう告げた
「一応この建物関連の鍵好きに使ってね」
そして僕らは陽羽梨さんの花を育てるのだった