第八十七話 一対一の戦い イクミ&クリアネスナイトside
イクミが戦えているのだから自分も戦える。
自分は竜人族だから、人間にできて自分にできない事はない。
何が竜人族だ。
何が王子だ。
種族が違うというそれだけの理由で、勝手に順列をつけていた己は、吸血鬼族の言うとおり、うぬぼれにも程がある。
なのに、イクミは自分を責めるどころか、立派だと言った。
ああ、自分はどれほど愚か者だったのか。
「俺は・・・俺は・・・!!!」
ランスロットは己を心から恥じた。
ブルローネはちらりと、ランスロット達を見る。
やはりあのイクミと言う人間、ただものじゃない。
あっという間に傷を回復させた。
どこであんな最高品のポーションを手に入れたのか。
それにあのゴーレム。
普通のゴーレムとはどこか違う。
調べてみたい。
研究者としての欲が湧きおこる。
しかし、それ以上にブルローネはイクミに心を奪われた。
写真で見た時から、妙に惹かれたけれどこうして対面して益々イクミを気に入った。
計り知れない力。
予想を遥かに超えた動き。
予測できない反応。
こんな人間がこの世にいたのかと、ブルローネは歓喜に震えた。
自分に痛みという快楽を初めて教えてくれた存在。
ああ!
何という幸運!
今日は何て良い日なのだろうか!?
神など信じてはいないが、もしいるのだとしたら初めて心から感謝しよう!
今日という素晴らしき出会いを与えてくれた事に!!
「君のぉ~・・力をぜーんぶ、僕にぶつけてよぉ~・・・きっとぉ~最高にぃ~気持ちいいだろうなぁ~・・・!」
「・・・・とんでもなく変態さんだね・・(こういうタイプって漫画とかだと結構人気出るんだよね・・顔もイケメンさん寄りだし・・)」
イクミはげんなりしながらも、どんな術で戦おうか考えた。
ブルローネはバサッと羽根を巨大化させる。
「それじゃあ~はじめようかぁ~・・・・僕と君のぉ~・・・最高のショーをさぁ~!」
めきめきっと、ブルローネは長い爪を更に長く尖らせベロリと口を舐める。
イクミは刀に術で炎を灯らせようとした。
その時だった。
「ブルローネ様!!!」
「「!!」」
両者の間に、カラスのような生き物が突如飛び込んできた。
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