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第七十七話 洞窟の中を探検 イクミとクリアネスナイトside



「クリア、出てきて良いよ」


私はカバンの中からクリアを出してあげた。

近くに人の気配はないし、クリアを出しても大丈夫だと思ったから。

クリアはカバンから出ると、元の大きさに戻った。


「これから洞窟の中を探るけど、何があるか分からないから注意してね」

「了解致シマシタ、マスター」


洞窟の中は海が近いからか、じめっとしてる。

どこかでぴちょん、ぴちょん、と雨漏りのような音も聞こえる。


「地面、ぬめってて滑りやすいから気を付けて」

「ハイ、マスター」


それにしても大きな洞窟だなぁ。

中に入ると、いつの間にか洞窟の外にいる・・どういう現象だろう?

結界の一種かなぁ?


くん・・・。


「ん?甘い香りがする・・」


何だこの香り?

補佐丸、分かる?


『お答えするでござる。これはかなり強い催眠魔法でござる。この甘い香りは思考を狂わせる効果があるでござる』

「マスター、霧ガ出テキマシタ」


気づくと薄桃色の霧が洞窟の奥から私達を包もうとしていた。

補佐丸、これは?


『霧魔法の一種で、効果は霧の中に入った者を迷宮のごとく迷わせる事ができるでござる』


つまり、催眠魔法で頭を朦朧とさせてこの霧で方向感覚をなくして、外に追い出していた・・という事かなぁ?

アンドリューさん、この香りも霧の事も言ってなかったけど。


『催眠魔法によって、洞窟の外に追い出された瞬間、忘れてしまった可能性が高いでござる』


なるほど・・。

この香りも霧も、私達には効果ないよね?


『勿論でござる。主殿は当然としてクリアネスナイト殿も【完全無効化】のスキルを持っているから、大丈夫でござる』


そっか、良かった。


「クリア、この霧も香りも私達には何の影響もないって。先に進もう」

「ハイ、マスター」


私達は霧の中をどんどこ進んだ。

霧はどんどん濃くなるし、甘い香りも強くなってきた。


「凄い甘い香り・・」

『これだけ強い魔法だと、半端な結界も効かないでござるし、一種の記憶喪失状態になるでござる』


あ、記憶をなくした魔法使いってこれの所為か。

一体誰の仕業だろう?



出ていけ・・・



「ん?クリア、何か言った?」

「イイエ。何モ」

「んじゃ、補佐丸?」

『拙者は何も言ってないでござる』


出ていけ・・・・・


「んじゃ、この声は何・・・・」

「出ていけぇえええええ!!!!!」


ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!


「うわ!?」


濃い霧の上空からバカでかい斧!?

すごい勢いで振り下ろされた斧に、慌てて避けると地面に深く突き刺さった。

あれ?でも何か・・・。

あ、それよりクリアは大丈夫かな!?

見るとクリアもさっと避けてた。

良かった・・。


「マスターニ、手出シサセマセン」


斧が地面から引き抜かれる直前、クリアが斧に蹴りを入れた。

ばきん!と斧は粉々に砕ける。


「クリア!殺しちゃ駄目!手加減して!」


拳を握るクリア。

誰か分からないし、催眠魔法とか使った相手かもしれないから私は慌てて注意した。

いきなり斧を振りかざしてきた相手だけど、話せば通じるかもしれないし・・。


「了解致シマシタ、マスター!」


クリアはジャンプして、霧の向こうへ飛んで行った。


ボゴオオオオオオオオオオオ!!!


・・・・本当に手加減したのか分からない音が洞窟中に響いた。

あ、霧が晴れてきた。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


霧が晴れて現れたものを見て、私はしばらく考え込んだ。

あまりにも予想外すぎて、どう反応したらいいか分からなかったから。


クラゲだ。

10メートルは超えてる巨大なクラゲがでかいタンコブを携えて、気を失っていた。

ちゃんとクリアは手加減したみたいだけど、この様子じゃしばらく起きなさそう・・。

つんつんしてみたけど、無反応。


「さて、どうしたものか・・・あれ?」


目線を逸らすと、花やら草が生えている場所があった。

ここが薬草の生えている場所かな?

ヒューゴが持っていたのと同じ薬草が生えてる。

そこへ行ってみると、何か違和感を感じた。


「・・・・?」


薬草が生えている場所に大きな岩がある。

その裏を覗くと。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


再び私は考え込んだ。

まるで、お魚咥えた猫を追いかける主婦が主人公の家の茶の間みたいな光景があった。

ちゃぶ台にタンスが何故、洞窟の中にあるんだろう?

あ、傍に湖もある・・。


「っ!」


背後から気配を感じて、私は振り下ろされる木の棒を避けた。

同時に何者かの腕を取って思いっきり背負い投げをした。


「がっ!!!」

「・・・・・・・へ?」


思いっきり地面に叩きつけた相手をよく見て、私は驚いた。

見覚えのある白銀の髪、鱗の肌。

この男の人、もしかして・・・。



「ランスロット!!」

「はい?」


気絶した男の人に、岩場の影から誰かが駆け寄ってきた。

私はまた驚いた。

だって。


「お願い!私はどうなってもかまわないからランスロットに酷い事しないで!!」


白い割烹着を着た人魚が現れるなんて想定外すぎるんだもの!


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