第六話 師匠と呼ばれても困るんですけど!
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初めて貰いました!
これを励みに頑張ります(*´▽`*)
森の奥には大きな湖があった。
綺麗に透き通っていて、泳ぐ魚が丸見えだ。
持っていたハンカチを濡らして硬く絞り、木の根元に寝かせたイケメンさんのおでこにハンカチを乗せる。
「完全に気を失っちゃってるなぁ」
『主殿の技が効いたでござる』
そう、あのイケメンさんに槍で襲われそうになった私は、咄嗟に鞘に収まったままの忍び刀を抜いてイケメンさんの槍を弾き飛ばした。
そんで勢いに任せてイケメンさんの腕を掴んで、一本背負いを決めてしまったのである・・・。
『忍者ならば、体術もできて当然でござる』
地面に思い切り叩きつけてしまって、イケメンさんは気絶してしまった。
話も聞かずに襲ってきたこのイケメンさんが悪いんだけど、ちょっとやりすぎてしまったわ・・。
私はイケメンさんを何とか湖の近くまで運んだ。
ちなみにイケメンさんの槍もちゃんと運んで、側に置いてあげた。
無限空間から四角い水筒を取り出し、買い物の時に購入した木製のコップを用意した(水筒は街で購入したもので、中身はミネラルウォーターだ)。
「・・・・・・う・・・・・・・ん・・・・・」
「あ、起きた」
イケメンさんが目を覚ました。
おでこに乗せたハンカチをどかして、水をコップに注いで渡してあげる。
「お水どうぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・すまない」
イケメンさんは素直に受け取ってくれた。
「・・・・・・・美味い・・・こんな美味い水、初めてだ」
お水を飲んだイケメンさんは一気に水を飲んだ。
この世界の水がどこまで綺麗か分からないけど、少なくともこの世界の人の口にはミネラルウォーターは合うみたいだ。
「体、どっか痛い所ありますか?一応こっちは正当防衛のつもりだったんだけど・・ちょっとやりすぎたみたいだし・・」
「・・・・いや、大丈夫だ。こちらこそ、すまなかった」
イケメンさんはぺこりと頭を下げた。
さっきとはえらい違いだ。
「いきなり勝負を挑んだりして申し訳ない。
俺は強くなる為にずっと旅をしているんだが、ここ最近中々強い者と出会えなくてな・・。
ゴブリンの集落がこの森にできたと聞いて、上位ランクの種がいるかもと思いこの森に来たのだが、そこで貴方の戦う姿を目撃した。
久しく強者に出会えたと思って、つい感情が高ぶってしまった」
わあ迷惑な話・・・。
でも本当に反省しているみたいだ。
こっちも別に怪我はしてないし、許してあげよう。
「私もやりすぎたからもう良いですよ。これでお相子って事で!ね?」
「・・・・・・・・ありがとう」
これで終わりかと思いきや、イケメンさんは突如正座した。
え?何々?
「ぶしつけだが、名前をうかがってもいいか?」
「え?あ、イクミ、ですけど」
「俺はヒューゴ。突然だが是非とも貴方の弟子にしていただきたい!!イクミ様!!」
・・・・・・このイケメンさんはほんとに突然何を言いだすんだ一体!?
弟子って何!?
「いやいやいや!弟子って何ですか弟子って!しかもイクミ様って!止めて下さいよ!」
「では師匠!!」
「そう言う意味じゃなくて!!!」
「俺は貴方の強さに惚れた!だからどうか弟子にしてください!!」
地面におでこぶつけて土下座するイケメンさん、いやヒューゴさん。
おいおい凄い音したけどおでこ大丈夫?
「な、何でそんなに必死なんですかぁっ?」
「俺は、もっと強くなりたいんだ・・!母の仇を討つ為に・・・・!」
「か、仇??」
ヒューゴさんは自身の身の上を語ってくれた(聞いてないんだけどね)。
ヒューゴさんのお母さんはとても優秀な魔法使いで、お父さんを早くに亡くしてしまい、ずっと女手一人でヒューゴさんを育ててくれたらしい。
でもある日、一人の魔法使いが現れお母さんを殺したという。
その時の記憶は曖昧らしい。
はっきりと覚えているのは、魔法使いが放った魔法によりお母さんが目の前で死んだ事。
その魔法使いの顔には蝶の刺青があった事。
以来、ヒューゴさんはお母さんと同じ魔法使いを目指した。
強くなってその魔法使いを探し出して、母の仇を討つ事を目標に生きてきたのだという。
何というか・・・まるでどこかの主人公みたいな過去だなぁ・・・。
「それなら益々私は師匠に向いてないよ・・・」
もう私は敬語を使う気力もない。
「ヒューゴさんが強くなりたい気持ちは分かったけど、それならもっとふさわしい師匠が他にいると思うよ」
「いや!!貴方以外に強い人は他にいない!!どうか弟子にしてください!!!」
あ~もうどうしたら良いんだ!?
「あのね、私は14歳。とても人に教えられる立場じゃないよ」
「年齢は関係ない。弟子にしてください」
「あのね、私は魔法じゃなくて忍術を使うの・・魔法使いなヒューゴさんに教える事はないよ」
「忍術・・あの見た事もない魔法か・・。誰も知らない魔法が使えるとはさすがだ!弟子にしてください!」
「お願い話ちゃんと聞いて」
このまんまじゃ埒があかないなぁもう!
そしたらヒューゴさん、ずいっと顔を至近距離に近づけてきた。
イケメンな顔が視界いっぱいに映って、たじろいでしまう・・。
「お願いだ・・。どうか、俺を弟子にしてほしい・・・」
イケメンボイスー!
日下部いくみ、14歳。
影が薄い故に、誰にも注目されず生きてきた。
おまけにこんなぽっちゃり体系だ。
当然、彼氏どころか初恋だってした事ない。
ましてやイケメンさんには全くもって縁がなかった。
だから・・・
イケメンさんには免疫ないんだよおおおお!
どうすりゃいいのさああああ!
「イクミ様・・・・・・・」
赤い目がじっと私を見つめる。
まつ毛も長い・・・。
うう・・・・・。
そのまま
見つめられる事、5分・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・」
根負けした私はついに・・弟子入りに頷いてしまった。
「ありがとうございます!師匠!!!」
ヒューゴさんは満面のイケメンスマイルを浮かべた。
ああ・・・私の馬鹿・・・・。
『主殿・・・・・』
補佐丸・・何も言わないで・・・・。




