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2.国王陛下の娘に求婚される


「お兄ちゃん、起きて!」


妹に起こされ、目を覚ますと、すごく豪華なお城の、庭みたいなところにいたのだ。


「これはこれは。勇者様。お目覚めになられたのですね」


豪華な服装をしたお兄さんが話しかけてくる。なぜか言葉はわかるようだ。


「はじめまして。甘雨(かんう)裕司(裕司)です。あなたは?」


「わたしはエスデッド王国国王のアナスタシア・ルガリー・エスデッドというものです、以後お見知り置きを」


「こ、国王陛下?!! すみません、無礼な態度でした」


「よいのですよ。わたしも国王なりたてで、若いですしね」


びっくりした。まさか最初に国王と出逢わせるなんて。


「勇者様。会ったばかりで大変申し訳ないのですが、ここ15年魔王軍との戦争が過激化していて、悩んでいるのです。どうか救ってはくれませんか」


神様たちが言っていたように、沙羅が15年先に飛ばされていたようだ。


「最初からそのつもりです。最善を尽くさせてください」


一応僕は弱虫であったが、コミュ障ではない。むしろ、コミュニケーション能力は高い部類に入ると思う。なので、国王と話すのも平気だった。


「ありがたきお言葉です。では、我が国から心ばかりの金貨と装備品を提供いたします、遠慮なく受け取ってください」


嬉しい言葉だった。だって最初は自分たちでどうにかするものだと思っていたのだから。


「ありがとうございます! では、旅の準備が整い次第、魔王軍を止める旅に出ようと思います。そこで、お願いなのですけれど、ここに僕たちの拠点を置いてもらっても構わないでしょうか。家もないもので」


「もちろん、屋敷は提供いたします。しかし少しばかり問題が…いやなんでもないです。では武運を祈っています」


「はい、よろしくお願いします!」


話が終わったので、とりあえず国王陛下と別れた。僕たちは用意された部屋にむかう。それにしてもさっき国王は何を言いかけたのだろうか。


「お兄ちゃん、私もなんか喋りたかった」


「だめ、こういうことは全部お兄ちゃんに任せなさい」


「ちぇぇ」


妹はどうやら異世界の人と話してみたいようだ。そんなの話そうと思えばいつでも話せるのに。


「あ、あの勇者様?」


可愛らしい声が聞こえてくる。振り返ってみると、そこには可愛らしい金髪の女の子が立っていた。10歳程度だろうか。


「どうしたの?」


「あ、あの勇者様、(わたくし)勇者様の凛とした姿に見惚れてしまいました。だ、だから、、私と婚約してください…だめ、ですか?」


いきなり女の子に求婚された。かなり戸惑った。相手は子供だ。だけど、可愛らしいその姿に見惚れてしまっている自分がいた。その女の子には同じ女の子である日菜でさえ見惚れいたのだ。それくらいに可愛らしく、美しい姿だった。


「いきなりは困るなぁ。そうだ! まず君の名前を聞こうかな」


「私の名前は、ナタリア・ルガリー・エスデッドといいます」


ん?エスデッド…?それって国王と同じ家名じゃ…


「もしかして、国王陛下の娘さん?」


「そうです!エスデッド王国国王の娘、ナタリア第一王女です」


これは返事をのーとするのは難しい。どうしたものか。すると日菜が


「お兄ちゃん、とりあえずナタリアちゃんと一緒に国王陛下に話をしに行こう」


さすがはできた妹。こんな時でも冷静に物事を判断できるなんて、ほんとは一緒にきてほしくはなかったがこうしてフォローしてくれるので、とても嬉しい。


「そ、そうだな。まずは国王陛下に話を聞きに行こう、わかった?ナタリアちゃん」


「は、はい!」


そうして、僕たちは先ほど別れたばかりの国王陛下に会いに行くのだった。

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