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冒険者ギルドの定休日

 ギルドの中庭からはあの二人の悲鳴が聞こえ続けていますが、僕は仕事に精を出すことにしましょう。

 といっても、時折やってくる冒険者の人にその人のランクに合わせた『クエスト』と呼ばれる仕事を紹介するだけですし、そもそも小さなギルドなせいかあんまり冒険者が来ません。

 言ってしまいますと、ようするに暇です。今日は、となりに教育係のスライムさんもいました。彼も暇なのかもしれません。


「教育係のスライムさん、暇ですね」

「そうっスか?」

「ところで、僕、自分のステータスを見てみたいんですが、コマンド魔法〔ステータス〕を唱えても、自分のステータスが見れないんですが......」

「そりゃそうっス。あなた冒険者じゃないですから」


 あ、冒険者じゃないとステータス見れないのか! じゃあ、僕も冒険者になりたい! いや、自分のステータス見てみたいだけなんですけどね。


「僕も冒険者になりたいです!」

「この冒険者ギルドは、いちおう冒険者ギルド協会に登録している正規冒険者ギルドっス。なので『恩寵』の受けていない者はなれないっス」

「? それって正規冒険者ギルドでなければ、冒険者になれるってことですか?」

「そうっスね。闇冒険者ギルドなら冒険者になれるかもっス。でも法律違反っス」


 法律違反かー。と思いつつ、闇冒険者ギルドなる所へ行ってみようかなとか思った僕でした......

 教育係のスライムさんは、疑いの目を僕に向けました。


「法律違反をすると、牢屋にいれられるっス。法律違反はいけないッス」

「え、ええ。法律違反はいけないッスね......」



 女神様の特訓はかなりスパルタであったようでして、その後も「ひ~」とか「はひ~」とかいう叫び声は聞こえてきていまして、夜になる頃にはマルコ先輩はすっかりゲッソリしてしまっていましたが、なんとか一時間は〔飛空術〕を維持できるようになったそうです。

 ベアーさんの方は相変わらず〔飛空術〕は無理だったそうですが、マルコ先輩のようにはゲッソリはしていませんでした。おそらく体力は物凄くあるんだと思います。


「これで、マルコ坊ちゃんは【白梅】の詠唱を依頼することができるようになったでやんす」

「マルコ先輩、やりましたね!」

「アラタ君、当然だよ。俺は神童と呼ばれた男であり、君にできることが俺にできないはずがない」

「そ、そうですね。その通りだと思います!」


 僕はいちおう先輩を立ててそう言いましたが、でも1日で〔飛空術〕を一時間できるようになるのは確かに凄いことです。


「明日、もう一度、修道院病院へ行くでやんす。明日は親分も行くでやんすよ」


 明日は冒険者ギルドの定休日なのである。


「え? 僕も行くんですか?」

「当たり前でやんす。親分が行かなくてどうするでやんすか? だいたい親分は親分としての自覚が足りないでやんす」

「いや、あの、自覚って言われましても......」


 ともかく明日、修道院病院へ行くことになりまして、あー、ついでに闇冒険者ギルドっていうのにもちょっと行ってみようかな......とか思う僕でした......


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