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第63話【魔王の日課は会議と政治と昔話】







婚約を発表したからといって、すぐに結婚式が行われるわけではない。

建国式と同時に執り行う、という段取りになってるが、やらなければならないことが山ほどあるのだ。

首脳陣は今まで以上に忙しくなった。

魔族病の治療法だけでなく、国としての法律や政治の方向性を決めなければならない。

時間の許す限りセリナの傍にいたい奈緒だったが、今日も会議室の一番偉い席で頭を悩ませている。


「案件、2007号。『庶民一人一人に対する税金の有無』について」

「税金か……皆、意見はある?」

「妾からひとつ」


どうぞ、という声が会議室に響き、テセラの小さな身体が立ち上がる。

会議室には二十人を超える参加者が所狭しと並んでいて、いずれも硬い表情でそれを見守っていた。

今日で六回目を迎える首脳会議だ。

マーニャやユーリィたちが整理してくれた雑務を、奈緒たちが片っ端から解決していく。


「税金は必要と考える……が、あまり重い税をかけると、国が内側から分解していくことになろう」

「同感です。元々、このクラナカルタの民衆には『税』という概念が薄い」

「下手を打てば、彼らが反旗を翻す可能性は十分にあります」

「しかし、現実的に考えて資金不足は否めない……いかがしますか、魔王」


次々に意見を出していくのは、宰相テセラが選出した文官たちだ。

種族、過去、実績に囚われず、一斉試験を開始して選ばれた、それなりのエリートたち、というのがテセラの弁。

今は医者業とメイド業を含めて兼任するリィムと同じように、テセラの補佐として働いている。

彼らの積極的な行動や発言、此処の能力などを見極めたうえで、テセラが奈緒に推挙する形を取っている。


「ラフェンサ。オリヴァースの税金ってどうなってるの?」

「わたくしのところは、四公六民、と言うべきでしょうか……細かい規定は様々なのですが」

「四割かぁ……高い?」

「いや、むしろ安いであろう。善政の地でも五公五民、暴君の土地では九割が国の税金として取り立てられるからの」

「……国民、絶対に逃げるよねえ」


奈緒は議長席……要するに魔王の座る席で、むむむ、と唸る。

既に会議も四時間が経過し、周囲の部下たちの疲労も若干色濃い。

一応、一時間ずつ休憩を挟んでいるので我慢してもらおう。

国家を作る、ということの大変さを心に刻みながら、二千を超えた案件を裁いていく。


「……うん。なら、税金は五公五民で。細かい内容はテセラと後日」

「良いのかの? 民衆がオリヴァースに流れる可能性もあるが」

「その代わり、景気回復しだいでは税金をどんどん下げる、ってことを明言しておけばいいかな、って」

「それはどこの国家でも口にするが……まあ、五公ならば多くの民が流れることはないのう」


宰相のテセラを初めとした文官たちが意見を出し合い、最終的な裁可は魔王が決める。

魔王一人の判断で済ませるまでもないものは、それぞれの担当官に割り振って仕事をさせることになる。

何せ政治関連の知識が、奈緒たちにはない。

人材を多く国に取り入れ、それぞれの担当に任せることにしておいたほうが、最終的には効率がいいのだ。


「じゃ、次」

「はっ……案件、2008号。『エルトリア魔族国における輸出の品』について」

「輸出かぁ……外交関連だね」


腕を組んで、奈緒は頭を巡らせた。

輸出、ということはエルトリア魔族国の特産品のようなものが必要、ということだ。

砂漠の土地のため、木々や水が常に不足するのは周知の事実。

幸いにも森林や小川が多いオリヴァース国が友好国なので困ることはないが、代わりに何を渡すことができるだろうか。


「やっぱりよぉ、魔物から得られる素材とか材料じゃねえか?」


円卓の席に座るゲオルグが言う。

完全に新国家に住み着いた、と言わざるを得ない傭兵親父は、いまや荒事の専門家だ。

このまま登用、という形を奈緒も内心、望んでいる。

問題はこの自由人の手綱を、何処まで握られるかどうかなのだが、思考を停止。今はその話題ではない。


「魔物の材料、と簡単におっしゃいますが、それは危険が大きすぎるのでは?」

「いや、現に魔物の被害はオリヴァースと変わらないほど多い。いっそ、討伐と並列して考えれば一石二鳥なのでは」

「小型の魔物ならばともかく、大型ともなれば人手が足りないですぞ!」

「国を挙げて魔物を討伐するにしても、無駄な費用が掛かる恐れが……」


文官たちが、やいのやいの、と意見を出し合う光景を奈緒はぼんやりと眺めていた。

言わば育成枠の期待の新人たちだ。

たくさん意見を交換して、いずれ国を背負える大臣になってほしいなぁ、などと魔王の奈緒は他人事のように思う。

もちろん、彼は彼で頭を働かせているのだが。


「民衆の力を借りる、というのはどうでしょう?」

「馬鹿な! 魔物の被害に見舞われているのは彼らなのだぞ。彼らに戦え、というのか!」

「戦う者には報奨金を、というのは……」

「死者のほうが多く出てしまう危険性がある! 遺された家族への慰謝料でパンクする恐れが……」

「…………ん、」


ぴくり、と奈緒の翡翠色の瞳が細められた。

口元に指を当て、己の世界に篭るようにして思考する。戦争中のときからの癖だった。

己の中に埋没していくような深い思考の中で、奈緒は幾つもの単語を組み合わせていく。


(民衆……魔物の討伐、材料……それと、ニート牛と暴れ鬼……)

(…………奈緒。地味に酷い単語を聴いたんだけど、気のせいだよな……?)

(黙ってて、龍斗……あとちょっとで……)


ざわざわ、と喧々囂々の会議室。

自己主張の強い何人かの文官たちが声を荒げ、奈緒やテセラがその単語を拾っていく。

優秀な案はないか。

少なくとも何かヒントになるような単語は落ちてないか、それを聞き逃さないように。


「そもそも、国を挙げて魔物を討伐などというが……そんなに簡単にできる話ではないぞ!」

「魔物を人為的に飼育してみてはどうか?」

「いまは輸出の品についてだろう? 魔物の材料だけと考えず、他の可能性についても考えるべきではないか?」

「いや、どの道、切っては離せない議題に……」

「……あっ、閃いた」


奈緒が頭から電球マークが浮かぶかのように手を叩く。

何か策を思いついたようだが、本人もまだ半信半疑らしく、眉根は寄せられたままだ。

へっ? と呆然とした表情で一斉にこちらを向く文官たちに苦笑いしながら、奈緒は言う。



「ギルドを作ろう。国の主導で」



ギルド。

有体に言えば依頼型の何でも屋だ。

依頼金を払って頼みごとをし、成功させて報酬を貰うことで成立する。

奈緒はリィムに頼んで、紙とペンを取ってきてもらい、高速で自分の考えを書き殴っていく。


「良い具合に繋がるかも」

「ナオよ。どうするつもりかの?」

「戦争が終わった以上、国の兵士たちの大部分は必要なくなるでしょ? だから、その分を国内の魔物に当てる」

「ふむ……」

「魔物を狩り、兵の錬度を高めて、しかも材料で国が潤う……っと」


なるほど、とテセラは奈緒の言いたいことを理解する。

兵士たちを魔物の掃討に当てる、というのは何処の国でも行っていることだ。

戦争中ならばそのような余裕はないが、今なら問題なく行うことができるだろう。

だが、それはギルドとは違う。

奈緒の考えている『国家主体のギルド』システムの全容までは把握しきれない。


「それは、ギルドと言わないのではないでしょうか?」

「続きがあるんだよ。新しく作るギルドは国の兵士と、加盟する傭兵や腕自慢の民衆たちで構成する」

「人が集まりますか?」

「ギルド、とは言っても要するに『仕事の斡旋』みたいな感じだから。その中でも危険なのが魔物討伐、ってだけ」


昔、やっていたゲームがある。

冒険者が悪の王を倒す、という在り来たりなストーリーのゲームだ。

そこで冒険者の主人公は『ギルド』に所属して生計を立てていた。そんな感じにしたい。

普通なら一笑に付す案であっても、同じように中世の時代なら出来るのではないだろうか、と思うのだ。


「……つまり、ナオ殿の言うギルドとは日雇いの職業斡旋、という意味なのですね?」

「そうそう。魔物討伐から、単純な肉体労働、技術の提供とか、そういう多岐に渡る選択肢で」

「しかし、国の民衆は依頼料を払えぬのではないかの? 金がなくて泣き寝入りする、という可能性も出るぞ」

「そこについては、これから考えていくよ。何とか形にしてみたい」


ギルド設立が成功すれば、多くの問題が解決する。

魔物討伐で住民の被害を防ぎ、討伐した魔物から素材を剥ぎ取って他国に輸出する。

細かく詰めていかなければならないだろうが、骨組みは既に奈緒の頭の中だ。

後は現実的に考えて、可と不可の取捨選択をしていくことにしよう。


「……それじゃ、一応この件は預からせてもらうことにして。……次の議題を」

「はっ……」


案件、2009号、と言う声が会議室に響く。

本格的に動き出した国作りを思えば、休む時間など惜しまなければならない。

この国は、セリナと共に作り上げた夢の土台なのだ。

一日も早く国として機能させていくことを目指して、奈緒たちは寝る間も惜しんで働き続ける。




     ◇     ◇     ◇     ◇




エルトリア魔族国の資料室。

蔵書数は他の国に比べて遥かに少ないが、それでも何万冊もの貯蔵がある。

ギレンが魔王の時代には埃を被っていた代物だが、奈緒の代となってから資料室の蔵書は急激に増加した。

奈緒が読書家だから、というのが大きな理由でもある。

三日ほど掛けて大掃除をしたリィムたちに敬意を払いながら、蒼髪の女性は本棚に納められた本に手を伸ばす。


「……『魔族病の原因について』……『病床における処置』……『過去の患者たちから鑑みる魔族病』……」

「ユーリィ。目ぼしい本は机に置いとくわん」

「……ええ。それと地図を」

「了解よん」


眼鏡の蔓をくいっ、とあげながらユーリィ・クールーンは調査を再開する。

魔族病。現代において最も致死性の高い病気として、ユーリィの知識の中に入っている。

セイレーン族のように魔力の高い魔族は特に、魔族病と密接な関係を持つ。

魔力を持つ者ならば誰にでも起こりうる病気であり、生存率は二割ほどとされ、未だに完全究明には至っていない。


「セリナの病気は炎だったわねん」

「ええ。風まで併用していては。恐らく。一週間も保たなかったでしょうが。不幸中の幸いです」

「……炎、ねん。お姉さんには手の打ちようがないわん」

「仕方がありません。雷と炎の因果関係は。薄いですから」


前もって解説しておくと、彼女たちが雑用に追われる生活は全く改善されていない。

良く見れば二人の眼の下にクマのようなものが出来ていることから分かるように、寝不足でふらふらという状態だ。

そんな彼女たちが魔族病について調査をしているのは、何も誰かに命令されたからではない。

自分の意思で、セリナを救うために、寝る間も惜しんで行動しているのだ。


「……ふう」

「なかなか。厳しいですね」

「そうねん……『誰も、何も言わない』のが、こんなにも厳しいものとは思わなかった」


セリナの魔族病の原因が裏切ったマーニャたちにあるのは、考えるまでもない。

初めてセリナの身体が魔族病に犯されていると知ったときの衝撃を、今でも彼女たちは覚えている。

知らされたのは、セリナが病が判明した数日後のことだった。

文句や、恨み言や、弾劾の声など届かなかった。

責任が彼女たちにあるというのに、奈緒を初めとした首脳陣たちは、何も言おうとはしなかった。

そんなことが、こんなにも衝撃を受けるなんて、知らなかった。


「気遣いだと。思いますか?」

「いいえ。ラピスとかなら、問答無用で斬り捨てに掛かってくる可能性もあるしねん」

「……命令が下ったのでしょうね。わたくしたちに。矛先を向けないようにと」


裏切り者の自分たちでも、掛けられた恩の大きさは理解している。

本来なら処断、良くても追放処分だ。

追放されればラキアスの刺客が口封じに来る可能性もあり、どの道、彼女たちに明日はなかったに違いない。

命も、尊厳も、名誉すら傷つけられることなく、ここで雑務を任されている。


「そこまでされたら。わたくしたちも。恩を感じざるを得ません。だからこれは。仕方がないのです」

「…………」

「そう。仕方がないのです。恩義の借りっぱなしは居心地が悪い。それだけです」

「あはん……誰に向けて言い訳しているのか分かんないわよん、ユーリィ」


くすくす、とマーニャは艶やかな笑みで屈託なく笑う。

何だかんだと言いながら合理的な性格の親友は、行動のひとつひとつに理由を付けないと気がすまないらしい。

温情を受けたのなら、それに応えなければならない……ユーリィの理由はそれだ。

友達を救いたい、責任を取りたい、と。理由を考えるまでもないマーニャは、汗を拭って言う。


「炎の魔族病なら、やっぱり氷しか有り得ないわん」

「肯定します。そして首脳陣の中の氷使いと言えば総司令……いえ。魔王ナオと。そして」

「……ユーリィ、よねん」

「致し方ないでしょう。やはり。残された手段はそれだけです」


マーニャの表情が僅かに曇った。

セリナの魔族病の原因はユーリィではなく、マーニャと殺し合った影響だ。

そのツケを自分の手で支払うこともできないのだ。

友達を傷つけ、命の危機にまで瀕している状況で……さらに、親友を頼ろうとしている。


「ごめんなさい、ユーリィ……お姉さんじゃ、救えない」

「いいえ」


謝罪するマーニャに対し、ユーリィはあっさりと首を振った。

手段は一つだけ。

魔族病の確実な治療法は存在しない、とされているが……世の中には例外というものが存在する。

常に病魔に晒される危険性があったのが、魔力を豊富に蓄えるセイレーン族だ。

彼女たちだけの秘伝の治療法。それが、最後の手段だろう、と思う。


「どの道。わたくしだけでは。救えない」

「……え?」

「魔力が足りないのです。わたくしの魔力だけでは。セリナ殿を救うことはできない」


聞いてほしい、とユーリィは告げる。

セイレーン族の秘術。姉に教えてもらった魔族病の確実な治療法。

禁呪とも言われた最後の手段は、里から追放されたマーニャが知るよりも遥かに難しい技術。

必要なのは膨大な魔力と、救いたいという意思。


「端的に言います。マーニャ」


ぱたん、とユーリィは本を閉じ、積み重ねられた本を更に重ねた。

視線は己の親友へ。覚悟を問うかのような瞳。

使いたくはなかった、と告白する。だからこそ他の治療法はないかと捜し回ったのだが、時間もない。



「誰かの犠牲が必要です」



ぴたり、と空気が停止した。

常時、余裕を持った表情を見せるマーニャの顔つきが、確かに凍りついた。

残酷な法則を思い出す。

命を救う、ということはあまりにも重いこと。何千、何万もの魔族が命を落とした死の病は、犠牲なしには救えない。


「絶対に。何かを失います。魔族病を治療するとは。そういうことです」

「…………、」

「それを捨てますか? たとえ失っても。あなたの言う『友達』を救いますか?」


無言が資料室を支配した。

珍しく俯いた様子で彼女はたっぷり十秒ほど、その場に佇んでいた。

でも、答えは決まっていた。

本来、支払うはずだった代償。それを友達のために使えるのなら、それはとても素晴らしいことと思えたから。

だから、それ以上、迷うことは無かった。




     ◇     ◇     ◇     ◇




会議が終わると、奈緒は必ずセリナの寝室へと足を運んだ。

ベッドで寝たきりのセリナの手を握りながら、奈緒は努めて楽しげな声で昔の思い出を口にする。

元の世界の物語は平凡で退屈だけど、セリナを初めとした魔界レメゲトンの住人には革新的なものらしい。

ラピスが傍に控える形で侍り、奈緒はセリナに優しく語りかける。


「今日は、何の話をしようか」

「そうね……この前の続きがいいわ」

「えっと。林間学校の話かな……うん。あのときは、色々と凄いことになってさ……」


生きてた頃の話。

高校一年生の秋に林間学校のイベントがあった。

規格外の担任教師やら、無口の委員長やら、本当に個性的な人たちが多いのを憶えている。

セリナに昔話を語って聞かせながら、奈緒はほんの少し、思考する。


(父さん母さんとか、学校のみんなとか、どうなったんだろう……)


考えなかったわけじゃない。

仏頂面の父のことや、ドジが目立つ母のことを懐かしく思うことなんて、いくらでもある。

最近は忙しさに忙殺されているが、家族や友達の夢を見ることもあった。

未練はあった。

まだ、やりたいことなんて、いくらでもあった。


「……」

「…………ナオ?」

「あ、ごめん。ちょっと懐かしくなって」

「そう……帰りたいって、思ったこと、ある?」

「あるよ。あるけど、今はセリナが一番大事」


迷わなくなったのは、やっぱり目の前の少女のおかげだ。

人生を掛けてでも護りたい、と思える人に出逢えた。これは本当に得がたいことなんだ、と思う。

一人立ちしなければならなかった。

もう、子供ではいられない。多くの人の命を握る魔王として、君臨しなければならないから。


「……ナオ。たまに凄く恥ずかしいことを、平気で言うわね」

「えっ……? あ、いや、うん。まあ」


自覚して赤面してしまい、話を元に戻すことにした。

今の話題は昔の世界の出来事だ。

寝たきりのセリナの暇潰しにでもなれば、と思う。奈緒自身も少しでも長く、一緒にいたいと思う。


「それじゃ、聴かせて、ナオ。あなたの昔話を」

「うん。少し恥ずかしいけどね」

「楽しそうよ」

「確かに、息も付けないほど騒がしかった憶えはあるよ」


ああ、子供ではいられない、とは言ったけど。

やっぱり懐かしいし、平穏な世界が恋しいと思うこともあるし、ホームシックに掛かることだってある。

弱音は今のうちに吐き出しておこう、と思った。


「一年前のことだよ」


生きていた頃のこと。

少しだけ。

本当に少しだけ、彼女と一緒に振り返ろうと思う。

子供でいられた時間。平和な世界が当たり前だった環境で、どんな風に自分は笑っていただろうか。


「僕と、龍斗が、まだ普通の人間だったときの物語」


歌いだしは、いつもこれだ。

まるで今の自分が人間以外の何かのような意味にも聞こえるが、気に入っている。

さあ、さあ、お立会い。

狩谷奈緒と鎖倉龍斗の学生時代を、共に懐かしむことにしよう。


(まあ、普通の学生生活とは、到底思えないものだけどね)

(はははは!)

(龍斗のせいだけどねっ!)

(ははははは、って、えええええ!?)

(まるで心外と言わんばかりの対応だけど、間違いないよ! なんか平穏の学生生活って感じじゃないし!)


一般的とは。

とても言えない物語なのは、ご愛嬌。


あれは確か高校一年生のときの、騒がしい日常の一ページ――――――






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