表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/138

第七十五話 もう一つの頼み事



白い砂浜、青い海。

穏やかな風に磯の香り。

見る分には何の変哲もない、綺麗な海だ。

ゴミも一つも落ちてないし、この街の人達は海をとても大事にしているんだろうな。



「んで、アンドリューさんが貸してくれた船がこれ・・」


手漕ぎ式の、大人二人しか乗れない小さい船。


「俺達が使える船はこれだけしかないようで・・」

「まあ仕方ないか・・。アンドリューさんはギルドから離れられないし、もっと大きな船を運転できる人は皆、他の街に出稼ぎに行ったっていうし」

「しかしこれでは全員乗れませんね師匠」

「んー、アンドリューさんの依頼も二つあるから、ここは二手に分かれた方がいいみたいだね」


アンドリューさんのもう一つの頼み事は、ある洞窟の調査だった。

丁度海から魚が取れなくなったのと同じ頃、その洞窟で奇妙な事が起き始めたらしい。

その洞窟内では、色んな薬草が生えててとても大切な場所だとか。

ラメーマルでは薬草が取れる場所が少ないんだって。

でも洞窟で奇妙な事が起き始めてから、薬草が取れなくなったとアンドリューさんは話してくれた。

その奇妙な事というのは。


「洞窟に入っても、気づけば外に出ていた・・ほんと、奇妙な事だね」

「しかも詳しく調べようとした魔法使いが中に入ると記憶を失って戻ってきたという話ですからね」


ある魔法使いがこれは幻覚魔法の一種だと推理して、幻覚が効かないよう結界魔法で自分自身に結界を張り、洞窟の中へ調べに行った。

でも少しして、戻ってきた魔法使いは全ての記憶を失っていたという。


「病院で手当てして、一晩経てば記憶が戻ったみたいだから良かったけど・・」

「肝心の洞窟内での記憶は、戻らなかった。面白い事件ですね我が主」

「面白がっちゃ駄目だよパテルさん・・」

「それで師匠、二手に分かれると言ってもどう決めるのですか?」

「んー・・・」

「ルルはおふねにのりたーい!」


まあルルは小さいから、大人二人に子供一人でも大丈夫だろう。

残りの私達はどう分けようか。

クリアもいるし。


「クリアはどっちに行きたいか希望ある?」

「私ハ、マスターニ、ツイテ行キマス」

「俺も師匠とならどっちでも構いません」

「我が主の行く先、どこにでも行きましょう」

「うん、決まらないからあみだくじにしよう」


結局、砂浜にあみだくじを描いて決める事にした。


結果。


「えー、ヒューゴとパテルさんはくれぐれも喧嘩しないように。ルル、二人の事見張っててね」

「はーい!」

「く・・・何故貴様と一緒に船に・・!」

「それは我の台詞だ・・足を引っ張るなよ」

「貴様こそ!」

「けんかしちゃだめー!!」


海を調べるチーム。

ヒューゴ、ルル、パテルさん。


洞窟を調べるチーム。

私、クリアネスナイト。


「それじゃあ遅くても夕方にはここに戻ってくる事にしようか」

「師匠・・念のためにこれを付けてください」


ヒューゴは綺麗なイヤリングをくれた。


「ドラシエル・アースの国で手に入れた、念話のイヤリングです。これを付けてる者同士は遠くに離れていても、念話で通じ合う事ができます」


そう言ってヒューゴは髪をかき上げ、左耳を見せてくれた。

そこには同じイヤリングがあった。


「そっかありがと、ヒューゴ。これでお互い連絡できるね」


私は右耳にイヤリングを付けた。

何かお揃いみたいで嬉しい。


「ではお気を付けて師匠」

「うん、ヒューゴもね。皆も気を付けて」

「ルル、からあげのためにがんばる!」

「良い心がけだルル」


良い子良い子とパテルさんがルルの頭を撫でる。

最終目的はやっぱりから揚げなんだね・・。


こうして私達は二手に分かれて、海と洞窟を調べる事になった。


閲覧ありがとうございます!

評価やブクマしていただけると、大変励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ