第六十八話 小さな村につきました
ある鳥の七色に輝く羽根に純白曜石という石を削ったペン先。
すごく綺麗なその羽ペンはインクをつけなくてもまるでタブレットのようにすらすら紙に文字が書ける。
綺麗な便箋に私は、オデットさんへの手紙を書き始めた。
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~オデットさんへ~
お元気ですか?
って、まだそんなに時間がたってないのに可笑しいね。
私達は今、ゆっくり歩いて旅をしてるよ。
ドラシエル・アースのお菓子を食べながら(笑)。
ルルなんかほっぺいっぱいに食べてリスみたいになる事がしょっちゅうです。
旅はとても楽しいけど、実はこんな事がありました。
この事は、一生忘れないと思う。
これまでに出会った人達は皆良い人達だったから余計に・・・。
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「ようこそウイケト村へ。小さな村ですがゆっくりしていってください」
私達は小さな村についた。
何か昔々で始まる絵本に出てきそうな村だ。
入国審査所もない。
でも入り口には門番らしき人もいたし、ヒューゴ曰くしっかりとした魔物避けの魔道具も設置されていた。
「この村に旅人が来るのは久しぶりです。実に嬉しいっ」
私達が来た事を伝えられて、村長さんが現れた。
村長さんはにこにこ顔の絶えない小柄なおじいさんだった。
よほど私達が来たのが嬉しいのか、満面の笑みだ。
でも荷物検査の時に名前を聞かれて、ヒューゴが名乗った途端、村長は物凄い驚いた顔をした。
「ひ、ヒューゴ様・・!?あの有名な・・・そ、そうですか・・貴方があのヒューゴ様・・・」
どうしたんだろ?
「何やらヒューゴが来た事に、妙に焦っているようだな?」
「っそ、そんな事はありません。ただSランクの冒険者として名高いヒューゴ様がこんな小さな村に来てくださった現実を受け止めきれなくて・・・」
おじいさんは顔を赤くしていた。
村の人達も、特に女性陣は赤くなってヒューゴを見てひそひそ話していた。
忍者の私の耳にもばっちり聞こえるひそひそ話。
内容はまあ今までと変わらずヒューゴがかっこいいとか会えて感動とか。
パテルさんに対しても素敵とか色々聞こえたけど。
でも、村長さんのあの驚きはちょっと気になるかな・・?
「あ、あの教会、とても素敵な教会ですね」
村の奥に白い教会が見えた。
こじんまりとした作りだけど、お洒落で可愛い教会だった。
「ありがとうございます。あの教会は私達の村を守ってくれる神様に祈りを捧げるための大切な教会なのです」
「どんな神様なんですか?」
「素晴らしい、神様ですよ」
にっこり笑う村長さん。
周りの村の人達もにっこり笑う。
・・・・・・?
何か、変な感じ。
「ルルおなかすいたーっ」
ルルの一声で、変な空気が戻った。
「おお!それでしたら村で一番美味い飯屋を紹介しましょうっ」
ささっ案内しなさいと村長さんの命令で村の人達が私達を飯屋まで案内してくれた。
「(師匠、何やらこの村きな臭いですね・・)」
「(どうやらこの村、何かありそうです我が主)」
「(うん・・私も何か変な感じがするんだ・・)」
それに、この村に入った時に変な音が聞こえたんだ。
何か、床を引きずるような音が・・。
その夜、私達は村の小さな宿に泊まった。
他にも部屋はあったけど、相も変わらず全員同じ部屋で眠る事に。
そんな真夜中。
───・・・・・
────・・・・・・・・・
「ん・・・・?」
誰かの寝言?
私は目を覚ました。
同時にクリアネスナイトも起き上がる。
「マスター、ドウカナサイマシタカ?」
「うん・・何か声が・・」
「声?」
でもヒューゴもルルもぐっすり寝てる。
「・・・パテルさん?」
パテルさんだけ起きてた。
声をかけると、パテルさんはしー、と指を口元に当てた。
────・・・・────・・・・・・・
「・・・・誰?」
ベッドから起き上がって辺りを見渡す。
「師匠・・?どうしましたか?」
「ママぁ・・・?」
ヒューゴもルルも起きてしまった。
パテルさんはじ、とカーテンを引いた窓を見つめてる。
────・・・・・・
「誰かいるの・・・?」
声は窓から聞こえた。
「師匠?何か気配を感じるのですか?」
「何か、声がして・・・」
「?ルル、なにもきこえないよー」
「私モデス。マスター」
「ヒューゴは?」
「・・・・・特には・・・」
私とパテルさん以外、この声が聞こえてないみたい。
どういう事?
「ヒューゴ達に聞こえないのは当然です。しかし私ならともかく、この声を聞く事ができるとは、流石は我が主」
パテルさんがぱちりと指を一回鳴らした。
そしてまた声が聞こえた。
────・・・・・
「あ!きこえた!」
「聞こえるようにしてやったのだ」
「何だこの声は・・・!」
「外カラ聞コエルヨウデス、マスター」
全員窓を見た。
「パテルさん・・この声って・・」
「どうやらこの村、大きな秘密があるようですね我が主」
パテルさんは窓辺に近づく。
そして勢いよくカーテンをしゃっと開けた。
窓の向こうにいたのは。
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