正義の神と新英雄(フリーター)について
──処女作『正義の神と新英雄』は、5年あまりの投稿の末、完結という形で更新をストップしている。
当時中学2-3年生の自分の描いた展開では、懊悩の主人公──嵐丸托生の受難がソフトなものになっていることに気づいた自分は、『正義の神と新英雄〜REMAKE〜』という形で、今再びの更新を始めた。
リメイク後はそれよりも、托生という主人公の境遇をより過酷な物とし、リメイク前の中途半端なシリアスよりもさらに目を覆いたくなるようなシリアスストーリーを完成させたのだ。
それの更新を始めて凡そ3ヶ月、累計PV数は872。
この結果はひどく憤ろしいが、この内容に喜んで手を伸ばそうとする人間のほうがマニアックだということは理解している。
そもそも、リメイクの投稿を始めた理由は、もはや過去の鈍き鈍き栄光を失わないようにすることであった。
この作品は、完結までのプロットが完璧に固まっている作品だ。ここで更新を追え、この作品の存在した過去さえかなぐり捨てるのはひどく勿体無い。
せめて完結まで頑張って更新するのが筋だろうと思ったのだ。
だが今になってみると、そもそも考えが愚かなものだったなと痛感する。
僕はリメイク前のことを先程、『更新は5年あまり続けていた』と言った。
5年あまりで集めたPV数は、累計15946。累計評価数は56。
ただでさえ少ないのに、そのPV数の中には少し、正々堂々稼いだとは言えないようなものもあった。
今段階では、その小説の第一章は78部分となっている。本来なら40部分ほどだったはずだ。
PV数が伸びない理由として、1話1話の文字数が多いせいで読みづらくなっているのではと考えた僕は、その時思い切った行動に出た。
一度小説を全て消去し、文字数を大幅に下げ話数を増やす編集を行ったものを、2週間に何度も更新し2000PVを受けたことがある。
小汚いやり方だが、それで多くの読者がついた。悪金千里を走るじゃないけど、現在は離れていった。
さらに、小説を学校や登下校中でもチェック出来るようにと、小説をページごとダウンロードしたこともあり、そんな方法で受けたPV数は数しれず。
読者が読んでくれたPV数など、本当は10000にも満たないのかもしれない。
※
──この6年は、自分の無力さを思い知る期間になった。
努力がどうしても報われない…──そんな状況が何年も続いてしまうと、人間は狂気に追いやられてしまうものだ。
長年の狂気に自尊心を傷つけられた僕は、夢を志した中学生の頃の純粋な心も失ってしまった。
文章の学習、ストーリー展開の参考書(殆どエロいイラスト目的)として買い揃えたライトノベルの数々を、今や破き捨てて焚き上げたくなってくる。
アニメですら見たくなくなった。小説を周囲に広めることに成功した人間が疎ましくて仕方がないのだ。
もはやここまで来ると、小説も辞めたいほどである。
だが、もはや小説は生活の一部に染み込んでしまった。
それに、今辞めると、自分の小説はさらに周囲の目から離れていってしまうと思ったのだ。
──何もかもが、小説に狂わされる。思考、精神、習慣、人生や運命でさえも…。