第六十話 恋愛トークはまだまだ続く オデットの想い
「私は・・・どちらも真剣に想ってますわ!」
どーん!と効果音が付きそうなくらい、きっぱりと言い切ったオデットさん。
えええ・・・。
「恋愛は一人だけに絞らなくちゃいけないという決まりはありませんわ!」
オデットさん曰く、相手をとっかえひっかえ好きに弄んだ挙句にポイ捨て系とか、良い男や良い女を侍らせて自分中心でないと気が済まない系は恋愛じゃないらしい。
うん、私もそれは同意見だ。
いわゆる最低タイプと逆ハ&ハーレム至上主義タイプだね。
でもどちらにも差をつけず、平等な愛であればOKらしい。
一夫多妻婚及び一妻多夫婚が認められてる世界だもんなぁ。
「イクミ様はサヴェッジドラゴンとの闘いにおいて、あの凛々しく美しいお姿に私は心を奪われました・・。絶対的な強さを持ちながらもそれを鼻にかけない奥ゆかしさ・・小さきスライムや巨大なゴーレムに対しての深い愛・・イクミ様への想いは深まるばかりですわ」
「な、何か照れるな・・・」
「確かにイクミ様のあのお姿は美しかったです!」
「オディールさんまで何を・・!」
う、うーん。
私は恋愛に性別は関係ない派だけど、いざ同じ女の子にここまで好きという感情向けられるとどうしたら良いか分からなくなる・・。
でも嫌悪感は全然ない。
本気で想ってくれているのなら、嬉しいと思う自分もいる。
ただ恋愛感情ってよく分かんないんだよな自分。
オデットさんの事は、お友達の意味で好きだけど。
・・もし私が本気で恋をしたら、相手は誰になるのかな?
「ではヒューゴ様は?」
あ、まだ話続いてた。
「ヒューゴ様は、人族でありながらこの国にまで噂が届くほどの強い魔法使いという事で、私は強い興味を抱きましたわ。
いったいどんなお方なのかと、一度水晶鏡でヒューゴ様の事を見てしまいましたの・・」
「王女様!?私利私欲目的で水晶鏡を使うのはタブーですよ!??」
「え?そうなの?」
あんなお祭りみたいな使い方もしてるのに?
オディールさん曰く、多目的や国のために使うのはOKらしい。
だけどあくまで水晶鏡は外界に危険がないか情報を調べるためのもので、私利私欲で使ったりすると水晶鏡にかけた魔法によって何らかの報復を受けるんだって。
まあ確かにあの鏡だと、プライバシー関係ないよなぁ・・。
ジークさんは毎日、水晶鏡で外界を見てるらしいけどそれはこの国に危険が迫ってないか、魔物が近くに来ていないか見る為であって、王としての大切な仕事らしい。
それで私達を見つけて、ドラゴン姿で襲ってきたんだよね・・。
今思い出しても強烈な初対面だったわ。
「あの時は10日ほど、高熱が出て大変でしたわ・・」
「!あの謎の病はそれが原因だったんですね!!王や国の者達がどれだけ心配したと思っているんですか!!?」
「心から反省していますわぁ!もう二度としませんからそんなに怒鳴らないでくださいましぃ!」
「ま、まあまあオディールさん・・」
怒るオディールさんを何とか鎮める。
「私のした事は愚かだったと思いますわ・・。でも水晶鏡で一度だけ見たヒューゴ様は、ちょうど魔物と戦っている時でした・・。その時のヒューゴ様のお姿・・今でも忘れられませんわ・・。たった一度の攻撃魔法で魔物を瞬殺されたんですもの・・・。高熱にうなされながらも、ヒューゴ様のお姿は目に焼き付いて離れませんでしたわ・・」
うっとりと語るオデットさん。
その時以来、周りの目を盗んでお忍びで色んな国へ行ってヒューゴグッズを探し求めてるんだとか。
ジークさんやオディールさん達の苦労が目に浮かぶ・・。
「私は、イクミ様のヒューゴ様も心からお慕いしております・・!どちらかを選べだなんて・・拷問ですわ・・!」
うっとハンカチで目元を押えるオデットさん。
ヒューゴへの気持ちは、芸能人に対するファンみたいなもんかと思ってたけどそうじゃなかったんだね。
「たとえ誰が何といおうとも、私の想いは本気の本気ですわ」
そう言うオデットさんの目は真剣そのものだった。
嘘じゃないだろう。
「イクミ様、イクミ様は意中のお方はおられますか?」
「え?私!?」
おおっとここで私に白羽の矢が立った!
ど、どう言えばいいんだ・・?
「私も気になっていました。イクミ様は、誰かお好きな方がおられるのですか?」
「い、いや・・別に・・・」
「もしやあのヒューイットという者が意中のお方では?」
「ええ?!」
その頃、ヒューゴは小さくくしゃみをしていた。
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