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第七十九話 ドラシエル・マリーン1 ヒューゴ&ルル&パテルside



絵にも描けない美しさ。

とはまさにこの深海の底にある国の事をいうのだろう。

大きな大きなシャボン玉に包まれたその国こそ、海に暮らす竜人族の国、ドラシエル・マリーンだった。

シャボン玉は結界魔法も施されていて、外敵から国を守っている。

中には空気があり、そこでは竜人族ともう一つの種族、人魚族が仲良く暮らしていた。

驚くべき事に、人魚族は空を泳ぐように飛べるという事実があった。

空中を海中のように泳いで進み、ドラゴン姿の竜人族と仲良く飛んでいる。



そんな光景をヒューゴ、ルル、パテルは国の中央にある竜人族の城の中から見ていた。

城の中は武装した人魚族と竜人族の兵士が並び、ヒューゴ達に向かって膝まづいていた。


「本当に!本当に申し訳なかった!」

「まったく・・・紛らわしい・・・」

「ルル、びっくりしたー」

「あんな殺気めいた兵士達が現れたら、誰だって誤解するぞ」

「いや全く持ってそのとおりだ・・」


王冠を被り、髭の生えた男がヒューゴ達に何度も謝っていた。

彼こそ、このドラシエル・マリーンの王である。

この王が、ヒューゴ達の乗った船をシャボン玉で包みここまで連れてきた張本人だった。


「ここの所、色々あって兵士達は皆ピリピリしていてな・・。本当にすまなかった!」





ヒューゴ達が武装した人魚達に武器を構えた時、ヒレのあるドライブリザードの引く船に乗って王が現れた。


「この者達は私がここまで招き入れた客人だ!全員武器を下げろ!!道を開けい!」


そう叫ぶと、人魚達の殺気は治まり武器を下して一列に並んだ。


「申し訳ない。我らは決して貴方方の敵はないのだ。信じてほしい」

「竜人族か・・・・?」


ヒューゴはドラシエル・アースの竜人族と同じ髪色や肌の王の姿に、構えていた弓矢を下す。

それを見て、ルルもパテルも武器を下した。


「いかにも。私はドラシエル・マリーンの王、カレント。貴方方をここまで連れてきたのは私だ」

「どーしてー?」

「ここでは何だ。詳しい事は我が城でゆっくり話す。ここは色々危険なのでな・・」

「そう易々とついていくとでも思うのか?」


パテルの言葉は最もだろう。

王は両手を上げて、何もない事を証明するようにする。


「見ての通り、私は丸腰だ。貴方方に敵意はない。どうしても貴方方・・ヒューゴ殿に頼みがあるのだ」

「俺に・・・・?」

「頼む、どうか我が国へ来てほしい。決して貴方方に危害をくわえる気はない。約束する、誇り高き竜人族の血にかけて」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ヒューゴは考えた。

ここは海の底。

地の利は向こうにある。

それにカレント王の言葉に嘘は感じられない。

こんな時、師匠ならどう判断するだろうか?


『嘘は言ってないみたいだから、ここは信じてもいいんじゃないかな?何だか困ってるみたいだし』


・・・・きっとこう言うだろう。


「パテル・・ここから地上まで転移魔法は?」

「我を誰だと思っている?天と地の差があろうとも、不可能はない」

「ルル、俺達から離れるんじゃないぞ?」

「うん!」


いざとなれば逃げる術はある。

ヒューゴは決断した。


「分かった。案内してくれ」




そして今に至る。


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