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第八話 弟子もチート級にやばいです

テントの中はもう本当に凄かった。

土足OKらしく、私は草履のまま中に入ったが、もう中は立派すぎる。

キッチンはコンロが三つもついてるし(上質な火の魔石により20年は使えるとか)、ベッドはふっかふかだし、トイレやお風呂まであった。

スキルの一つ、創製魔法により色んな魔道具が作れるんだとか・・(魔道具だけでなく、普通の道具も作れるらしい)。


これもう高級ホテル並だよ!

お風呂なんて水と火の魔石を使って、更に魔力を駆使して作ったからいつでもお湯はあったかく常に循環されて綺麗なままだというから驚きだ。

更にヒューゴは目の前で凄い事をしてくれた。


「ベッド一つしかないので、今師匠用のを複製しますね」


とヒューゴはベッドに手を翳して「複製魔法、発動」と唱えると、元からあったベッドの隣に全く同じベッドが出来上がった。

複製魔法とは、オリジナルを元に素材や質等そのまんまコピーして、全く同じものを作り出す魔法らしい(ただし生きてるものは無理とか)。


ヒューゴ・・君もしかして異世界の転生者か何か?

こんなチート魔法使えるなんて凄すぎるよ・・・。


「師匠、良ければ先に入浴なさって下さい。俺はまだやる事がありますので」

「え、いやいや!このテントはヒューゴのものなんだし、私は後で良いよっ」

「いえいえ、弟子が師匠より先に入るなんておこがましいですっ。

俺の事は気にせずどうぞ入ってください。タオルも自由に使ってくださいね!」


正直、お風呂に入れるのは本当にありがたい。

旅をする間、風呂なしも止むを得ないと覚悟はしてたけど・・。

それじゃお言葉に甘えるとするかな。


「あ、よければこれをお使いください」


ヒューゴはローブの内側から何かを取り出した。

15センチくらいの、笛かな?

先がラッパみたいな形状である。


泡沫笛(バブルホイッスル)といいます。これを吹くと色んな泡が出てきます。

石鹸代わりに使ってください。あと服の洗濯にも使えますので良ければ差し上げます」


これもヒューゴが作った魔道具だという。

泡の使い分けは頭の中でイメージすればいいらしい。

・・・何かヒューゴが青い未来猫に見えてきた。


とりあえず私はお風呂場へ向かった。




「広いお風呂だなぁ・・・」


浴槽は丸い形をしていた。

広さは泳げるくらいだ。

シャワーも付いてるし、本当に至れり尽くせりだ・・。


とりあえずシャワーを使って、体や髪を洗おうと思ったけどどうやって出すんだお湯。

と思っていたら急にお湯が出た。

ビックリした!

これも頭の中で思うだけでお湯が出せるようだ。

止まれと思ったら止まったもの。

忍術もイメージする事でコントロールできるから、この世界では頭を使う事が大事なようだ。

勉強は苦手だったけど、こういう頭の使い方なら簡単だ。


シャワーで十分髪を濡らした後、泡沫笛(バブルホイッスル)を早速使ってみる事にした。


「髪や体を洗えると言っていたけど」


私は頭の中で、とにかく髪も体も綺麗にしてくれる泡をイメージして笛を吹いた。

そしたら石鹸の良い匂いがする泡がいっぱい出てきた。

あっという間に体が泡で包まれる。

ためしに手で泡を擦ると益々泡立った。


「こんな魔道具が作れるなんて、ヒューゴって天才魔法使いかな?」


何てたってあのステータスだ。

もしかしたらこの世界では有名人なのかもしれない!

だとしたら益々私みたいなぽっちゃり女の弟子なんて不似合いすぎる・・。

どうしたものか・・。



髪も一緒の泡でごしごし洗い、シャワーのお湯で流す。

泡切れも良すぎて、すぐに全部流れた。


「わあっ肌が凄くつるつるしてるっ髪も何か艶が出てるような・・!」


壁に備え付けられている鏡を見た。

濡れた髪がやけに艶々している!

肌も凄い保湿されているような・・!

凄いぞ泡沫笛(バブルホイッスル)っ。


私は上機嫌で湯船に浸かった。

あ~・・・このお風呂もすごく気持ちいい・・・お花みたいなのが浮かんでるけど何だこれ・・。


『これはハーブでござる。カモミールやラベンダー等が使用されているでござる。

疲労回復効果があるでござるよ』


へ~、そうなんだぁ。

まあ状態異常無効化とかの術で、疲労感はないけどお風呂はやっぱり癒しの空間だわぁ。

おばーちゃんと行った温泉思い出すぅ・・。



しっかりゆっくりお風呂を満喫してしまった・・。

脱衣所にあったタオルで体や髪を拭き、新しい下着を履く(この世界の下着も元の世界と変わり映えしなかったので、安めので何枚か購入した)。

服だけど・・・ジャージで良いか。

学校指定のあずき色のジャージ、寝間着はこれで良いだろう。

さて、今日着た着物と足袋や下着はどうしようか。

泡沫笛(バブルホイッスル)で洗濯もできるってヒューゴ言ってたな・・。

これも頭の中で洗濯洗剤の泡をイメージすればいいかな?

私は家で使っていた洗濯洗剤の匂い等を思い出して笛を吹いた。


大きなシャボン玉ができた。

シャボン玉は着物と足袋と下着を包み込む。

10秒ほど経ったら静かに割れた。


「おーっ洗濯したての触り心地だっ」


着物も足袋も下着もあっという間に綺麗になった。

皺もないっ。

水も洗剤もいらない洗濯ができるなんて便利すぎる!

私は借りたタオルも綺麗にしてから畳んで元の場所に置いて、着物と足袋と下着を無限空間に仕舞った。


「ドライヤー、は流石にないかな?」


濡れた髪をこのままにしとくと、翌朝の寝癖が酷い事になる。

私は補佐丸に聞いてみた。


『それなら風の術の一つ、温風の術を使ってみるでござる。

この術は雨や池に落ちて濡れた体を乾かす時に役立つ術でござる』


うん、もうどんな術を聞かされても驚かないぞ。

私は忍法 温風の術と唱えた。

すると暖かい風が私を包んで、髪はあっという間に乾いた。

これなら、タオルも借りなくて済んだかもしれないな。

脱衣所の鏡を見てみる。

髪がすっごいさらさらになったっ。

あの泡のお陰かな?。

肌もしっとりつるつるのままだし、良い匂いだし最高すぎる。

私は上機嫌のままお脱衣所から出た(今の私は裸足に草履を履いているが、ジャージに草履・・中々にシュールだ・・)。



「思わず長湯しちゃった・・お風呂先にありがとう~」

「何か不具合とかありましたか?」


ヒューゴはローブを脱いで、シャツとズボン姿だった。


「全然!お風呂は広いし湯加減はバッチリだし笛は便利すぎるし、もう文句の付けどころはなし!」

「それは良かったです」


ヒューゴは嬉しそうに笑った。

イケメンスマイル!ま、まぶしい・・・。


「複製魔法で、師匠用の食器類を用意しました。

風呂から出たら食事の用意しますので、ゆっくり休んでて下さい」


すぐに出ますので、と続けてヒューゴがお風呂に行った。

テーブルの上を見ると、確かに二人分の食器があった。

やる事ってこれの事か。

自分用の食器はあるけど、わざわざ作ってくれたのかー・・。



うーん・・・寝床もお風呂も用意してくれて、この上ご飯まで・・。

そこまで甘えるのもなー。


・・・・よしっ食事の用意は私がしよう!



私はコンロの前に立った。

補佐丸にこのコンロの鑑定をしてもらったら、元いた世界のコンロと何ら使い方は変わらないようだ。

棚を開けたら、フライパンやお鍋、包丁など結構揃っている。

ヒューゴは料理好きかな?

ちょっとお借りしまーす。

料理はおばーちゃんから教わっていたから、多少は自信がある。

時短レシピであれを作ってみようかな?


私は食材を術で召喚した。


「忍法、食料召喚の術」


調理スペースの上に思い浮かべた食材が煙と共に現れる。

サラダ油に鶏もも肉1パック、下茹でされた野菜パックにクリームシチューのルー入りの箱。

私が作ろうとしてるのは時短のクリームシチューだ。

食パンも用意して、調理開始!


コンロに鍋を置いて火を付けて、熱してきた鍋の底に油を引いて、一口大に切った鶏肉を入れて木べらで炒める。

キッチンには水道もちゃんと付いていたので、肉に火が通ったら野菜パックの野菜と水を入れて沸騰するまで待つ。

カレーやシチュー用の野菜パックだから、ちゃんと玉ねぎニンジンじゃがいもが入っている。

じっくり煮込んだシチューの方が好きだけど、今回は時短という事で野菜パックを使った。


沸騰してきたので、ルーを入れた。

あとはルーが溶けるまで待って・・・。


「師匠、何してるんですか?」


あ、ヒューゴお風呂から出たんだ。

振り返って私は固まった。


・・・・・風呂上りのイケメンさんは色気がやばいっす・・。


しかもバスローブ姿って!

ジャージ姿の私とえらい差があるなぁ・・(遠い目)。


「もしかして、食事の用意を・・?」

「あ、うん。迷惑だった、かな?」

「とんでもないです!でも師匠の食事の用意は弟子である俺がしないと!」


いやいや、そこまでしてくれる必要ないよ。

ここまでしてくれたんだもん。

食事の用意くらいさせてちょうだいな。


「気にしないで。ヒューゴはテントやお風呂まで提供してくれたんだもん。食事の用意くらいしないと罰が当たっちゃうよ」

「しかし・・・・」

「んじゃ、ほらあれだ!私は料理をするのが好きなの!だからさせてもらった方が嬉しいのっ。

ヒューゴは何も気にしなくていいんだよ。これは師匠命令!食事は私が用意する!決定!

ほらほら座って座って!もうシチューもできるから!」


まだ何か言いたげなヒューゴを無理矢理椅子に座らせる。

しかし師匠命令が効いたのか何も言わない。

ちょっと強引だったかな?。


シチューを一口啜って味に問題がないのを確認して、木製の皿に二人分のシチューを装った。


「はいっ異世界の食材を使ったシチューとパンだよ。召し上がれ」


私が元いた世界の食材を取り寄せる事もできるというのをヒューゴは知っている(質問攻めされた時に話した)。

ヒューゴは珍しそうにシチューと食パンを見つめてる。


「これが、異世界の・・・・・・」


ヒューゴはスプーンでシチューを掬って、まずは一口食べた。


「・・・・・・・・・・!!!」


かっと赤い目が見開く。

え、不味かった?

口に合わなかったかな・・?


けどヒューゴはがつがつとシチューを食べ始めた。

おお、良い食べっぷり。


「美味しいです師匠!こんなに美味しいシチューは初めてです!

このパンもっこんなに柔らかくて甘味のあるパンは中々ないですっ

師匠の世界はこんな美味しいものがあるんですねっ」


ヒューゴは凄く感動した様だ。

ここまで喜んでもらえるとは思わなかった。

異世界人が地球の食べ物にえらく感激する展開はよくあるけど、これもこの世界ではお約束なんだな。


「良かった口に合ったみたいで。あ、おかわりもあるよ」

「ありがとうございますっ」


ヒューゴはシチューのおかわりを3回もした。

5枚切りの食パンも4枚ヒューゴの腹の中へ。

その食べっぷりは見ていて気持ちよかった。

私はご飯を美味しそうにいっぱい食べる人は好きだ。

特に口元を汚さず綺麗に食べる人。

大食いチャレンジで、無理矢理食べ物を詰め込んだり口元や服を汚す人は生理的に無理だ。

だがヒューゴは口も汚さず綺麗な食べ方をしている。

うん、イケメンさんはいっぱい食べても絵になるなぁ。


汚れた皿も泡沫笛(バブルホイッスル)のシャボン玉で綺麗になった。

良いもの貰ったわー。




「はー・・ベッドきもちー」


ふかふかの布団の感触に、私はもう夢見心地だ。


「この布団と枕にはコカトリスの羽根が使用されているんです」

「へー、コカトリスの羽根・・・」


いるんだコカトリス。

布越しでも分かるくらい、こんなにふわふわな感触なんだな。


「それでは師匠、おやすみなさい」

「うん、おやすみー」


テントの中の明かりが消え、暗くなった。

でも【忍者の眼】のお陰か、暗くてもはっきり見える。


・・・・・今日一日で色んな事がありまくったなぁ・・・・。

異世界巻き込まれ召喚に王国脱出、忍術練習にゴブリン退治にイケメンさんからいきなり勝負を挑まれて、かーらーの弟子入り・・。

どんなハードな内容だ。一日で詰め込みすぎだ。


私、これから先どうなるんだろうな・・。

まあ少なくとも、チートすぎる忍術とチートな魔法使いの弟子のお陰で何とかなりそうではあるけど。


・・・元の世界では私の存在はどうなってるんだろう。

行方不明者扱いかな?

お父さんとお母さん、心配してるかな?


・・・ごめんよ、親孝行もできなくて。

せめて頑張って生きるから、お父さんとお母さんも元気で生きてね。



気づいたら私はそのまま寝落ちた。


====================


「こんにちはイクミ、私は創造神です。

あ、思い出しました?そうです私は貴方と一度会っています。

今日はとても悲しい事をお伝えしなければいけません(ハンカチ目に当てて)。

元の世界では、藍原舞花も含めて貴方の存在はなくなりました。

どういう意味かって?

簡単に言えば、貴方たちの存在は最初からいなかった、生まれてもいなかった存在・・という事になります。

家族、友人、知り合い等々の方々からは貴方たちの記憶も、貴方たちがいたという証拠も全て地球から消えました。

これは異世界召喚においての代償なのです。

何て酷い話でしょう・・・・。

しかし創造神といえども、この私にはどうする事もできないのです。

ごめんなさいね。

その変わりイクミ、貴方の運命は私が保証します。

私の子供、運命の神に頼みましたから♡。

お気づきかもしれませんが、貴方にとって良い方向へ道が進んでいますよね?

これから先も、運命は貴方にずっと味方します。

どうか安心して異世界で生きてくださいね。

藍原舞花ですか?あの子は・・元の世界でちょっとシャレにならない事をしてましたからねぇ・・・。

聞きたいですか?

そうですか・・・。聞かない方が正解かもしれませんね。

藍原舞花がこれからどうなるかは、あの子のこれから次第ですね。

それではイクミ、これからも私は貴方を見守りますのでグッドラック!

あ、この記憶も目が覚めたら消えちゃうからご了承よろしくね~」


評価やブクマありがとうございますっ

文章がおかしい部分も多々ありますが、凄く嬉しいです(感涙)

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